【第1部】夜の公園に沈む人妻──偶然の怪我から始まる予感
夜の公園は、昼間のざわめきをすっかり飲み込み、虫の声と風のざわめきだけが支配していた。僕は十九歳、大学一年。サッカー部の練習後、汗を落とすように夜のジョギングを日課としている。関西の住宅街から少し外れたこの大きな公園は、外灯もまばらで、人影がほとんどない。奥へと進むにつれ、闇が深くなり、時折すれ違うランナーの存在さえ幻のように思える。
その闇の中で、僕が密かに心を奪われていた女性がいた。
初めて見かけたのは数週間前。長い髪を後ろで束ね、引き締まった身体を包むランニングウェアのラインは、スポーツに励む若い女性のようにも見えた。だが、よく見ると大人の色気を纏い、笑うときの目尻のしなやかな皺が、彼女が僕よりずっと年上であることを告げていた。
その夜も、彼女は一定のリズムで公園を走っていた。僕は少し離れてその姿を追いかけるように走る。胸の奥では言葉にできない衝動がざわついていた──ただ「綺麗だ」と思うだけでは済まされない、もっと奥深くに触れたいという危うい欲望。
その瞬間だった。
「──あっ」
短い声と共に、彼女が足を止め、片足を押さえながらよろめいた。僕は慌てて駆け寄り、肩を支える。夜の汗と体温が混じり合う匂いが、不意に僕の胸を熱くした。
「大丈夫ですか?」
「…ごめんなさい、ちょっと捻っちゃったみたい」
痛みに顔をしかめながらも、彼女は小さな笑みを浮かべた。その表情は、弱さと艶やかさがないまぜになった、男の理性を試すような危うい光を帯びていた。
僕は彼女を支えながら、公園の奥にある東屋までゆっくりと歩いた。外灯に照らされるたび、彼女の横顔と汗ばむ肌が白く浮かび上がる。手のひらに伝わる柔らかな感触に、足音よりも早く心臓が鳴った。
東屋のベンチに彼女を座らせると、彼女は深く息を吐き、足首を押さえながらこちらを見上げた。
「助けてくれてありがとう。…私、真理子っていうの。三十七歳。こんな時間に若い子に支えられてるなんて、ちょっと恥ずかしいわね」
人妻──その響きが夜気を震わせた。
ただの怪我を助けただけのはずなのに、目の前の彼女から漂うのは、禁じられた果実の香り。僕の身体はもう、逃げ場のない熱を帯び始めていた。
【第1部】夜の東屋で滲み出す予兆──人妻の吐息が熱を呼ぶ
ベンチに腰を下ろした真理子は、足首をさすりながら深く息を吐いた。額に浮いた汗がこめかみを伝い、首筋へと滑り落ちていく。夜風がそれを冷ますたび、彼女は小さく身を震わせ、その震えが僕の掌へも伝わった。
「ごめんなさいね、せっかく走っていたのに…」
そう言う声はかすかに笑っていたが、吐息が混じり、湿った甘さを含んでいた。
僕はそっと彼女の足を支え、捻った部分を確かめるように指先で触れる。ほんのわずかに肌に触れただけなのに、柔らかい感触と熱が指先を焼き、喉が乾いていく。
「…あ、そこ…」
彼女の唇から零れた声は、痛みに耐える声であるはずなのに、どこか掠れた艶を帯びていた。
夜気に交じる汗の匂いは、運動の後の爽やかさよりもずっと濃く、女の体温そのものを漂わせているようだった。僕は無意識のうちに息を詰め、彼女の足首から視線を這わせる。ランニングパンツの裾からのぞく太腿はしっとりと湿り、月明かりに照らされて艶めいていた。
「若いのに…手が熱いのね」
真理子が小さく微笑み、僕の手をそっと見下ろす。拒絶するでもなく、むしろその温もりを確かめるように指先を動かした。
その瞬間、夜の公園は僕ら二人だけの閉ざされた空間になった。
風も虫の声も遠ざかり、聞こえてくるのは彼女の呼吸と、僕の心臓の高鳴りだけ。
たったひとつの触れ合いが、理性の膜をやわらかく破り、濡れの予兆を確実に呼び込んでいた。
【第1部】沈黙に滲む疼き──視線と間合いが壊す理性
東屋に静寂が降りた。
彼女はまだ足首をさすりながら、けれどその動きはもう治療のためではなく、落ち着かぬ心を紛らわせるためのもののように見えた。僕の手の熱を感じた後から、彼女の吐息は浅く、わずかに乱れている。
視線が重なる。
長いまつ毛の下から向けられたその瞳は、夜の闇を吸い込みながらも潤み、ほんの一瞬で僕の胸の奥を突き刺した。
「……」
言葉を探して口を開きかけるが、声にならない。僕の沈黙は拙さでありながら、彼女の沈黙は──誘いのようだった。
距離はわずか数十センチ。
座ったままの彼女の肩から漂う熱気が、夜風に乗って僕の頬を撫でる。その体温がまるで自分のもののように錯覚し、喉の奥で唾を飲み込む音がやけに大きく響いた。
「若いって、残酷ね……」
ふと、真理子が囁くように言った。
「何もしていないのに、こんなに心を乱されるんだもの」
その言葉に僕の理性は大きく揺れた。彼女の声音には、諦めでも抵抗でもない、むしろ危うい期待が滲んでいる。人妻であることを隠さず語った彼女が、なお僕に視線を絡め続ける理由──それは既に、禁じられた境界を越える覚悟を半分以上含んでいた。
沈黙が長く続く。
けれどその沈黙こそが、身体の奥に潜む欲望をはっきりと膨らませ、やがて次の瞬間へと導くための前奏曲だった。
この夜、理性の均衡は確かに崩れ始めていた。
第2部で訪れる官能の奔流を予感させながら──。
【第2部】唇でほどける理性──人妻の奉仕と疼きの核心
沈黙を切り裂いたのは、真理子の震える指先だった。
彼女はゆっくりと僕の太腿に手を置き、視線を絡めたまま小さく囁く。
「…もう、止められないわね」
その瞬間、理性の最後の糸が切れた。
彼女は膝をつき、僕の股間へと顔を寄せる。布越しに形を確かめる仕草は、まるで長く飢えてきた者が禁じられた果実を確かめるようで、僕は思わず息を呑んだ。
「…熱い……」
小さな吐息と共に、指先が布をずらす。露わになった肉の昂ぶりに、彼女は一瞬だけ驚いたように目を見開き、次の瞬間には艶やかな笑みを浮かべた。
「こんなに大きいなんて……若さのせいかしら」
唇が触れた。
柔らかな口腔の温もりが、先端を包み込む。熱と湿り気がじわじわと染み込み、理性はたちまち蕩けていく。
舌先が螺旋を描くように舐め上げ、唾液が糸を引く。彼女はまるで熟練の芸術家のように、丁寧に、そして大胆に僕を味わい尽くしていった。
「ん……んっ……」
鼻にかかる声が震え、喉奥へと受け入れるたび、窮屈さに彼女の目尻が潤む。けれどその苦しげな表情でさえ、悦びを隠しきれない甘美な陶酔を滲ませていた。
唇で締め、舌で弄び、喉で呑み込む。
一つ一つの動きが計算された技巧でありながら、人妻の抑えきれぬ渇望が滲み出ている。彼女の喉奥に沈み込むたび、温かく濡れた圧迫感が僕の全身を突き抜け、背筋に稲妻のような快感を走らせた。
「若いあなたの全部を……飲み干してしまいたい……」
真理子は唇を離し、糸を引く唾液を舌で絡め取って囁いた。その瞳は濡れて妖しく光り、人妻の理性が完全に崩れ落ちていることを物語っていた。
夜の東屋に響くのは、唇と肉が絡み合う濡れた音、そして彼女の喘ぎと僕の荒い息遣いだけ。
理性の瓦解はすでに終わり、残るのはただ、果てに至るまでの濃密な官能だけだった。
【第3部】背徳の揺らぎ──人妻が跨り、貪り、果てる夜
真理子の唇が離れた瞬間、糸を引く唾液が夜気にきらめいた。彼女は荒い息を整えながら、濡れた瞳で僕を見上げる。
「もう……我慢できないの」
囁きながら、彼女は自ら腰を上げ、僕の上に跨った。
ランニングパンツをずらし、熱を孕んだ中心を導くように擦り合わせると、湿り気はすでに滴るほどに溢れ出していた。僕の昂ぶりを受け入れようと、彼女の身体は理性を裏切って疼き続けている。
「んっ……あぁ……っ!」
深く沈み込む瞬間、彼女は背筋を反らせ、声を漏らした。膣奥で熱が絡み合い、密着するたびに甘美な衝撃が二人を貫く。人妻の内奥が若い肉を締め上げ、濡れた音が静寂の東屋にこだまする。
真理子は自ら腰を上下に揺らし、快楽を貪るように動き始めた。
「だめ……奥まで届くたび、壊れちゃう……!」
喘ぎ声と吐息が混じり合い、夜風さえ湿らせる。
やがて体勢を変え、彼女は自ら四つん這いに身を沈めた。背を弓なりに反らし、後ろから迎え入れる姿は、理性を捨てた人妻の本能そのもの。
「後ろから……もっと……突き上げて……!」
僕は彼女の腰を掴み、容赦なく打ち込んだ。肉と肉がぶつかるたび、彼女は高く声をあげ、震える身体を前へ突き出す。
「やっ……そこ……だめぇ……! 奥で…擦れて……! あぁぁっ!」
理性も羞恥も溶け落ち、残ったのは欲望だけ。
何度も何度も突き上げられ、彼女は絶頂に達するたび、腰を痙攣させ、膣奥で締め付けながら果てていく。
「もう……止まらない……お願い……そのまま……奥で……!」
絶頂の波が重なり合い、僕もまた限界を迎えた。深く突き入れた瞬間、二人は同時に叫び声をあげ、全身を震わせながら夜の闇へと果てた。
背後の街灯の下、汗に濡れた人妻の身体は妖しく輝き、荒い呼吸だけがしばらく続いた。
やがて真理子は崩れるように僕の胸に顔を埋め、かすかに囁いた。
「こんなに満たされたの、何年ぶりかしら……」
夜の公園に、再び静寂が戻った。
だが二人の身体には、もう元に戻れない熱が深く刻まれていた。
まとめ──人妻の渇きを潤す夜の記憶
偶然のように見えた捻挫は、実は必然の扉だったのかもしれない。
夜の公園、ひっそりとした東屋──そこに生まれたのは、人妻が長年抱えてきた渇きを解き放つ秘密の官能だった。
彼女の名前を知り、人妻という枷を耳にした瞬間から、理性は薄氷のようにひび割れていった。
熱を帯びた体温、汗に濡れた肌、唇から零れる吐息。
それらはやがて奉仕の行為に変わり、唇と舌が編む濡れた旋律に、僕は抗えぬ快感を刻みつけられた。
そして騎乗位、後背位で繰り返される貪欲な律動。
人妻の身体が若さの昂ぶりを全て受け止め、果てるたびに理性も羞恥も溶けて消えていく。
絶頂のたびに交わされた声と熱は、夜風さえも湿らせ、二人の間に戻れない刻印を刻みつけた。
──人妻・真理子。
彼女の渇きは、若い僕の身体によって満たされ、僕自身もまた禁断の蜜に酔いしれた。
背徳と悦楽が絡み合ったこの体験は、ただの情事ではない。読者の奥深くに眠る本能を震わせ、誰もが抱える「欲望」という真実を鮮やかに照らし出す。
この夜の記憶は、もう消えることはない。
人妻の吐息と濡れた声は、今も僕の耳の奥で脈打ち、未来へ続く淫らな物語の始まりを告げている。




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