公園のベンチにベビーカーを止め、息子の寝顔を確認しただけのはずだった。風が頬を撫で、桜の葉が小さく揺れていた午後。スマホの画面を見ていた指が、ふと止まった。
背後から聞こえた声は、六年前の夜と同じ低さだった。
「あかりか」
振り返る前に、膝の内側が熱くなった。達也がそこに立っていた。少し痩せ、目元に影が増えていたのに、声だけは変わっていなかった。
「まさかこんなとこで会うとはな」
穏やかに笑う口元を見た瞬間、胸の奥がきゅっと締まった。二十四歳の頃、仕事が終わると彼の部屋に直行し、朝まで肌を重ねていた日々が、一気に蘇る。結婚して息子が生まれ、もう終わった話だと自分に言い聞かせていたはずなのに。
「元気そうだな。子供、可愛いな」
達也がベビーカーの中を覗き込む。息子はまだ深く眠っている。私は慌てて体を横にずらし、距離を取った。
「もう、そういうのやめて。私、結婚してるから」
「知ってるよ。でも、今も同じ匂いだな」
急に近づかれ、耳元で囁かれた。首筋に熱い息がかかる。六年前、何度も同じ場所を舐められ、そのまま奥まで咥えられた記憶が、下腹部からじわじわと上がってきた。太腿の内側が、勝手に熱を帯びる。
「帰って。お願い」
掠れた声しか出せなかった。達也は小さく笑い、一度だけ私の腰に手を添えた。指先がスカートの生地の上から、骨盤の窪みをなぞる。その感触だけで、下着の内側がわずかに湿った。
「またな」
そう言って歩き去る背中を、動けずに見送った。
家に着いても、胸のざわつきは収まらなかった。夫は出張で三日目。息子を寝室に寝かせ、カーテンを半分開けたままダイニングの椅子に座った瞬間、インターホンが鳴った。
モニターに映ったのは達也だった。
ドアを開けた瞬間、彼は中に入ってきた。鍵をかける音が、やけに大きく響く。
「息子は?」
「寝てる。だから、すぐに帰って」
言葉の途中で、達也の手が私の頬に触れた。熱い。六年前と同じ温度。親指が唇の端をゆっくり撫でる。
「あかり。まだ、俺のこと覚えてるだろ」
唇が重なった。拒むつもりで両手を彼の胸に当てたのに、指先がシャツの生地を握ってしまう。舌が口の中に滑り込み、上顎をゆっくり舐められた瞬間、下腹部がきゅっと締まった。唾液の音が小さく聞こえる。六年ぶりなのに、舌の動きを身体が覚えている。
「んっ……だめ、息子が……」
「声、出すなよ」
達也は私を壁に押し付け、スカートの中に手を滑らせた。太腿の内側を撫で上げ、下着の端に指がかかる。布の上から陰唇を押されただけで、腰が小さく跳ねた。すでに生地が湿っているのが、自分でも分かった。
「ほら、やっぱり。こんなに濡れてる」
囁きと同時に、指が布を横にずらす。熱い指先が直接、割れ目に触れた。ぬるりとした感触。クリトリスの上をゆっくり円を描くように撫でられる。恥ずかしい音が、指と肌の間で小さく鳴った。
「待って……こんなの、おかしい……私、母親なのに……」
「おかしくない。体が正直なだけだ」
ブラウスのボタンが一つ、また一つ外されていく。白い肌が露わになるたび、達也の視線が落ちる。カーテンは開けたまま。向かいのマンションの窓が、ぼんやり見える。誰かが見ているかもしれない。その考えが、かえって乳首を硬くした。
達也が顔を下げ、片方の乳首を唇で含んだ。熱い舌が輪を描き、軽く吸われる。もう片方は指で摘まれ、ゆっくり捻られる。電流のような快感が、胸から下腹部へ一直線に走る。
「あっ……そこ、弱いの……知ってるくせに……」
六年前、彼は私の弱い場所をすべて把握していた。今も同じだった。
テーブルの端に腰を乗せられ、脚を大きく開かされる。達也が跪き、太腿の内側にキスを落としながら、ゆっくりと中心へ顔を寄せた。熱い息が陰部に当たる。次の瞬間、舌が割れ目を下から上へゆっくり舐め上げた。
「んっ……!」
声を殺そうとしても、喉の奥から漏れる。舌先がクリトリスを捉え、左右に小さく揺らす。片方の指が入口に入り、ゆっくりと掻き回される。ぬるぬると水音が立つ。六年ぶりの感覚なのに、中がきゅっと締まり、指を吸い込む。
「主人より、俺の方が分かってるだろ。こんなに締まる」
否定したかった。できなかった。二本目の指が入った瞬間、腰が勝手に前に出た。達也の舌がクリトリスを強く吸い、指が内側の弱い場所を繰り返し擦る。視界が少し霞む。
「イキそうな顔してる。まだ入れる前なのに」
達也が立ち上がり、ベルトを外す音がした。熱いものが太腿に当たる。亀頭が割れ目を上下に滑り、ぬるぬると音を立てる。そのままゆっくりと、奥まで入ってきた。
「んっ……あ……深い……全部、入ってる……」
六年ぶりの感触。内側が熱いもので満たされ、ひくひくと痙攣する。達也は一度、根元まで埋め込んだまま動きを止めた。私の中が彼を締めつけ、脈打つのが互いにはっきり分かる。
「動くなよ。息子、起きないように」
低い声と同時に、腰がゆっくり動き始めた。引き抜かれるときの摩擦と、再び奥まで押し込まれるときの圧迫。ぐちゅ、ぐちゅと濡れた音が部屋に広がる。テーブルが小さく軋む。
カーテンの隙間から光が差し、私の胸と腹、結合部を照らしていた。見られているかもしれない羞恥と、隣室で息子が寝ている緊張が、快感を鋭くする。達也の手が腰を掴み、角度を変える。亀頭が内側の弱い場所を何度も擦った。
「あっ……そこ……だめ、そこばかり……」
「分かってる。ここだろ」
腰の動きが速くなる。私は彼の肩に顔を埋め、歯を立てないように耐えた。それでも「あっ、あっ、んっ」と短い声が漏れる。唾液が唇の端から垂れ、達也のシャツに染みた。
達也が私を抱き上げ、そのまま立ったまま突き上げてきた。重力でより深く入り、子宮口あたりを何度も突かれる。脚が達也の腰に絡みつき、かかとが彼の背中を叩く。
「声、出していいぞ。我慢するな」
「だめ……聞こえる……息子が……あっ、深い……」
達也は耳元で低く笑い、腰を止めずに片方の手でクリトリスを擦り始めた。指先が高速で円を描く。中と外から同時に責められ、視界が白くなりかけた。
「あかり、俺の女だろ。今も。こんなに締めて」
その言葉で、何かが切れた。腰が激しく痙攣し、中がきゅっと締めつけ、熱いものが溢れ出した。達也のものを強く吸い込みながら、長い絶頂が続く。達也も低く呻き、奥で大きく脈打った。熱いものが子宮の入り口あたりに広がる感触。
しばらく、二人とも動かなかった。息子の寝息だけが、壁越しに小さく聞こえる。結合したまま、達也のものがまだ中で小さく脈打っている。
達也は静かに体を離し、白い液体が太腿を伝って落ちるのを見た。彼はそれを指で掬い、私の唇に持ってきた。反射的に舌が出て、熱くて少し塩辛いものを受け入れてしまった。
服を整える達也の背中を、床に座ったまま見つめた。ドアの前で立ち止まり、振り返る。
「また来る。次は、もっとゆっくり抱く」
それだけ言って、出ていった。
床に残った熱と、太腿の内側を伝う感触が、なかなか消えなかった。夫の隣で眠る夜が、これから何度もある。なのに、身体の奥はもう達也の形を探している。窓の外は、まだ明るかった。
翌日も、その次の日も、インターホンの音がするたびに、胸の奥が熱くなった。息子を抱き上げながら、私は自分の身体が、もう一度あの熱を欲しがっていることを、否定できずにいた。
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