押しに弱い人妻が整体師の股間キワキワマッサージに嫌だと言えずチンポ堕ち 【三池小春】
【第1部】乾いた日常と、何度も通ってしまう「ただのマッサージ店」
四十三歳。
関西のベッドタウンにある、ごく普通の分譲マンション。
結婚して二十年、子どもは大学生になり、家を出た。
家の中には、私と夫の二人分の食器しか並ばない。
洗濯カゴは軽くなり、夕方のスーパーで買う肉の量も減った。
「楽になったね」と笑う夫の言葉に、
私は同じように笑い返しながら、どこかで小さな空洞を抱えていた。
――女として、何かが終わってしまった気がする。
そう思い始めた頃、「いつものお店」を見つけた。
駅から少し離れた路地にある、ごく普通のリラクゼーションサロン。
看板も地味で、外観もどこにでもあるマッサージ店。
最初は、肩こりだった。
パソコン作業と家事の両立で、肩から腰までじんわりと重く、
夜になると湿布の匂いが枕元にしみついた。
「お疲れのところ、強さ加減は大丈夫ですか?」
初めて担当についてくれたのは、店長の佐伯さんだった。
三十代半ばくらい、落ち着いた声と、よく通る、低めの笑い声。
初対面なのに、なぜか「話しても大丈夫」と思わせる空気があった。
何度か通ううちに、私のことを
「今日はいつもより肩が張ってますね」
「この前おっしゃってたお仕事、どうなりました?」
と、さりげなく覚えていてくれるようになった。
その小さな積み重ねが、気づけば楽しみになっていった。
ある日、施術前に渡されるTシャツを手にしながら、
私はふと鏡に映る自分の姿を見つめた。
ノーブラで、Tシャツ一枚。
胸の形が、うっすらと布越しにわかる。
若い頃のような張りはもうないけれど、
それでも、まだ「女の身体」であることを主張している。
「変かな、こんな歳で」
小さく笑いながらも、
Tシャツに腕を通した瞬間、胸の先がすっと冷たい空気を感じ取り、
そのまま、じわりと硬くなっていくのがわかった。
個室のドアが閉まる音。
すぐ隣にも、誰かがいる気配。
薄い壁一枚隔てた向こう側に、人の息づかいと、シーツのこすれる音。
「うつ伏せでお願いしますね」
佐伯さんの声に従って、ベッドに横たわる。
顔をうずめたタオルから、洗いたての柔らかな匂いがした。
首筋に、手のひらが置かれる。
肩へ、背中へ、ゆっくりと圧が移動していく。
最初はただのマッサージ。
けれど、何度か通ううちに、
私は気づいてしまった。
――この人に触れられるとき、私は「妻」でも「母」でもなくなる。
背中に落ちる指先の軌跡に、
眠っていたはずの何かが、少しずつ呼吸を取り戻していく。
【第2部】背中から腰、太ももへ──「マッサージ」のふりをした、目覚めの時間
昨日も、私はその店に向かった。
予約の時間より少し早く着き、受付で名前を告げると、
スタッフがいつものように微笑む。
「本日も担当、佐伯でよろしいですか?」
「はい…お願いします」
心臓が、ほんの少しだけ早く打つ。
それに気づかれないように、私はカウンター横の椅子に腰を下ろした。
個室に案内され、Tシャツに着替える。
ノーブラのまま布をかぶると、
薄い綿越しに空気が触れ、胸の頂点がきゅっと反応する。
鏡も時計もない小さな部屋。
天井の灯りは柔らかく、
壁の向こうから、他の人の笑い声がかすかに聞こえる。
――この壁一枚の向こうに、他人の日常がそのまま流れている。
そう思うほど、
ここで起きていることだけが、別の世界に感じられた。
「お待たせしました」
ドアが開き、佐伯さんが入ってくる。
視線が一瞬、私の胸元を掠めたような気がして、
私は慌ててうつ伏せになった。
首筋に置かれた手のひらが、
じわりと温度を伝えてくる。
「今日は、いつもより力抜けてますね」
「……そう、ですか?」
小さな会話を交わしながらも、
指先は黙々と仕事を続ける。
首から肩へ。
肩から肩甲骨の内側へ。
背中の真ん中をゆっくりなぞり、腰へと降りていく。
私にとって、背中と腰は、
肩こり以上に「秘密の場所」になりつつあった。
そのあたりに触れられると、
身体の奥が、じわりと熱を帯びてくる。
「んっ……」
小さく漏れそうになった声を飲み込むと、
かわりに腰が、ほんの少しだけ勝手に動いた。
佐伯さんは、それを責めるようなことはしない。
ただ、わずかにタッチを変える。
押す動きから、
布越しに、なぞるような、撫でるような動きへ。
明らかに、リラクゼーションの範囲からはみ出しかけた、
けれど「マッサージ」の名をぎりぎり保つ触れ方。
「ここ、特に張ってますね」
「……っ、はい……」
腰骨のきわを指が通るたび、
私はベッドに沈み込みながら、爪先にまで力を入れてしまう。
次に、足元へ。
足裏を押され、ふくらはぎを丁寧にほぐされ、
指はゆっくりと太ももへと登っていく。
「少し、足を開いてもらっても大丈夫ですか?」
その問いかけは、いつもと同じ、淡々とした口調のはずなのに、
私の耳には妙に艶を帯びて届いた。
太ももの内側を、指が撫でる。
布越しのはずなのに、
肌の温度と震えが、指先に拾われている気がした。
「……っ」
電気が走る、という表現は安易かもしれない。
でもあのとき、
ひざの内側から太ももの付け根へ駆け上がった感覚は、
まさに一瞬で全身を駆け抜ける閃光のようだった。
壁の向こうから、誰かの笑い声が聞こえる。
カーテンが擦れる音、シーツのきしむ音。
この薄い壁のすぐ向こうには「普通の時間」が流れているのに、
ここだけ、別の温度の空気が満ちている。
私は、何度も声を飲み込んだ。
吐息が荒くならないように気をつけるほど、
呼吸はうまく整わなくなっていく。
そのまま仰向けになるよう促される。
天井の明かりが、ぼんやりとにじんで見えた。
胸元に手が添えられたとき、
布の上から触れられているはずなのに、
胸の頂点だけが、異様に敏感になっているのを自覚する。
「力、抜いてくださいね」
「……む、難しいです……」
冗談めかして返したつもりが、
自分の声が思ったよりも湿って聞こえて、
私は自分で自分に驚いた。
【第3部】触れたい場所、触れてほしい場所──言えなかった一言と、帰宅後の余韻
胸からお腹へ。
指先が、Tシャツ越しにゆっくりと滑っていく。
押すのでも、もむのでもない。
ただ、確かめるように、線を描く。
そのたびに、
お腹の奥で小さな波が立ち上がり、
腰のあたりでほどけて消えていく。
私は、自分の手の行き場に困っていた。
シーツをつかむには、あまりにも露骨すぎる気がして、
かといって、だらりと投げ出すには、
身体の内側が騒ぎすぎている。
――今なら、きっと、どこに触れても。
そんなことを考えた瞬間、
私は自分でも驚くほど自然な動きで、
そっと手を伸ばしていた。
佐伯さんの足に、指先が触れる。
ズボンの生地越しに感じる、確かな熱。
「……」
一瞬、時間が止まった気がした。
けれど、彼は私の手を振り払わなかった。
むしろ、その手をやんわりと包み込むと、
ゆっくりと、自分の太ももの上へと導いていく。
私の手のひらが、固くなった何かの存在をはっきりと捉えた瞬間、
喉の奥から、言葉にならない息が漏れた。
「……っ」
彼は何も言わない。
ただ、私の反応を確かめるように、
胸元からお腹へ、そしてその境目へと、
慎重な、けれどはっきりとした動きで手を滑らせていく。
布一枚。
その向こう側にある場所を、
ぎりぎりで避けながら、
円を描くように、なぞる。
「声、出ちゃいますよ」
自分でも、自分が何を言っているのかわからなかった。
彼は小さく笑い、
次の瞬間、私の唇にそっと手を置いた。
「……大丈夫。壁、薄いですからね」
囁き声が、耳元でほどける。
その言葉は、制止のようでいて、
同時に、黙って「許可」を与えているようにも聞こえた。
口元を覆われたまま、
私は必死に、声になりかけたものを飲み込む。
指先はシーツをつかみ、
足先は力が入りすぎて震えている。
触れられているのは、
あくまで「布の上」。
それでも、身体は正直に反応し、
自分でも持て余すほどの熱が、内側に溜まっていく。
――直接、触れてほしい。
喉まで出かかったその願いは、
最後まで言葉にはならなかった。
代わりに、
彼の太ももの上に置いたままの私の手が、
自分でも驚くほど素直な動きで、
そっと、やわらかく形を確かめるように動いていた。
時間を告げるノックの音が、
遠くで響いた気がした。
「……そろそろ、お時間ですね」
彼が手を離す。
私も慌てて手を引っ込める。
胸の鼓動だけが、まだ状況を理解していないかのように、
速いリズムを刻み続けていた。
帰り道、夜風が頬に触れる。
身体は軽くなっているのに、
どこか、満たされない空白が残っていた。
――あの一線を、越えたいのか。
――それとも、越えないままでいたいのか。
家に帰り、いつものようにシャワーを浴びる。
鏡に映る自分の身体を見つめながら、
私はさっきまでの自分の動きを、何度も頭の中でなぞった。
ベッドに入っても、眠気はなかなか訪れない。
代わりに、さっきの部屋の灯り、壁の向こうの気配、
口元を覆われたときの感触が、
次々と蘇ってくる。
私は、枕に顔を押しつけたまま、
誰にも聞こえない場所で、
自分だけの続きを、静かに思い描いた。
あの店には、たぶん、また行ってしまう。
それを「変」と呼ぶなら、
私はもう、とっくに変なのだろう。
けれど、
何年も眠っていた自分の身体が、
「まだ終わっていない」と訴えるように震えたあの瞬間を、
私は、どうしてもなかったことにはできない。
まとめ──「変」かどうかではなく、何を望む自分を受け入れるか
この体験は、
単なるマッサージ店での出来事以上のものになっている。
・夫との関係の中では満たされなかった
・「女としての自分」がまだ生きている、という実感
・壁一枚の向こうに人の気配があるという背徳の緊張感
それらが重なり合って、
あなたの身体と心は、強く揺さぶられた。
ここで大事なのは、
「私って変?」と自分を責めることではなく、
「その揺さぶられた自分を、どう扱いたいのか」
を、静かに見つめることだと思う。
・この刺激を“妄想の世界”に留めて、ひとつの秘密として抱えていくのか
・関係を深めるのか、それとも線を引くのか
・夫婦の関係を見つめ直すきっかけにするのか
どの選択にも、必ず影と光がある。
ただひとつ確かなのは、
あなたは「まだ疼く自分」を見つけてしまった、ということ。
それは、恥ではなく、
生きている証そのものでもある。
ここから先、どんな物語を紡ぐのか。
それは、誰でもない、
あなた自身の手の中にある。




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