猛暑の夕暮れ海で大学生サーファーに見つめられ揺らぐ人妻の羞恥と熱
砂はまだ昼の熱を残していて、素足を沈めるたび、体温よりも高いぬるさが足首から這い上がってくる。
私は犬のリードを短く持ち、波の音に背を向けるようにして浜辺に腰を下ろした。
白いワンピースの裾が、風と私の呼吸のタイミングでふわりと揺れる。
腰を下ろす角度を少しだけずらし、片膝を立てる。その姿勢は、偶然のように見えて、裾の奥をわずかに開くためのものだった。
細かい砂粒が太ももの肌に付着し、その感触が布の奥でじんわりと溶けていく。
ワンピースの白は夕陽を吸い込み、うっすらと透けた影を脚のラインに沿わせる。
風が吹くたび、布地の下から一瞬だけ覗く淡い色が、波間からこちらをうかがう視線に届いているのを感じた。
遠く、三つの黒い影がボードを抱えて浮かんでいる。
濡れた髪の先から滴る水が、胸の間を滑り、筋肉の輪郭を沿って落ちていくのが見える。
その視線と私の裾の奥の、湿った空気は、まるで互いを探るように浜辺の上で重なっていた。
膝を少しだけ開くと、砂の熱と布越しの潮風が交互に触れ、腰の奥がじわりと応える。
視線はまだ遠くから──けれど、確実に私の内側を撫でていた。
砂の上で、波がゆっくりと引き、しぶきの音が遠くなる。
やがて水面から、三つの影が同時に立ち上がった。
肩越しに揺れる濡れた髪、滴る水が胸を経て腹へと落ち、最後は砂に吸い込まれる。
夕陽に照らされた水滴は、まるで細かい硝子の粒のようにきらめき、その光が私の瞳の奥で熱を帯びる。
ボードを抱えたまま、彼らは波打ち際をゆっくりと歩き出す。
遠くからの視線は、もう距離の膜を失い、空気ごと私の座るあたりを押し包む。
私は犬の背を撫でながら、顔を下げた。
その仕草は視線を避けるためではなく、風がまたワンピースの裾を揺らすのを、彼らに見せるため。
濡れた足音が、砂を踏みしめるたびに低く響く。
近づくごとに、潮と体温が混ざった匂いが、海風に乗って頬を撫でた。
「……こんばんは」
最初に声を掛けたのは、一番背の高い青年。
彼の喉から出た低い響きは、波音よりも近く、胸の奥に溶けるようだった。
犬が嬉しそうに彼らへ駆け寄る。
しゃがみこんだその青年の指先が、犬の耳を撫でるたび、私の膝とほんの数センチの距離をかすめる。
その短い間隙に、熱と湿度が入り込み、呼吸が浅くなる。
「暑いですね」
そう言いながら、もう一人が私の視界に入ってくる。
濡れた髪の先が、彼の首筋から胸元へと貼りつき、しぶきの跡が肌に細い線を描いている。
その線を目でなぞるだけで、指先に海水の冷たさと肌のぬくもりが同時に触れた錯覚が広がった。
気づけば、彼らは私を囲むように立っていた。
沈みかけた陽が、彼らの影を長く引き、私の白い裾と裸足の上に落としていく。
風が一度だけ強く吹き、布の奥がひらりと露わになった。
視線が、それを確かに受け止めた。
そしてそのまま、何も言わず、私の頬と太ももに熱を残したまま、空気だけが静かに揺れた。
夕暮れの砂浜で大学生に囲まれ理性が滲み出す人妻の濡れた境界
足元の砂が、三方向から押し寄せる影によって温度を変えていく。
背後には沈みゆく陽と波音、前にはまだ濡れた肌と濃い呼吸。
その真ん中に、私は白い布一枚を隔てて座っていた。
犬が青年たちの間を行き来し、リードが私の膝の上で何度も揺れる。
そのたび、しゃがみこんだ彼らの指先が、私の足首や膝頭の近くを掠め、砂の上に見えない軌跡を残していく。
一番近い青年が、笑いながら裾の砂を払おうとする仕草をした。
──瞬間、布地越しに指の甲が私の太ももの柔らかさをなぞり、熱が一筋、腰の奥へと滑り込む。
会話は他愛のないはずなのに、私の耳には言葉の形よりも吐息の温度が鮮明に残った。
低く、少し掠れた声が「今日は……暑かったですね」と囁く。
その“暑さ”の意味が、もう気温だけを指していないことを、私はわかってしまう。
視線が、布の奥に沈んでいく感覚。
裾の下で、太もも同士が無意識に寄り合い、中心の湿度を隠そうとする。
けれどその動きが逆に、腰の内側に熱を閉じ込めてしまい、鼓動だけが布の内側で膨らむ。
波が大きく打ち寄せ、引き際の音が長く伸びる。
それに重なるように、一人の青年が私の背後に回り、肩越しから「犬、可愛いですね」と声を掛ける。
その距離は、吐息がうなじの髪を揺らすほど近い。
前と横から注がれる視線と、背後から触れそうな呼吸。
三方向から押し寄せる圧が、理性の輪郭をじわじわと削り取っていく。
「そろそろ、暗くなりますね」
誰かがそう言った時、胸の奥で何かが静かにほどけた。
帰るべきだと知っているのに、身体はここに座ったまま。
白い裾の奥で、潮風がひときわ濃く、湿っていた。
暮れゆく海辺で三人に包まれ濡れたまま夜へ沈む人妻の理性の終焉
潮の匂いが濃くなるたび、空は深い藍に沈み、光は彼らの輪郭を金色に縁取っていった。
背後の青年が、私の肩へそっと触れる。その掌の温もりが、背骨を伝って奥の奥へ落ちていく。
「……暑くないですか」
耳元に落ちた低い声が、空気を震わせる。
「ええ……でも、海風が……」
自分でも驚くほど掠れた声でそう答えた瞬間、正面の二人の視線が裾の奥に沈み込み、呼吸を早めた。
犬が砂の上で寝そべり、波音だけが残る。
一番近くにいた青年が膝をつき、私の足首を軽く掴む。
「こっち、少し……いいですか」
そう囁きながら膝をずらされ、砂に沈んだ足の間に潮風が流れ込む。
──息を呑む間もなく、視線と吐息が同時に触れた。
膝元からゆっくりと昇る影。
布越しの熱を、唇がそっとなぞる。
「……や」
海水の残る肌の冷たさと、その奥で芽吹く熱が絡まりあい、震えを生む。
指先が布をかすめ、その境界をほどくと、夜風と共に秘めた湿度がこぼれた。
その場所に口づけが落ちた瞬間、胸の奥で抑えていた何かが崩れ、両手が砂を強く握る。
背後からは、うなじに沿って舌が這い、肩口に歯の感触が触れたかと思うと、吐息が耳の奥へ流れ込む。
「声、我慢してるんですか」
囁きと共に、前からの熱と後ろからの熱が腰の奥で交わる。
「……っ、ん……」
波の寄せ返しと同じリズムで、口が深く沈み、指が柔らかく開かせる。
胸元には別の手が伸び、布越しに形を確かめながら、親指で尖った感覚を撫でるたび、喉の奥から声が漏れそうになる。
やがて、一人の青年が私を抱き上げ、砂の上に仰向けに横たえる。
「見ててもいいですか」
問われたのは承諾を求めるためではなく、拒めないことを知っている声音だった。
上から覆いかぶさる影が、ゆっくりと腰を合わせる。
入り込む瞬間、空気が一度だけ止まり、その後一気に熱と圧力が満ちる。
「……っ、あ……」
彼の動きに合わせて、背後からはもう一人の指先が私の口元へ触れる。
その指を唇で受け入れ、舌で絡め取る。
「上手……」
低い声が熱を増幅させ、腰の動きが深く、速く、私の奥を探り当てる。
体位はいつの間にか変わっていた。
背を海へ向け、四つん這いにさせられると、後ろからの熱が新しい角度で奥を満たす。
「きつい……奥まで、感じてる」
波音の中で、腰と腰が打ち合わされるたび、砂が足の指に食い込み、喉の奥から声がこぼれる。
前に回った青年が私の頬を撫で、そのまま唇を重ねた。
舌が触れ合い、唾液と潮の味が混ざりあい、さらに奥まで熱が落ちていく。
そして最後は、私が彼を跨ぐ形で、腰をゆっくりと沈めていく。
「自分で……動いて」
自分の重みで奥を探るように揺れるたび、下から突き上げられる鼓動と、自分の鼓動が重なり、視界が霞む。
背後から伸びた手が私の腰を押さえ、逃げられないように固定する。
「もう……だめ……」
全ての感覚が一点に集中し、そこから全身へ放射される。
──波が一際大きく寄せた瞬間、体の芯が弾けた。
「……あ……っ」
息が途切れ、砂を強く握った手から力が抜ける。
胸の奥から込み上げた声は、夜の海に溶け、静かな余韻だけが残る。
気づけば、頭上には満ちた月が昇っていた。
濡れたままの体に海風が触れ、火照りを冷ますにはあまりにも優しい。
その優しさの中で、私の内側だけは、まだ波を繰り返していた。



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