終電を逃した夜に交わる視線と体温|彼女の妹・華が零した秘密

無邪気で絶対Hさせてくれそうな彼女の妹が終電逃して泊まりに来た。 倉木華

一度きりの偶然が、夜の静けさを変えてしまう。
終電を逃した妹が訪ねてくるという、ごくありふれた導入。だが、その一瞬の“間”に漂う空気の密度が、この作品の本質だ。
主演の華は、抑えた表情の中に危うい艶を滲ませ、視線ひとつで緊張と誘惑を描き分ける。
日常の延長にある背徳、そのぎりぎりの温度を美しく切り取った一本。



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【第1部】終電を逃した夜──知らないはずの体温

港町・鎌倉の夜は、思いのほか湿っていた。
午前0時を少し過ぎたころ、海風の奥に微かに残る潮の匂いが窓の隙間から忍び込み、部屋の時計が静かに一秒を刻んでいた。

「……あの、急でごめんなさい。終電、なくなっちゃって。」

インターホン越しの声に、私は一瞬、名を思い出せなかった。
彼女の妹──倉木 華(くらき はな)。一週間前、恋人の瑞希と一緒に食事をしたとき、隣の席で笑っていた小さな横顔。
電話の向こうの華は、あのときよりも少しだけ大人びた声をしていた。

玄関を開けると、夜風に混じって彼女の髪から白ワインの香りがした。
肩にかかる髪は濡れたように艶めき、手に持つトートバッグからは花柄のハンカチが覗いている。
ヒールを脱ぎ、素足でフローリングを踏むたび、空気が微かに震えた。

「お姉ちゃんには言ってないんだ。ここに来たこと。」

華は、そう言ってソファに腰を下ろした。
膝上のスカートが少しだけめくれ、白い太腿の上に街灯のオレンジ色が滲む。
私は台所で湯を沸かしながら、自分の喉がひどく渇いていることに気づいた。

「なんか、落ち着く。お姉ちゃんの彼氏の部屋って、もっと堅い人かと思ってた。」

彼女の声は、まるで深夜のラジオのように柔らかく、しかし不意に心の奥に触れる。
湯気が立ちのぼる瞬間、私はふと、気づいてしまった。
この部屋の静寂の中に、彼女と自分の呼吸しかないことを。

華は湯飲みを両手で包みながら、ゆっくりとこちらを見た。
視線が交わる。
その刹那、彼女の頬を伝う髪の影が、あまりにも官能的に揺れた。

「ねえ……寒くない? 私、ちょっと借りてもいい?」

差し出したのは、グレーの部屋着。
彼女がそれを着る動作の一つひとつに、空気が息を詰める。
生地が肌に触れる音、胸元の布がわずかにずれる瞬間。
そのたびに、理性という薄膜が静かに剥がれていく。

そして、夜はまだ始まったばかりだった。

【第2部】眠れない二人──触れぬ距離の熱

部屋の明かりを少し落とすと、
世界がゆっくりと呼吸を忘れていくようだった。
白いカーテンの隙間から、街の灯がわずかに漏れ、
その光が華の頬を照らす。

「ベッド、ひとつしかないんだね」
彼女が微笑む。
その声に混じる微かな眠気と、何かを試すような響き。

私は曖昧に頷いた。
毛布を半分差し出すと、彼女はためらいもなくその中に身体を沈めた。
その瞬間、空気の温度が一度上がった気がした。

布団の中で、彼女の呼吸が近づいてくる。
目を閉じると、香水の甘い残り香と、
その奥にある素肌の匂いが、ゆっくりと混じり合う。

「ねえ、起きてる?」
囁く声が、鼓膜をかすめる。

言葉が喉に引っかかる。
何も答えられずにいると、華の指先が、毛布の上から私の腕に触れた。
軽く。偶然を装うように。
けれどその“偶然”が、あまりにも必然に思えた。

時が止まる。
時計の音だけが、この部屋の唯一の現実。
あとは、光と影と、互いの体温がかすかに交わる音だけだった。

彼女の横顔を見た。
瞼の影が揺れ、唇がわずかに動く。
その唇が、何かを言いかけて、また閉じた。

言葉にできない想いが、二人のあいだで形を変えながら漂っている。
触れれば壊れる、けれど触れなければ終わらない。
そんな静かな拷問のような夜が、ゆっくりと更けていった。

【第3部】朝の光──触れなかった指先の記憶

夜明け前の部屋は、まだ夢の続きのように静かだった。
カーテンの隙間から射し込む淡い光が、
毛布の上に薄くかかる彼女の髪を金色に染めていた。

私はほとんど眠れなかった。
その隣で、華は小さく寝息を立てている。
何度か身体が触れそうになって、そのたびに私は呼吸を止めた。
触れたい。けれど、触れた瞬間に、すべてが壊れてしまうような気がした。

――夜は、もう終わっていた。
その事実が、妙に美しく思えた。

やがて、彼女がゆっくりと目を開けた。
「朝、だね」
かすれた声が光に溶ける。
私はうなずき、キッチンに立った。
ドリップの音が響く。コーヒーの香りが、昨夜の湿った空気をやわらかく洗っていく。

カップを差し出すと、彼女は笑った。
「ありがと。……なんか、変な夢見た気がする」
そう言って、視線を伏せる。
そのまつげの影の揺れに、私は心を奪われた。

何も起きなかった夜。
けれど、何かが確かに生まれて、そして消えた夜。
それは、触れ合うよりも深い感覚として、肌の奥に残っていた。

彼女はトートバッグを肩にかけ、玄関で振り返った。
「お姉ちゃんには、やっぱり言わないでね」
その言葉のあとに残る沈黙が、まるで“秘密の印”のように甘かった。

ドアが閉まる音がして、部屋は再び静けさを取り戻す。
外では、鳥が鳴き始めている。
マグカップの中で揺れる黒い液面に、朝の光が滲んだ。

そして、私は気づいた。
――あの夜、何もしていないことが、
いちばん強く、私の中に残っている。

まとめ──人は触れずに、恋をしてしまう

華が去ったあとも、部屋の空気はどこか柔らかく湿っていた。
そこに残っているのは、夜の熱ではなく、「触れなかった」という事実の温度だった。

人は、身体を重ねた瞬間だけに惹かれるのではない。
むしろ、あと一歩で踏み越えられなかった距離のなかにこそ、
最も濃密な官能が潜んでいる。

あの夜、私と彼女のあいだには、
何も起こらなかった──けれど、確かに“起きてしまった”のだ。
それは言葉にも形にもならない、熱と罪の中間にある記憶

人は時に、欲望を抑えることで、
より深く他者の存在を刻みつけてしまう。
それは敗北ではなく、むしろ“感情の証”なのかもしれない。

この夜を思い返すたび、
心のどこかでまだ彼女の呼吸が生きている気がする。
そして、私は静かに思う。
――欲望を抑えた者こそ、もっとも深く愛を知るのだ、と。

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