【第1部】氷の仮面を纏った女課長──僕を苛み、渇かせる美貌の罠
僕の名は佐伯翔太(23)。
地方国立大学を卒業して上京し、念願かなって都内の老舗メーカーに就職した。配属先は、企業の心臓とも呼ばれる商品開発部。その中でも三課は最も厳しい部署と知られていた。
そこに君臨するのが課長の橘理沙(28)。
東京・下町生まれでありながら、都会的な洗練を纏った女。身長は僕より少し低い程度だが、ヒールを履けば視線が合う。細く長い脚と、無駄のない体のライン。鼻筋の通った横顔は凛としていて、日本テレビのアナウンサーを思わせる美貌を持っていた。
28歳という若さで課長に昇進することは、この古風な会社では奇跡に近い。だからこそ、彼女は誰よりも毅然としていた。
「佐伯くん、この企画書で勝負できると思ってる?──正直、大学のゼミレベルよ」
冷たい言葉に周囲が凍りつく。僕は顔を赤らめ、心の奥で呟いた。
(……女にだけは言われたくない)
だが、言葉の刃で傷つけられるほど、逆に彼女に惹きつけられていく。
その鋭い瞳の奥に、隠しきれない女の匂いを感じてしまうからだ。
◆渇きの芽生え
理沙には大阪赴任中の恋人がいると噂されていた。若くして幹部候補に目されるエリート。完璧な女には、やはり完璧な男がいる。
けれど、僕の視線は彼女の職場では見せない表情を探し続けていた。
夜遅くまで残業していると、ふとした瞬間に見える。
疲れてデスクに肘をつき、長い睫毛を伏せる顔。
ネイビーのブラウス越しに透ける薄い下着の線。
冷たい仮面の下に、確かに女の生々しさが潜んでいた。
そして僕は、彼女を叱責する声ではなく、喘ぎ声で満たしたいと願うようになった。
◆運命を変える打ち上げの夜
季節は六月。
社運を賭けた新製品の完成が発表され、三課は歓喜と疲労の入り混じった空気に包まれた。
その夜、打ち上げの席で理沙はいつになく杯を重ね、頬を赤らめていた。
「……今日は飲む。もう何も考えたくない」
そう呟いた彼女の声は、いつもの鋭さを失い、女らしい甘さを帯びていた。
氷の仮面が崩れていく。
僕はその一瞬に、心も身体も飲み込まれていった。
【第2部】崩れた仮面──打ち上げの夜に滴り落ちた官能のしずく
三次会まで続いた宴のあと、夜風が湿り気を帯びるころ、僕と理沙課長だけが同じ方向のタクシーに揺られていた。
車内の明かりが彼女の頬を照らし、赤く染めた肌に小さな汗の粒が浮かぶ。
普段の冷たい眼差しはどこにもなく、まぶたはとろんと落ち、吐息は甘やかに僕の肩を撫でていった。
「……翔太くん、今日はほんとに……がんばったね……」
ろれつの回らない声に、いつもの刃はなく、ただ柔らかな女の匂いが滲んでいた。
◆アパートの鍵を開ける瞬間
理沙のアパートに着くと、彼女は力が抜けて立ち上がれなかった。僕は細い肩を抱き寄せ、重さよりも熱を感じながら階段を上がった。
その身体は驚くほど華奢で、あれほど強い言葉を吐いていた女とは思えないほど脆い。
「……情けないとこ、見せちゃったね……」
呟く唇は熱を帯び、耳元でかすかに震えた。
僕は彼女をベッドに寝かせ、布団を掛けた。
けれど、布団の中から漂ってきたのは洗いたてのリネンの匂いだけではない。長時間の宴で温められた、女そのものの芳香。
僕の理性はそこで崩れ落ちた。
◆欲望の舌先
布団の端から潜り込み、スカートの奥に顔を埋めると、微かな湿りが唇を濡らした。
柔らかな布越しに舌を這わせると、彼女は夢と現の境目で「ん……」と声を洩らした。
その声は、職場で僕を叱責する彼女の声とはまるで違う。
甘く、震え、抗えない響き。
布を指でずらすと、奥に潜む秘めやかな花びらが現れた。舌を滑らせるたび、彼女の身体が布団の下で小さく跳ねる。
「……やだ、だめ……そこ……」
意識は朦朧としているはずなのに、無意識の奥から溢れ出す拒絶とも懇願ともつかない声。
僕は舌先で彼女の奥を探り、彼女の声をひとつ、またひとつと引き出していった。
冷たい仮面を剥ぎ取られた女の素顔──それが僕を狂わせるほどの快楽だった。
◆禁断の入り口
やがて彼女の指先が布団の中で僕の髪を掴んだ。
「……翔太くん、なに……してるの……」
かすれ声が耳を震わせる。
顔を上げると、潤んだ瞳が僕を見つめていた。普段の鋭さを失い、怯えと快楽に揺れる眼差し。
その視線に背中を押されるように、僕は自分の昂ぶりを解き放ち、彼女の唇へと近づけた。
「……んっ……」
ためらいの後、彼女の口は僕を受け入れた。
濡れた舌の感触が絡み合い、夜の沈黙を破る小さな水音が響く。
ベッドの上で、僕と彼女の境界は溶けていった。
冷徹な女課長ではなく、ただの女として震える彼女の姿が、僕の欲望を際限なく燃やした。
【第3部】幾重にも重なる絶頂──女課長が堕ちる背徳の夜
僕と理沙の身体は、ひとつに絡み合った瞬間から、もう引き返せない運命に突き進んでいた。
濡れた吐息と、夜を濁す湿った音が混ざり合い、部屋の空気は熱で曇っていく。
◆最初の波──支配と屈服
深く沈むたびに、彼女の声は震え、爪は僕の背をえぐる。
「……っあ……だめ、こんなの……」
それでも腰は無意識に僕を迎え入れ、理沙自身の奥を貪らせていた。
彼女の足を肩に掛けて押し広げると、女課長の理性は完全に剥がれ落ちた。
「やだぁ……そんな奥まで……っ……ひあっ……!」
腰を打ちつけるたびに布団が軋み、彼女の声が部屋に響き渡る。
冷徹な叱責の代わりに、甘美な喘ぎが僕を支配した。
彼女は背を弓のように反らせ、最初の絶頂に呑まれていった。
◆二度目の波──女の主導権
力尽きるどころか、理沙は汗に濡れた顔で僕を見据え、逆に馬乗りになった。
「……翔太くん……もう私、止まれない……」
冷たい課長の瞳はそこになく、欲望に燃える女の瞳があった。
腰を揺らすたび、奥まで飲み込まれ、僕の視界が白く弾けそうになる。
彼女の長い髪が頬を撫で、滴る汗が胸を伝う。
「……あぁ……っ、きもち……いい……」
普段の理沙からは考えられない、熱に浮かされた声。
その律動の中で、彼女は二度目の波に飲まれ、身体を痙攣させながら声を洩らした。
◆三度目の波──背徳の抱擁
僕は彼女を抱き起こし、背後から腰を打ちつけた。
白い背中に額を押し付け、耳元で囁く。
「……理沙さん、全部僕のものにする」
「だめ……会社で……叱ってた部下に……っあぁ……」
羞恥に震える声が、背徳の炎をさらに煽った。
僕の手が胸を揉みしだくと、彼女は全身を震わせ、膝を崩しそうになりながらも必死に快楽に溺れていった。
背後から突き上げるたびに、彼女の声は切れ切れになり、やがて喉を震わせる叫びとなった。
「……んんっ……だめぇ……もう……っ、また……!」
三度目の絶頂は、全身を波に呑み込むように彼女を攫っていった。
◆最終の波──果てしなき溶解
僕も限界に近づき、彼女を正面から抱き締めた。
唇を重ね、互いの息を奪い合いながら、最後の律動を重ねる。
「……理沙さん、中で……いい?」
「……もう……どうにでもして……っ、全部……ちょうだい……」
その言葉に、抑えていたものをすべて解き放つ。
熱が深奥に注ぎ込まれるたび、彼女の身体は跳ね、声は絶頂の叫びへと変わっていった。
「……っあぁぁぁぁ……!」
時間の感覚が失われ、ただ互いの震えだけが残った。
やがて全てを出し尽くした僕は、彼女の髪を撫でながら耳元に口づけた。
「……もう、離さない」
「……バカ……あんたなんかに……堕ちちゃった……」
汗に濡れた身体を絡め合い、夜はようやく静けさを取り戻した。
余韻
絶頂の波を幾度も越えた女課長は、もう以前の冷徹な姿ではなかった。
強気で、手の届かない存在だったはずの彼女が、僕の腕の中で震え、声を洩らし、女として堕ちていった。
その光景は、僕の心と身体を永遠に支配する。
──あの夜、氷の女課長は完全に崩れ落ち、僕と背徳の鎖で結ばれたのだから。
まとめ──氷の女課長が堕ちた夜が教える欲望の真実
厳しく冷徹に僕を叱責してきた女課長・理沙。
その鋭い眼差しの下には、誰にも見せない女の渇きが潜んでいた。
打ち上げの夜、崩れた仮面の奥からあふれ出したのは、理性を超えた欲望と甘美な喘ぎ声。
幾度も重なる絶頂の波のなかで、彼女は課長という立場も、氷のような威厳も脱ぎ捨て、ただ一人の女として僕に溶けていった。
冷徹な叱責の声は、やがて熱に揺れる吐息と快楽の叫びに変わり、僕の耳に永遠に刻まれた。
──あの夜、僕は知ったのだ。
女を支配しているのは肩書きや立場ではなく、抗えぬ本能。
そして人は、欲望の前にみな平等であるということを。
氷の女課長が溶けて堕ちた背徳の夜は、僕の人生を変えた。
それは禁忌でありながら、誰もが心の奥底で夢見る究極の官能体験だったのだ。





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