【第1部】真夏のプール──人妻の私が気づいてしまった大学生の昂ぶり
私の名前は 美沙(みさ)、四十二歳。
横浜の閑静な住宅街に暮らし、結婚して十五年。夫は単身赴任で不在がち、私はどこか乾いた日常をやり過ごしていた。
そんなある休日、旧友から「息子の悠斗が大学生になったの。運動不足だから一緒に泳ぎに行ってくれない?」と頼まれた。
軽い気持ちで引き受けた市民プール。
だが、その日差しの下で揺れる水面が、私の人生を大きく揺さぶることになるとは思わなかった。
水着姿で隣に立つ悠斗──二十歳、大学二年生。
少年の面影を残しながら、逞しく伸びた肩幅としなやかな胸板。
濡れた髪をかき上げる仕草の一つ一つが、いつの間にか私の視線をさらっていた。
水面に飛び込む彼を目で追い、私はプールサイドに腰掛ける。
けれど、ふと気づいてしまった。
彼は泳ぎ疲れたふりをして、プールからなかなか上がろうとしない。
タオルで下腹部を隠すようにしながら、ぎこちない表情を浮かべている。
──私は、気づいてしまったのだ。
彼が水の中で昂ぶってしまっていることに。
(見てはいけない。気づかないふりをすればいい)
理性はそう囁く。
だが目は逸らせなかった。
水の中で、悠斗の困惑した仕草に胸がざわつく。
「母の友人」として助けるべきなのに──女としての私の奥底が疼き始めていた。
私は静かにプールへ入り、彼のすぐ傍に寄った。
「大丈夫。誰にも気づかれてないわ」
そう囁き、私は水中で彼の手をそっと押しのけた。
代わりに私の指先が、彼の昂ぶりに触れてしまったのだ。
熱い。
掌に収まりきらないほど硬く、脈打つ。
水に冷やされるはずの場所が、そこだけ燃えるように熱を帯びていた。
「んっ…」
思わず彼の喉から洩れた声。
その一瞬で、私の心は完全に絡め取られてしまった。
(これは…もう助けなんかじゃない。私自身が欲している)
指先で擦るたび、彼の身体が小さく震える。
そして私のもう一方の手は、知らぬ間に彼の腿の間を撫で、柔らかな粘りを帯びた熱を探っていた。
水面の光と声のざわめきの裏側で、私たちは誰にも気づかれぬまま、密やかに触れ合っていた──。
【第2部】夜更けのリビングとワイングラス──友人が眠り、二人きりの時間が始まる
夕暮れのプールを後にして、私たちは三人で私の家へ戻った。
夫は長期の出張中で不在。久々に友人を招いたリビングは、どこか温かな空気に包まれていた。
軽い食事をつくり、ワインを開けてグラスを傾ける。
「ごめんね、最近疲れてて…」
そう言って友人は食後すぐにソファで横になり、ほどなくして寝息を立て始めた。
私はブランケットを掛けてやり、灯りを少し落とす。
リビングに残されたのは、私と悠斗──二人だけ。
「もう少し飲む?」
ワイングラスを差し出す私に、悠斗は小さく頷いた。
グラス越しに触れた指先が熱い。
まださっきのプールの出来事を互いに忘れていないことが、その一瞬で分かってしまう。
グラスを口に運ぶたび、視線が絡む。
彼の瞳はどこか揺れていて、それでいて逃げ場を探すようでもあった。
「さっきは……ありがとう。助かりました」
低い声でそう告げられると、胸の奥が震える。
(ありがとう、なんて言われる資格は私にはないのに…)
助けるつもりが、私の方が彼に溺れている。
理性がそう責めるのに、指先はまた彼の手を探してしまった。
静かなリビング。
友人の寝息と、時計の針の音だけが響く。
その沈黙に耐えきれず、私はワインをもう一口飲み干した。
アルコールの熱が体内をめぐり、頬が赤らむ。
気づけば、彼の肩に手を置いていた。
「大丈夫、誰にも起きてこないわ」
自分で口にしたその言葉に、背筋が震える。
禁忌を解き放つ扉を、いま自分から開けてしまったのだ。
次の瞬間、悠斗の指先が私の頬を撫でた。
その優しさと若さに、心臓が一気に早鐘を打つ。
ワインの香りと混じって、吐息が甘く溶け合う。
「綾子さん……」
名前を呼ばれた瞬間、胸が張り裂けそうになる。
母の友人という仮面は剥がれ、ただ一人の女として彼の前に晒されている。
ソファに沈み込むように、私たちは互いを引き寄せた。
唇が触れたとき、体の奥が熱を帯び、理性が音を立てて崩れていく。
その手は私の髪を撫で、背中をなぞり、やがて胸元へと迷い込む。
「んっ……」
抑えきれない声が漏れる。
夫の不在、友人の寝息、そして目の前の若い熱。
そのすべてが混ざり合い、背徳と欲望の渦に私を引きずり込んでいった。
【第3部】ソファに沈む背徳の夜──口唇と舌と身体で交わす、愛欲の果て
ソファに沈み込みながら、私は彼に唇を重ねていた。
ワインの残り香が微かに混じり、唇と唇が重なるたびに胸の奥が熱を帯びる。
「ん……悠斗……」
名前を呼ぶと、彼の吐息が震え、若さに満ちた身体がさらに近づいてきた。
彼の手はためらいながらも確かに私を探り、胸を覆う布の下から指先が忍び込む。
「やぁ……だめ……そこ……」
制止の言葉とは裏腹に、私の背中は反り返り、指先に導かれるまま昂ぶりを露わにしていく。
やがて、私は自らの意思で彼の身体をソファに押し倒していた。
その熱を口で確かめたくて──。
指で縁をなぞり、舌先でゆっくりと熱を辿る。
水の中で確かめた硬さが、いまはさらに存在感を増して私の喉奥を圧迫していく。
「くっ……綾子さん……」
彼が息を詰め、震える声で私の名を呼ぶ。
私は唇を深く押し進め、根元まで飲み込んでいく。
喉が塞がれ、涙が滲むほどに。
それでも舌の裏で脈打つ鼓動を感じるたび、全身が悦びに痺れる。
私は手と唇と舌を巧みに使い分け、熱を弄んだ。
吸い上げるときの音、頬に伝わる張り、指に余るほどの大きさ。
青年の腰が無意識に震えるたび、私は女としての優越感に満たされていく。
「もう……だめです……」
彼が必死に堪えようとする姿が愛しくて、私は唇を解き、今度は彼をソファに押し倒した。
「今度は……私の番ね」
囁くと同時に、彼の舌が私の太腿を這い上がってきた。
塩素の香りが残る肌に、熱い舌先が吸いつく。
「やぁ……そこは……んんっ……」
秘められた場所を舌で割り、柔らかな襞を執拗に弄ばれる。
震えるほど繊細に、時に大胆に。
舌の先が奥へ届くたび、腰が跳ね、喉から声が洩れた。
「そんなに……だめ、あぁ……」
快感の波に翻弄され、両手で彼の髪を掴み、もっと深くを求めてしまう。
クンニに溺れる自分を、もう止められなかった。
そして私は彼を抱き寄せ、身体を重ねた。
最初は正常位。
彼の重さと熱を胸に感じながら、奥へ奥へと突き上げられる。
「んっ……あぁ……だめ……でも……もっと……」
声を殺すことなどできなかった。
次に背を向けて後背位。
ソファの背に手をつき、後ろから深く貫かれるたび、身体が小刻みに揺れる。
「見られたら……やぁ……」
羞恥の言葉がこぼれる一方で、濡れた音が室内に響き、さらに昂ぶりを煽る。
やがて、私は彼に跨り、騎乗位で彼を受け止めた。
自ら腰を落とし、上下に揺れるたび、快感の火花が弾ける。
「悠斗……もっと……突き上げて……」
若さに満ちた力と、女の渇望が絡み合い、部屋の空気を熱く染めていく。
そして、波が押し寄せる。
全身が打ち震え、視界が白く弾けた瞬間、私は彼の胸にしがみつき、声にならない叫びを洩らした。
「んあぁぁっ……!」
世界が止まり、余韻だけが静かに流れる。
窓の外では夏の夜風が木々を揺らし、友人の寝息が遠くで続いている。
罪悪感と虚無、そして満たされた熱。
私は青年の胸に顔を埋め、女としての自分を取り戻してしまったことを痛感していた。
まとめ──背徳のソファに封じられた官能の夜
夫の不在、友人の寝息──その隙間で芽生えた欲望は、止められなかった。
私は「母の友人」という仮面を脱ぎ捨て、若い男に抱かれた。
フェラチオに酔い、クンニに溺れ、多彩な体位で快楽を貪った夜。
その余韻はいまも私の奥に生きている。
あのソファに残された湿りと吐息の記憶は、決して誰にも語れない背徳の証だった。
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