お義母さん…そこはっ!!セックスがしたくて義息の元気なオチンチンを支配しようと企てる嫁の母親 葵百合香
『葵百合香』が演じるのは、愛と孤独の狭間でもがく女性の姿。
誰もが抱える「満たされない渇き」を、彼女は静かに、そして美しく表現している。
同居する娘夫婦との関係の中で、抑えてきた欲望と倫理の境界がにじみ出す。
一線を越えるか否か、その瞬間の揺らぎが観る者の心を掴んで離さない。
これは単なる官能ではなく、“生きること”のリアルな痛みと愛を描いた物語だ。
【第1部】眠らない家──乾いた食卓に沈む影
夫の帰宅は、いつも夜の十時を過ぎていた。
サラリーマンとしての疲労が、彼の体に定着して久しい。
ネクタイを緩めながら「風呂、あとで」とだけ言い残し、無言でリビングの奥へ消える。
私はその背中を見送ることにも、もう何の感情も持たなくなっていた。
「あなた、今日は寒いわね」
声をかけても、返事は曖昧なうなずき。
その仕草の向こうで、まるで“私という存在”が透明化していくのを感じていた。
結婚から二十年。娘が嫁ぎ、今はその娘夫婦と同居している。
義息の悠人は、無口で穏やかな青年だった。
風呂上がりにタオルで髪を拭く姿がふと目に入ると、私は目を逸らす。
視線の奥に、何かを見てしまうことが怖かった。
眠れない夜、布団の中でまぶたを閉じる。
夫の寝息の代わりに、リビングから微かな物音が聞こえる。
冷蔵庫の扉を閉める音、椅子の脚が擦れる音──
家の湿度が変わる気がした。
その静けさの中に、何か生きている気配がある。
翌朝、食卓で悠人と二人きりになった。
娘は出勤が早く、夫もすでに家を出ている。
差し出した味噌汁の湯気が、指先にかかる。
その一瞬、彼の手が私の手に触れた。
ほんのかすかな接触。
けれどその温度が、胸の奥にじわりと残った。
「すみません、熱かったですか」
「いいえ……少し、びっくりしただけ」
声が震えていた。
その震えの正体を、私はまだ知らなかった。
【第2部】湿りゆく視線──言葉にならない欲望の温度
夕立の夜。
外は滝のような雨が降り、屋根を叩く音が世界を満たしていた。
夫は出張で不在、娘も友人の結婚式で帰りが遅い。
家には、私と悠人だけ。
テレビの明かりが、薄い光をリビングに流していた。
悠人はソファに腰を下ろし、読んでいた雑誌を閉じた。
「雨、すごいですね」
「ええ……音が、胸に響くわ」
私は洗濯物を取り込もうとして、ふと足を止めた。
ベランダのガラスに、自分の顔が映っている。
その向こうで、悠人の視線が私に重なる。
外の雨と、室内の湿気と、二人の呼吸の間にある距離が溶けていく。
「……お義母さん、風邪ひきますよ」
「大丈夫、少しだけ……この雨の匂いが、懐かしいの」
匂い。
記憶の奥に沈んでいた若い日の湿った空気が、鼻腔をくすぐる。
そして気づく。
いま、自分の身体が熱を帯びていることに。
悠人がタオルを差し出す。
その布地が指に触れる瞬間、私は呼吸を忘れる。
視線を逸らしたはずなのに、目の端で彼の喉仏が動くのを見た。
その動きが、どうしようもなく美しかった。
「お義母さん……何か、顔が赤いです」
「そう……? たぶん、雨のせいね」
胸の奥で、言葉にならない何かが膨らんでいた。
欲望というより、もっと静かな飢え。
生きている証を、誰かに確かめられたかった。
夜更け、雨はやんでいた。
私は眠れず、廊下に出る。
薄暗い光の中、悠人の部屋の扉がわずかに開いている。
その隙間から、息の音が漏れていた。
そのリズムに、私の鼓動が同調する。
触れずに、濡れていた。
【第3部】触れない愛撫──沈黙の中で満たされていく夜
次の日から、私たちは言葉を少なくした。
目が合うと、どちらも微笑みながら視線を逸らす。
その沈黙の中に、確かな呼吸の合図があった。
ある晩、夫から「今週も帰れそうにない」と電話が入った。
受話器を置いた後、しばらく動けなかった。
虚無の中で、私は気づく。
夫の不在よりも、悠人の存在が私の世界を満たしている。
その夜、雨の音がまた戻ってきた。
悠人がリビングに現れ、静かに言う。
「お義母さん、眠れないんですか」
「ええ……あなたも?」
互いに頷く。
何も起こらない夜ほど、欲望は濃くなる。
私はカーテンの隙間から外を見つめた。
雨に濡れる街灯が、まるで心の中の灯りのように滲んでいた。
悠人がゆっくりと近づいてきた。
その距離が、言葉よりも雄弁だった。
触れそうで触れない、その緊張が官能のすべてを支配していた。
「お義母さん……」
「言わないで」
声が震える。
その震えが、空気を震わせ、世界を濡らしていく。
唇は触れない。
けれど、心は重なった。
その瞬間、私は初めて涙を流した。
それは悲しみではなく、長い乾きを癒す雨だった。
翌朝、陽が差し込む台所で、悠人がいつも通りコーヒーを淹れていた。
私たちは微笑み合うだけだった。
昨夜の出来事を、言葉にする必要はなかった。
沈黙が、すべてを語っていた。
【まとめ】濡れたのは身体ではなく、孤独だった
夫の冷たい背中、夜の静寂、そして雨の匂い。
それらすべてが、私を“女として”ではなく“生きている人間として”揺らしてくれた。
悠人とのあの夜、私は誰のものにもならず、誰を奪いもしなかった。
触れずに濡れること──それが、私の再生だった。
欲望とは、他者を求めることではない。
自分の中に残っていた“生きる感覚”に再び触れること。
私はいまも時々、雨の夜に窓を開ける。
あの湿った空気の中で、胸の奥に微かに灯る熱を確かめながら。
それが私にとっての「SEX」──
肉体ではなく、魂が濡れる行為だった。
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