夫との生活は、穏やかだった。
波風も立たず、言い争いもなく、家事も育児も「分担」されていた。
けれど、それは“平和”という名の、感情の死だった。
娘の家庭教師・誠くんと出会ったとき——
その揺らぎは、すでに始まっていたのかもしれない。
彼が初めてわが家の玄関をくぐったとき。
私は、その背の高さと、陽に焼けた腕の逞しさに、なぜか心がざわついた。
言葉では言い表せない衝動。
それは、“母親”としてではなく、むしろ“女”の本能として、私の中で息を吹き返していた。
彼はとても礼儀正しく、どこか慎ましく、けれど本能だけは正直だった。
料理を出せば「美味しいっす!」と目を輝かせ、娘と接するときの微笑みには、偽りがなかった。
そのすべてが、私を安心させ、そして——無防備にさせていった。
私は、夫にすら見せたことのない柔らかさを、彼の前で晒していたのかもしれない。
ある日、誠くんの視線に気づいた。
私が立ち上がる瞬間。
しゃがみ込むとき。
胸元が開いた瞬間、スカートの裾がずれるたび、彼の黒い瞳が、そこへ吸い込まれるように向かっていた。
不思議と嫌ではなかった。
むしろ、息をひそめてそれを感じている自分がいた。
「女として見られている」というその感覚は、私の身体の奥底を疼かせた。
私はいつしか、露出の多い服を選ぶようになり、彼がいる日は決まって、香りを変えた。
すべて、無意識だった。
でも、きっと、女としての私が、久しく忘れていた快楽の予感に、舌なめずりをしていたのだ。
夏のある日、娘を実家に帰した。
夫は出張中。家には私だけ。
誠くんには「今日もいつも通りに来て」とだけ伝えた。
彼がインターホンを鳴らす音を、私は裸足のまま台所で聞いた。
ワインを冷やしていた。
軽く火を通しただけの魚と、野菜の前菜。
今思えば、食事なんてどうでもよかったのかもしれない。
彼が扉をくぐったとき、私はいつもより多く肌を見せていた。
胸元から背中へと滑るシルクの生地。
すでに、意識は“母親”ではなかった。
「……娘さんは?」
「今日は実家。ね、せっかくだから、ゆっくりしていって?」
そう言った私の声が、少し震えていたことに、気づいていたのは私だけだったかもしれない。
ワインを二杯。
言葉が少しずつほどけていく。
隣に座った彼の太ももが、私の肌に触れた瞬間、すでに私は濡れていた。
何も触れられていないのに、そこだけが、熱を帯びていた。
「……好きなんです。最初から、ずっと」
彼が呟いたとき、私はすでにキスをしていた。
彼の唇は若く、熱く、そして不器用に震えていた。
その不器用さが、私の奥をえぐった。
私は彼の膝に乗り、ボタンを外しながら耳元で囁いた。
「触れて。ちゃんと、私に触れて……男として、欲しいの」
彼のジーンズを下ろしたとき——私は息を呑んだ。
そこに現れたものは、まるで“武器”だった。
硬く、太く、私の手には余るほどの存在。
先端からは透明な滴がすでに零れ、微かに脈打っていた。
「……こんなの……」
言葉にならなかった。
でも、それを見た瞬間、私の身体が欲しがっていた。
膣がきゅっと締まり、腰が自然と前に出る。
私はそれをゆっくりと口に含み、舌で円を描く。
根元まで咥えるたびに、彼の体がびくっと震え、息が漏れた。
私も快感だった。
自分の中に、こんなにも淫らな悦びがあったなんて知らなかった。
「もう、やばいです……出そうです」
「いいの、全部ちょうだい」
彼の精が口の中で脈打つたび、私の奥も震えていた。
若い男の濃密な命を、喉の奥で受け止める。
それは、快楽というより——“本能”の交信だった。
その後、私は彼の手を取り、自分の中へ導いた。
「入れて……お願い……私を、壊して」
彼は静かに頷き、ゆっくりとその巨きなものを押し込んできた。
割れるかと思うほど、押し広げられる膣壁。
奥まで到達した瞬間、私は小さく叫んだ。
それは、痛みと快感の狭間。
まるで自分の核に“異物”が打ち込まれたようだった。
でもそれが、たまらなく気持ちよかった。
「誠くん……もっと奥を、もっと強く突いて」
彼は言われるがまま、腰を深く沈め、私の子宮を打ち続けた。
そのたびに、私は絶頂し、涙が滲んだ。
「……すごい……奥で感じてる」
「感じてるわ……あなたの全部で……」
そして、最後の瞬間。
私は彼の背中に爪を立て、耳元で囁いた。
「中に……ちょうだい。全部、私の奥に注いで」
彼は呻き、私の奥で大きく脈打ち、そして果てた。
まるで命が注がれるような熱。
私の奥で跳ね、流れ込み、満たされた。
しばらく私は、何も言えなかった。
ただ、濡れたソファの上で、彼の体を抱きしめた。
「ありがとう……女に戻してくれて」
彼はただ、静かに私の髪を撫でた。
あの夜から、私は変わった。
夫と過ごす時間にも、母親としての役割にも、変化はない。
けれど、夜ひとりになると、私はそっと脚を開く。
あの“巨きな存在”を思い出しながら——
何度も、自分を貫いた彼の名を、胸の奥で、呼び続けている。



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