四月に入ってから、同じ駅のホームでよく見かけるようになった。 二十代前半くらいの、都会の垢にまだ染まっていない、どこか危ういほど素直な印象の女性だった。四月の前半までは、黒いリクルートスーツをきちんと着ていた。スカートのスリットから覗く白い脚のラインが、ホームの蛍光灯の下で際立って見えた。
私は四十を過ぎた人妻である。自分ではもう着られない年代のスーツに、なぜか視線が止まってしまう。リクルートスーツを着られる年齢というのは、身体が一番敏感に反応する盛りなのだと、私は密かに思っている。
昨夜、偶然が重なった。大型連休中の金曜の最終電車を待っていると、彼女がふらふらとこちらへ歩いてきた。息は甘く酒の匂いがした。
「あの……次の駅で降りますから、起こしてもらっていいですか?」
「ええ、大丈夫ですよ。少しふらついていますね」
「ちょ、ちょっと呑み過ぎちゃって……」
車内は普段の半分ほどしか人がいなかった。トイレの隣の四人掛けボックス席に、並んで座った。他の人が座らないよう、ハンドバッグを通路側に置いた。彼女は座った途端に深く息をつき、すぐにまぶたを閉じた。
私はスプリングコートを脱ぎ、丁寧にたたんで、自分と彼女の太ももにまたがるようにかけた。コートの下で、私の右太ももと彼女の左太ももが完全に密着した。布の感触を通して、彼女の体温がじんわりと伝わってくる。
あせってはいけない、と思いながら、右手をゆっくりと彼女のスカートの中へ滑らせた。内ももを指先でなぞると、彼女は小さく身じろぎした。パンツの縁に指が触れたとき、彼女の唇がわずかに動いた。
「していいよ……ノリ……」
彼氏と勘違いしているらしい。私は静かにパンツを下ろした。彼女は腰をわずかに浮かせて、それに応じた。左側は私が、右側は彼女自身が下ろした。指を入れる前から、すでに熱く湿っていた。
この車両に残っているのは、遠くに座る中年男性が二人と、私たちだけだった。理性が戻る前に、私はコートの下で彼女の秘部をそっと指で撫でた。ぬるぬるとした感触が指に絡みつく。彼女は眠ったまま、小さく甘い吐息を漏らした。
「着きますよ」
彼女は反応しない。
「着きますよ」
「……えっ、あ、はい」
「よく眠っていましたね。お酒、抜けましたか?」
「んー、ちょっと気持ち悪いかも……」
「うち、駅からすぐなんです。少し休んでいきませんか。熱い番茶を飲めば楽になりますよ」
「……いいんですか?」
「私は構いません」
彼女が転ばないよう、腕を組んで歩いた。家に入ると、すぐに言った。
「スーツ、シワになりますから脱いで」
彼女は言われるままにジャケットとスカートを脱いだ。ブラウスの下に、白い下着だけが残る。
「あれ……?」
「どうしたの」
「パンツ、履いてないんです……」
「飲み会のとき、誰かにでもやられたんじゃないの?」
「どうしよう……」
「私が確認してあげる。四つん這いになって」
「でも、恥ずかしい……」
「女同士でしょう。大丈夫」
「女の子に見せたことないしぃ……」
「じゃあ、見せて。誰だって最初は恥ずかしいものよ。でも、中に何か残されているほうがよほど大変でしょう」
その言葉がきっかけだった。彼女はゆっくりと腰を落とし、四つん這いの姿勢になった。私は後ろに回り込み、彼女の秘部を両手で優しく開いた。すでに充血して、光を帯びて湿っている。私は顔を近づけ、舌をゆっくりと這わせた。
彼女の首筋が異様に敏感らしく、舌先でそこをなぞると、彼女は声を抑えるようにして身をよじった。腰がわずかに震え、太ももが緊張する。私は丹念に、折り重なる襞の一枚一枚を舐め上げた。熱い液体が舌に広がる。彼女は「んっ……あっ……」と小さな声を漏らしながら、腰を後ろに押しつけてきた。
私は一旦顔を離し、寝室から小さな箱を取り出した。中には、静かに振動する細い棒状の玩具と、先端が柔らかく曲がるもう一本の玩具が入っている。どちらも音はほとんどせず、夜の静けさを破らない程度のものだ。
「動かないで。少し楽にしてあげるから」
彼女は不安そうに後ろを振り返ったが、私の手で腰を押さえられ、動けない。まず細いほうの玩具を、すでに熱く湿った入口にゆっくりと当てた。振動が伝わると、彼女の太ももがぴくりと跳ねた。
「んっ……なに、これ……」
「静かに。気持ちよくなるものよ」
私は玩具を少しずつ沈めていった。内部の熱が伝わり、振動が奥まで届くと、彼女の背中が弓なりに反った。腰が小刻みに震え始め、秘部からとろりと透明な液体が溢れ出して太ももを伝う。私は玩具をゆっくりと出し入れしながら、もう一方の手で彼女の敏感な突起を指で優しくこすった。
「あっ……そこ、だめ……強すぎる……」
声が甘く濁っていく。私は振動の強さを一段上げ、玩具を深く押し込んだまま、左右に小さく揺らした。内部がきつく収縮し、玩具を締めつけてくる感触が指に伝わる。彼女は四つん這いのまま、肘をついて顔を埋め、甘い悲鳴を押し殺すように喘いだ。
「もう少しだけ。ちゃんと感じるようにしてあげる」
私は玩具を抜き、代わりに先端の曲がるほうを選んだ。入口に当てると、彼女はすでに期待するように腰を少し後ろへ突き出してきた。ゆっくりと沈めていくと、内部の柔らかい壁が玩具を包み込み、振動と相まって熱を増していく。私は玩具を回転させるように動かしながら、舌で彼女の首筋から背中の中央までゆっくりと舐め上げた。
彼女の反応は次第に激しくなった。腰が勝手に前後に動き、玩具を自ら深く受け入れようとする。秘部はすでにぐちゃぐちゃに濡れ、振動音に混じって水音が小さく響く。私は玩具を奥まで押し込んだまま、振動を最大にし、彼女の敏感な一点を指で執拗に刺激し続けた。
「いっ……く、くる……あっ、あっ……!」
彼女の身体が大きく痙攣した。内部が激しく収縮し、熱い波が何度も押し寄せてくる。私は玩具を抜かずに、その収縮が収まるまで振動を続けた。彼女は膝を折り、床に突っ伏したまま、長い余韻に身を委ねていた。
ようやく動きが収まったあと、私は玩具を静かに抜き、彼女の脚の間に滴り落ちた液体を指で優しく拭った。彼女は顔を上げ、潤んだ目で私を見た。羞恥と、まだ残る快感が入り混じった表情だった。
「今夜、夕飯でもどう? お酒を少し用意しておくから。もっと、いろいろ試してみたいの」
彼女は一瞬ためらったあと、小さく頷いた。
「……行きます」
私は彼女の背中を見送りながら、すでに次の夜を想像していた。お酒さえあれば、彼女はまた私の手の中で溶けていく。リクルートスーツを脱いだあとの、まだ誰にも知られていない柔らかい身体を、今夜も玩具を交えながら、丁寧に、少しずつ私のものにしていくつもりだ。
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