【第1幕:深夜の病室に、肌をかすめる白衣の温度】
あの夏のことを、今でもふとした瞬間に思い出す。
大学一年、プロを目指していた僕の膝は、スライディングの瞬間に砕けた。
ギプス、点滴、白く乾いた天井。そして深夜の病室――。
その静寂にふと差し込んでくる気配があった。
彼女は夜勤の看護師、三浦さん。42歳という年齢を感じさせない、でも若さでは到底辿りつけない“余白”を纏っていた。
声は低く、視線はまっすぐ。白衣の胸元がふと開いたとき、隠された熱が零れるように思えた。
「暑いでしょう?タオル、冷やしておきました」
彼女が僕の上半身のボタンを外す。
その指先が、額ではなく――喉元へと降りてくる。
ひやり、とした布が鎖骨をなぞるたび、何かが内部で点火するような音がした。
触れているのはただのタオル。けれど僕の全身は、彼女の指の動きを“見ている”だけで、皮膚の裏から疼いてくる。
「目、逸らさないのね」
囁かれた声が耳朶に触れた瞬間、心臓が跳ねた。
――それは、どちらの意味だったのか。
けれど次の瞬間には、彼女の視線が僕の視線を、静かに吸い込んでいた。
【第2幕:年齢差と夜勤の密室、揺れながら重なる呼吸】
彼女は白衣を脱いでいなかった。
それなのに、濡れていたのは、僕の方だった。
「声、出していいのよ?…ここは個室だから」
ベッドの端に膝を乗せた彼女が、ギプスのかかっていない脚の間に、ゆっくりと沈み込んでくる。
冷たい空調の中、彼女の肌だけが湿っていて、あたたかくて、どこか艶やかだった。
「あなた、綺麗ね。まだどこも、硬くて」
舌先が、太ももの内側を這う。
汗と、消毒の残り香と、女の香りが混じる。
目が合う。
その瞬間、背骨を走るものがあった。
心まで吸い上げられるような、震える快感。
指が、息をつめながら沈んでくる。
肘をついた白衣の袖が、僕の腹を押し返す。
深く、もっと奥へ――。
彼女は音を立てずに啜り、指先はまるで脈のように律動する。
羞恥と興奮の境界で、僕はすでに、自分がどこまで濡れているのかも分からなかった。
そのあと、彼女は自ら跨がりながら、
「ごめんね、今夜だけ…許して」
と、囁いた。
その声が、もっとも淫らだった。
【第3幕:壊れる理性、深夜の個室で交わった熱の記憶】
「脚、動かせないんでしょう?」
そう言って、彼女は自分の脚で僕の腰を支え、ゆっくりと沈んできた。
僕はただ、彼女の胸元に額を押し当てることしかできなかった。
白衣の下、ノーブラの乳房が、ぬるりと頬を濡らしていた。
腰を、振る。
ゆっくりと、でも確実に。
振動が骨の奥にまで伝わり、ギプスの下の脚まで震えてくる。
「すごく…いい。若いって、ずるいわね…」
声にならない息を、喉の奥で噛み殺す。
絶頂は、呼吸よりも深いところで起きていた。
汗、濡れた太もも、ゆるく交差したままの手。
全身の感覚が、彼女で満たされていくのに、まだ奥が欲しかった。
理性の最後のかけらが壊れたのは、
彼女が首筋に噛みつきながら、
「プロになるまで…誰にも渡さないから」
と、囁いた瞬間だった。
その夜の記憶は、
汗を吸った白衣のしわと、
枕元に残された体液の湿り気だけが、
今も僕の奥で疼き続けている。



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