【背徳の密着】満員電車で交錯する運命—人妻と夫の部下が抗えない感情に溺れる瞬間 その2

後日——交錯する視線

その出来事から数日後の夜。

夫は仕事の飲み会に出かけ、私はひとりでゆっくりと過ごしていた。夜も更けた頃、玄関のベルが鳴る。

「ただいま〜、ちょっと飲みすぎたかな……。」

夫が上機嫌で帰ってきた。そしてその後ろには、一人の男。

「圭吾も連れてきたぞ!こいつ、最近頑張ってるからな!」

酔いの回った夫が肩を組むように圭吾を促し、彼が戸惑いながらも家の中に入る。

その瞬間、彼の目が私を捉え、一瞬だけ硬直する。

「……あ。」

驚きが混じったその声。私も息を呑む。

夫の部下として、彼を家に迎え入れるのは初めてではない。しかし、今は違う。

——あの電車の出来事を知っているのは、私と彼だけ。

「お、お邪魔します……。」

圭吾はぎこちなく頭を下げたが、その視線は落ち着かず、私を見ては逸らし、また私を意識するように向けられる。

「さぁ、飲もう!お前もまだ飲めるだろう?」

夫がソファにどっかりと腰を下ろし、テーブルに用意していた酒を勢いよく注ぐ。

圭吾は静かに座りながらも、時折私を見る。その瞳には、あの時の記憶が宿っていた。


沈みゆく理性——二人の心理戦

しばらくして、夫は深い酔いに沈んだ。

「うぅ……先に横になる……。」

そう言い残し、夫は寝室へとふらふらと消えていった。

リビングには、私と圭吾だけが残される。

静寂が広がる。

どちらからも言葉はなかった。

グラスを回す手、わずかに揺れる液体。

「……びっくりしました。」

最初に口を開いたのは圭吾だった。

「まさか……こうして、お会いするなんて。」

「……私も。」

喉が乾く。けれど、それはアルコールのせいではない。

圭吾がゆっくりとグラスを置き、真っ直ぐに私を見た。

「……ずっと、考えていました。」

彼の視線が絡みつく。

「……何を?」

「電車のこと。……あの時のこと。」

鼓動が速くなる。

逃げなければいけない。

けれど、その場から動けなかった。

圭吾の目が、熱を帯びていく。

「……俺だけが、覚えているのかと思っていました。でも……違いますよね?」

理性の糸が、また緩みかけていた。

私は何も言えずに唇を噛んだ。圭吾は静かに立ち上がる。

「忘れたふりをしていたんですか?」

問いかけるような声。私は目を伏せる。

「……違う。」

彼が私の前に立つ。

「じゃあ……。」

すぐそばに感じる圭吾の体温。あの密着の感覚が、再び蘇る。

「……ダメよ。」

言葉とは裏腹に、心臓が高鳴る。

圭吾がそっと私の手を取る。手のひらが熱を持ち、指先がわずかに震えた。

「……俺、もう止められない。」

低い囁きが、静寂の中に溶ける。

沈黙の中で、視線が絡み合う。

圭吾は挑むように、私の反応を探る。

私は圭吾の手を払いのけるべきだった。

けれど、拒む気持ちはどこかへ消え、代わりに胸の奥底から湧き上がる衝動が私を支配し始める。

「私たちは……間違ってる。」

震える声で告げる。

「でも、止められないですよね?」

圭吾の声は穏やかで、それでいて確信に満ちていた。

彼の指が私の指先に触れた瞬間、全身が震えた。

「……あなたは、どうしたいの?」

私が試すように問う。

圭吾の表情がわずかに歪む。戸惑いと抑えきれない感情が交錯している。

「……知りたいんです。あの時のあなたの気持ちを。」

彼の言葉に、私の心が揺らぐ。

「答えを出すのは、あなた次第ですよ。」

私は視線を逸らさず、ゆっくりとグラスを傾ける。

圭吾の瞳が鋭さを増し、私を見つめるその目の奥に燃えるものを感じた。

彼が一歩、また一歩と近づくたびに、私の呼吸は浅くなる。

彼の手が私の腰にそっと触れた瞬間、すべての理性が静かに崩れ落ちていった。

夜の静寂の中、私は彼の手に導かれる。ゆっくりと、自らの意志で彼にまたがるように。心も身体も絡み合い、時を刻むように揺れ動く。

この夜、私は彼に身を委ねる——。

コメント

タイトルとURLをコピーしました