嫌いな女上司と一夜を過ごした──理性が溶けた雨の夜、僕は彼女の素顔に触れた

気の合わない女上司と、SEXの相性は抜群だったみたいです…。 小谷舞花

職場で対立していた上司と部下。互いを嫌いながらも、いつしか目を逸らせなくなる。
冷たい言葉の裏に潜む孤独、衝突のたびに増す緊張感。
偶然の夜がふたりの関係を変え、理性の糸が静かにほぐれていく。
この作品は、ただのラブシーンではなく、
「人はなぜ惹かれてはいけない相手に惹かれるのか」を描く心理ドラマ。
視線、沈黙、息遣い――そのすべてが物語の熱を帯びていく。
成熟した関係性を描く“心で感じるラブストーリー”として、
男女の感情の交錯を味わいたい人におすすめ。



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【第1部】火花のように近づく距離──嫌悪の奥に潜む熱

食品メーカーの地方支社、仙台営業所。
外はまだ春の名残を引きずり、雨が細く降っていた。
僕は28歳、営業二年目。名前は三浦悠人。数字には強いが、人間関係には弱い。
なかでも苦手なのが直属の上司、小谷舞花課長だった。
36歳、几帳面で妥協を知らず、どんな会議でも彼女の発言が最後を決める。

「あなたのそのプレゼン、勢いだけで根拠が薄いのよ」
彼女はいつものように低い声で言い、眉をわずかに上げた。
冷たい水滴のようなその声に、僕は無意識に喉を鳴らした。
反論しかけたが、言葉がうまく出ない。
なぜか彼女の眼差しが、叱責というよりも、どこか挑発のように見えたのだ。

その日の夕方、仕事を終えて帰ろうとした僕は、階段の踊り場で呼び止められた。
「ちょっと、話があるの」
いつもの厳しい口調のまま、けれど瞳はどこか疲れていた。
雨音が響く中、二人きり。
近くに立つと、彼女の髪からわずかに香水の残り香が漂った。
それが、やけに現実感を削いだ。

「イチから礼儀を教えてあげるわ。今夜、空いてる?」
呆然とする僕をよそに、彼女は口角をわずかに上げた。
挑むようなその微笑みは、嫌悪と興奮の境界線を、ひどく曖昧にした。

僕は気づけばうなずいていた。
理性が抵抗していたのに、身体の奥が勝手に動いた。
その夜、彼女が指定したのは高級レストランでもバーでもなく、
郊外のファミレスだった。

テーブル越しに見た彼女は、昼間よりずっと柔らかい表情をしていた。
グラスを傾けるたび、視線がぶつかる。
そのたびに、どちらも目を逸らした。

それは戦いの延長のようでいて、
どこか、火花を交わすような奇妙な近さだった。

【第2部】沈黙の夜──理性がほどける音

ファミレスの窓を打つ雨脚は、いつのまにか強くなっていた。
時計の針はすでに22時を過ぎ、他の客の声もまばらだった。
僕と小谷課長の間には、注文したはずのワインの空瓶が一本。
テーブルの上に残る水滴の輪が、ぼんやりと広がっていく。

「あなたって、意外と素直ね」
グラスを指先でなぞりながら、彼女がつぶやく。
その声は、昼間の硬質な響きとは違っていた。
喉の奥でほどけたような、少し甘い音をしていた。

僕は笑いながらも、視線を合わせられなかった。
上司としての彼女を、僕は何度も嫌いになろうとしてきた。
それでも――彼女の髪が揺れるたびに、
心の奥がかすかに疼く。

「ねえ、三浦くん。どうしてそんなに、私を睨むの?」
「……睨んでなんかいません」
「じゃあ、どうしてそんな目で見るの?」

言葉を返せなかった。
彼女の問いは挑発ではなく、
どこか寂しげで、確かめるようでもあった。

外では風がガラスを揺らしていた。
その振動が、テーブルの脚を通して微かに伝わる。
沈黙が続く。
その沈黙の中で、僕の呼吸と彼女の呼吸だけが、
不自然に重なり始めていた。

彼女が席を立つ。
レインコートの裾が揺れ、香水と雨の匂いが混ざる。
「送るわ」
その一言に逆らえなかった。

車の中、フロントガラスを流れる雨粒が、
街灯の光を受けてゆっくり滑り落ちる。
助手席の僕は、何も言えなかった。
彼女の横顔が、近すぎる。
信号の赤が、頬を照らすたびにその輪郭が柔らかく見えた。

「……三浦くん」
呼ばれた瞬間、名前の響きが熱を帯びた。
次の瞬間、彼女の指先が僕の手に触れた。
わずかな接触なのに、世界が変わるほどの衝撃だった。

理性の境界が、静かに溶けていく音がした。

【第3部】朝の輪郭──触れてしまったあとの静寂

窓の外から、鳥の声がした。
やけに遠く、やけに澄んでいた。

目を覚ますと、見慣れない天井があった。
木目の浅い模様が、揺れるように視界を流れていく。
シーツの下で肌に触れる空気が、あまりにも生々しい。
頭の奥で、昨夜の断片がいくつも閃く。
グラスが倒れた音。
呼吸を交わした瞬間の沈黙。
そして、触れてしまった温度。

隣を見ると、小谷課長が静かに眠っていた。
髪が頬にかかり、薄い唇がかすかに開いている。
あの、冷たく鋭かった彼女の表情は、もうどこにもなかった。
ただ、微かな寝息が、現実の境界を確かにしていた。

僕はベッドの端に腰を下ろし、指先で自分の掌をなぞった。
彼女の指がそこを通り過ぎた感覚が、まだ残っていた。
思い出すたび、胸の奥で何かが疼く。
それは後悔でも快楽でもない、もっと曖昧なもの――
たとえば、認めてはいけないやさしさのような。

「起きたの?」
背中越しに、彼女の声がした。
眠たげな、けれど穏やかな声。
振り返ることができなかった。

「昨日のことは……」
彼女は言いかけて、息を吐いた。
「夢だと思っておきましょう」

彼女の笑みには、少しだけ痛みが混ざっていた。
その痛みが、僕の胸の奥に静かに広がっていった。

外は晴れていた。
雨上がりの街が光を受けて、白く霞んでいる。
僕たちは別々にホテルを出た。
背を向けるたび、振り返りたくなる衝動を必死に抑えた。

職場でまた彼女を見る日が来る。
あの冷たい声も、厳しい眼差しも、きっと戻ってくる。
けれど――
その奥に眠っていた熱を、僕はもう知らなかったことにはできない。

あの夜を思い出すたびに、胸のどこかが静かに疼く。
まるで、手放したはずのものが、まだ掌の中に残っているように。

まとめ──理性の向こうにあるもの

人は、嫌いだと思い込んだ相手の中に、
実は自分が抑え込んでいたものを見つけることがある。
小谷課長の厳しさに僕が苛立ったのは、
きっと自分の未熟さを映されていたからだ。
そして、あの夜、理性が緩み、
その鏡の奥にある素顔が見えたとき、
嫌悪は奇妙な熱に変わった。

人は衝突の中でこそ、相手の本質に触れる。
それが優しさであれ、孤独であれ、
あるいは抑え込まれた欲望であれ――。

翌朝の光の中、僕たちは何も言わなかった。
けれど、沈黙の中には確かなものがあった。
それは、もう戻れないと知りながらも、
確かに交わってしまった心の痕跡。

人は理性の向こう側に、
ほんとうの自分を見つけてしまう瞬間がある。
それは決して美しいだけのものではない。
けれど、その危うさの中にこそ、
人間の生々しい真実が息づいている。

あの夜の雨音を、僕はいまでも覚えている。
理性と欲望のあいだで震える鼓動の音として。

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