【第1幕】昼の静寂に忍び寄る熱──触れていないのに、湿る。
夫が出勤した直後の部屋は、妙に静かだった。
朝のコーヒーカップの余熱がまだ残るテーブル。ベランダには風が抜けて、カーテンがやさしく揺れている。私の膝には、淡い日差しが乗っていた。
それは、何気ない午後になるはずだった。
けれど、下の階からドアをノックする音がした時、私はなぜか心の奥がざわついた。
「こんにちは、また洗濯機、止まってるみたいで…」
日本語のイントネーションにまだ少し拙さの残る声。リュウと名乗る中国からの留学生。数日前、洗濯機の配線を直してくれた子。
玄関の奥、部屋の空気の違いに彼も気づいたのか、一歩、二歩、靴下の音を忍ばせながら入ってきた。
「なんか…静かですね。旦那さん、今日は?」
「仕事。いつも通り…夕方まで帰らないの」
私は、自分の声が少しだけ揺れているのに気づいていた。
彼がこちらを見ていた。
視線が、胸元でもなく、太ももでもなく、私の“なにか”を探るように奥を見ていた。
その瞬間、私は呼吸を忘れていた。
【第2幕】やわらかな舌と昼の微熱──理性がほどける音がした。
「奥さん、目が…少し赤い」
そう言ってリュウが伸ばした指先は、頬をなぞるよりも静かだった。皮膚ではなく、体温に触れようとするような指。
私は言葉を返せずにいた。まぶたを伏せた瞬間、唇に、あたたかな感触。
あまりにもゆっくりと、何かを確かめるように彼は口づけてきた。
私は、動けなかった。
唇の奥まで湿って、喉の奥がきゅっと細くなる感覚。
触れているのは舌だけなのに、私は腰の奥に何かが滴り落ちていくのを感じていた。
気づけばリビングのカーペットの上。
膝をつきながら、リュウの唇が私の喉元から胸元へと降りてくる。
ボタンを外されたブラウスの中には、滲み始めた母乳と、息づかいに震える乳首。
「ここ…母乳、出てる」
リュウの声が、少しだけ嬉しそうに揺れた。
私はその声にさえ、脚の奥が疼くのを止められなかった。
やわらかな舌が乳輪をゆっくりなぞり、
ピンと立った乳首の先端に唇が吸いついた瞬間──
「っ…んっ、や…」
声にならない声が、喉の奥から漏れていった。
スカートをめくり上げられ、ショーツ越しに舌が這う。
布越しの刺激だけで、私は震えていた。
リュウが指でショーツの脇をずらし、舌を忍ばせてきたとき、
熱が音になって漏れた。
「そんな、舐めたら…私…」
喘ぎながらも、手で彼の頭を押さえようとした。
けれどリュウは、優しく首をすくめて拒むように、さらに奥を這った。
「気持ちいいの、奥さん…?」
問われたくなかった言葉に、
私はうつ伏せたまま、小さくうなずいてしまった。
そして──
彼の唾液で濡れたヴァギナに、そっと指が差し込まれたとき。
昼の光のなかで、私はもう、新婚の妻ではいられなかった。
【第3幕】ゆるされた絶頂、濡れたまま午後が終わる──声にならない声だけが残った。
「中まで、いいですか」
その問いかけが、あまりにも丁寧で、あまりにも甘かった。
私は何も言わず、ただ、脚を開いた。
リュウがそっと自身をあてがったとき、
私の中はすでに彼を待っていたように、やわらかく、熱を帯びていた。
「……あっ」
挿入れた瞬間、ひとすじの吐息が唇を突き抜けた。
驚くほど、深く、濡れていた。
昼の光の中で、自分がどれほど濡れているかを知るのは、どうしようもなく恥ずかしくて、どうしようもなく嬉しかった。
対面で、彼の顔を見ながら。
「奥さん、可愛い…声、我慢しないで」
そんな言葉に煽られるたび、私は下腹をきゅっと震わせていた。
奥をこすられるたび、快感の波が骨盤の内側に広がっていく。
背中に手を回され、密着するように抱かれながら、
何度も、深く、繰り返されるピストン。
快感のリズムに合わせて、乳首からまた母乳が滲み、
「…ごめんなさい、もう、止まらない…っ」
するとリュウが私を抱えたまま体を入れ替え、今度はソファに座って私を膝に乗せた。
浅く腰を下ろすたびに、自分の膣が彼をしっかりと包み込んでいるのがわかる。
対面座位──肌が肌にすれる感触と、奥に届く角度。
そのすべてが、理性を溶かしていった。
「…イク…一緒に、いって…」
私のささやきに、リュウが深くうなずき、最後の数回、強く突き上げたあと──
私は声にならない声をあげて、彼の肩に爪を立てていた。
終わったあとの部屋には、ふたりの呼吸と、時計の秒針の音だけが残った。
濡れた内腿をタオルで拭きながら、私は窓の外の光が少し傾いているのに気づいた。
「ありがとう、もう帰って。これで…終わりにしないと」
そう言う私の声に、彼は何も言わなかった。ただ、そっとキスをして、ドアの外へ出ていった。
残された私は、
まだ湿ったショーツと、微かに香る体液の匂いの中で、
静かに深呼吸をした。
──たった一度の、秘密の午後。
けれど私の身体は、もう、彼の熱を忘れられなかった。



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