私は28歳のOL。
“ふつう”が似合う、どこにでもいるような女。
職場では清楚って言われるし、後輩からも頼りにされてる。
たぶん、誰も知らない。
私が夜、知らない男に裸を見せて、感じて、喘いでいることなんて。
彼と出会ったのは3年前。
年上で穏やか、でもどこか鋭い目をしてる人だった。
最初は普通の恋愛だった。
でも、半年ほど前──彼がぽつりとこう言った。
「君が他の男に見られて、乱れるところを見てみたい」
そのときは息が止まるほど動揺した。
でも……なぜか、それを“怖い”と思えなかった。
奥にあった“何か”が、むしろ目を覚ました気がした。
私は頷いた。
自分でも信じられないくらい自然に。
──そして、初めて“カップル喫茶”という場所に行くことになった。
着ていったのは、彼が選んだシンプルなベージュのワンピース。
下着は、透けるほど薄い、レースのブラとTバック。
「すごく似合ってる。……今日は綺麗に見せつけようね」
その声に背中がぞわっとして、下腹部がじわっと熱くなったのを覚えてる。
店内は薄暗く、静かで、照明だけがやけに生々しく感じられた。
個室に入ると、ソファと鏡──そして、
向こうの部屋からうっすら見える他人の影。
「ここから君が全部見えるんだよ」
彼の声が耳元に触れた瞬間、膝がふるえた。
最初はキスから始まった。
彼の指がワンピースのボタンを外していく。
胸が、腰が、露わになっていくたび、どこかから視線を感じた。
「……見られてるよ。下着の中まで見たいって顔してる」
彼の声に、身体の奥がじんわり濡れていくのを感じた。
ワンピースが足元に落ちる。
鏡に映る私は、ランジェリー姿で、知らない誰かに見せつけていた。
胸の先が硬くなっていくのが、恥ずかしいほどわかった。
彼が肩紐を外すと、乳房がぽろりとあらわになった。
その瞬間、向こうの影がぴくりと動いた。
見られた。
そう思っただけで、脚の奥が震えた。
「今日ね、1人だけ男の人を呼んでるんだ。会ってみようか」
心臓が跳ねた。
でも……私は、頷いていた。
部屋のドアが、静かに開いた。
そこに立っていたのは、40代くらいの落ち着いた雰囲気の男性。
紺色のシャツにスラックス。派手さはないのに、なぜか視線が強い。
私と目が合うと、彼は黙礼した。
まるで、儀式の始まりみたいだった。
「大丈夫?」と彼(=私の彼氏)が言った。
私は、喉が渇いていたけれど、かすかに頷いた。
彼の合図で、男の人がゆっくり近づいてくる。
その間も、私はランジェリーだけの姿で座っていた。
顔が熱い。背中に汗がにじむ。
けれど──どこかで、それを「心地よい羞恥」として感じていた。
男の人の指先が、私の髪に触れた。
優しく、なでるように。
次に、首筋。そして肩。
そのとき、鏡の向こう側に、別の男性の影が見えた。
誰かが、見てる。
私が今、他の男に触れられていることを──
「触られてるだけで、こんなに……」
彼の声が後ろから届いたとき、私は初めて気づいた。
自分の呼吸が浅く、脚がかすかに震えていることに。
そして、下着がじっとり濡れていることに。
男の人は、ブラのホックをゆっくり外した。
乳房が解き放たれる。
冷気と視線にさらされて、胸の先がぴくりと硬くなる。
見られてる。
こんなふうに、じろじろと……
羞恥が胸を突き上げる。でもそれは、快感に似ていた。
男の人の唇が、私の鎖骨にふれた。
ちゅっ、と控えめな音を立てる。
それだけで、背筋がびくりと跳ねた。
「今の、すごく綺麗だったよ」
彼の声に、私は目を伏せた。
下着がするりと滑り落ちる。
生まれたままの姿で、私は“見せられて”いた。
男の人の手が太ももに沿ってすべり、膝裏に触れる。
その指先は、何かを確かめるように、丁寧に、私を開いていった。
視線が、突き刺さる。
誰かが、私の一番恥ずかしい場所を、見ている。
息が詰まる。でも……逃げたくなかった。
指が触れた瞬間、私は声をあげてしまった。
音が反響する。誰かが反応する。
恥ずかしい。でも……なぜか、涙が出そうになるほど、気持ちよかった。
「もっと見せてあげて」
彼が囁く。
私は、自分の手で太ももを開いた。
誘われるように、男の人が唇をそこへ近づけた。
舌がふれたとき、
全身が熱でひらいていくようだった。
彼が見てる。
見知らぬ誰かも見てる。
私は……見せている。
女であることを、あらゆる感覚で突きつけている。
身体の奥が、ぎゅっと締めつける。
頭が真っ白になりそうだった。
「ねえ……お願い……」
自分の声がくぐもって聞こえた。
彼はうなずき、男の人に目配せをした。
そのまま、私はゆっくりと、抱かれた。
愛する人の前で、他の男に抱かれる。
そんなこと、普通なら許せるはずがないのに。
でも私は、すべてを捨てたように身体を委ねた。
汗がにじみ、髪が乱れ、
部屋には私のかすれた声と、荒い吐息が満ちていた。
どれほど揺さぶられたのか、覚えていない。
でも、彼と目が合った瞬間、私は笑っていた。
涙を浮かべて、笑っていた。
終わったあと、私は裸のまま、彼に抱きついた。
肌が汗でぺたりとくっつく。
彼は、何も言わず、強く私を抱きしめてくれた。
「……すごく綺麗だったよ」
その言葉を聞いたとき、私は初めて──
「私、女になったんだな」って、思った。
電車に揺られていると、ふと男性の視線を感じることがある。
スーツの肩越しに、私をちらりと見た誰かの目。
そのとき、心の奥がふと疼く。
「この人に見せたら、どう思うんだろう」
そんな想像をしてしまう自分がいる。
見られる快感。
見せる悦び。
愛する人のために堕ちていく背徳感。
すべてが、私を“女”にしていった。



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