元教師と再会、不倫の火がついた午後|忘れられない体の記憶

【第1幕:触れてはいけない人の肌を、思い出が撫でていた】

——この香りを、どこかで知っていた気がした。心が先に反応して、身体が言葉を失った。

昼の匂いが濃い、平日のショッピングモールの駐車場。
車の熱気が陽炎のようにゆれていて、俺の心拍数も、なぜか落ち着かないままだった。

視線の先に、1台の軽自動車がゆっくりと止まった。
光を弾くサイドミラー。赤茶けた陽光に透けた髪。
ドアが開く音と同時に、ふわりと香水の香りが風を縫ってくる。

——甘い。どこか、懐かしくて、少しだけ、罪悪感に似ていた。

「……一樹くん?」

その声を聞いた瞬間、胸の奥がひとつ軋んだ。
知っている声だ。でも、思い出せない。

茶髪をゆるく巻いた女性が助手席に乗り込んできた。
品のいい口紅。涼やかな眼差し。脚は細く、肌が薄く光っていた。

「はじめまして。……じゃない気もするけど」
彼女は少し笑って、シートベルトを締めた。

俺は言葉に詰まりながらも、「行きましょうか」とだけ呟き、車を走らせた。
何かが変だった。いや、何かが“戻ってきている”感じだった。

香水の香りが、エアコンに混ざって車内を漂っていた。
それは、廊下のにおいに似ていた。黒板消しの粉と、午後の日差しの、あの頃の学校の空気を混ぜたような匂い。

身体のどこかが、勝手に記憶を引っ掻き回していた。

「今日、ありがとうね。……変なこと聞くけど、私、ガッカリしない?」

横顔を見ながらハンドルを握る手に、汗が滲んでいた。

「綺麗な人と会えるのに、ガッカリなんてないですよ」

「ふふ……口、上手いんだ」
彼女の声は、どこかで俺の名を呼んだことがあるように響いた。

ランチは、隣町のレストランでとった。
白い皿の上のカルボナーラをフォークで巻く指が細く、薬指の指輪がちらちらと陽に揺れた。

「学生みたいに見えるね、あなた」

「……一応、社会人なんですけどね」
笑いながらも、彼女の爪先が時折こちらの脚にかすっていた。

——わざとだったのか、そうじゃないのか。どちらにせよ、反応しているのは俺のほうだった。

レストランを出るとき、彼女がふと訊いた。

「ねぇ、あと……何時間くらい?」

「16時には帰らなきゃ、って言ってましたよね?」

「うん。子どもが帰ってきちゃうから。……それまでなら、ね」

その“ね”に込められた濡れた暗示が、太ももの奥で静かに疼いた。

「……どこに行くの?」

「静かなところに」

「静かな?」
そう繰り返す声は、まるで答えを知っているくせに、聞きたがっているようだった。

言葉の間を、湿度が満たしていく。
髪の隙間から覗いた耳たぶに、ひと雫、汗が光っていた。

やがて車は、ホテル街の外れに差し掛かる。
俺はウィンカーを出しながら訊いた。

「こんなおばさんでも、ほんとにいいの?」

「細身の美人で、たまらないです」

そのとき、彼女がふっと、肩の力を抜いたように息を吐いた。
まるで、何かのタガが静かに外れていくようだった。

駐車場に車を停め、ドアを開ける。
ヒールの音がアスファルトに響き、彼女のスカートの裾がふわりと揺れる。

ホテルのエレベーターの中、無言のまま、俺たちは並んで立っていた。

音もない密室。
数字がひとつずつ上がっていくたびに、どこか身体の中の温度が、静かに上昇していった。

そして、部屋の扉が開いた瞬間、彼女の香りが、空間全体を支配した。

——この匂い、知ってる。
でも、なぜかは、まだ思い出せなかった。

【第2幕:指が、舌が、理性をほどいてゆく】

——触れてはいけない場所に、最初に触れたのは、彼女の視線だった。

ホテルの部屋に入った瞬間、彼女はゆっくりとサンダルを脱いだ。
かかとの丸みが、繊細な筋を描いて立ち上がり、膝、太ももへと続いていく。
スカートの裾がかすかに揺れ、そこから伸びる脚が、まるで午後の光のように柔らかくて眩しかった。

ソファに腰をかけると、彼女は軽く膝を組み、脚を斜めにずらした。
その仕草が、あまりに自然で、そしてあまりに“誘って”見えた。

沈黙が数秒、濃密に流れた。
テレビもつけない。カーテンも少しだけ開けたまま。
その中で、俺はゆっくりと彼女の脚に手を置いた。

「……エッチね」

そう言いながらも、彼女は逃げなかった。
脚は細いのに、触れると熱を持っていて、内腿に近づくほど柔らかく、汗ばんでいた。

「脚、ほんと綺麗ですね」

「ううん、オッパイがないから……これくらいしか、出せるものないの」

そう囁く声が、やけに艶を含んでいた。
ブラウスの第一ボタンがいつの間にか外れ、鎖骨の間に汗の粒が光っていた。

「じゃあ……出せないもの、見せてくれる?」

俺の指が、スカートの内側を這うと、彼女の脚がほんの少し開いた。
まるで自分でも気づかないまま、身体が欲望のほうへ傾いていくように。

「……恥ずかしいよ」
そう言いながらも、彼女の身体は止まらなかった。

ブラウスの中に指を忍ばせると、柔らかな膨らみの先端が指に触れた。
小ぶりな乳房。それでも、指先で撫でるたび、彼女の呼吸が変わるのがわかる。

「んっ……ぁ……」

吐息が、湿った音を含む。
指で円を描きながら、ゆっくりと乳首を擦ると、身体が小さく震えた。

キスをした。
最初は軽く、そして徐々に舌を絡めるように。
彼女の舌は熱く、濡れていて、柔らかく、どこか懐かしい味がした。

「……ベッド、行こうか」

そう言ったのは、彼女のほうだった。

ベッドに横たわる彼女の胸元から、ブラがずらされ、乳首が露わになる。
触れるたび、吸いつくたびに、小さな震えと熱が伝わる。

スカートの奥へ手を伸ばすと、彼女の下着はすでに湿っていた。
指先でなぞると、そこからさらに濡れが滲み出してくる。

「もう……そんなに?」

「だって……」
そう言いかけた彼女の唇に、もう一度キスをする。

下着をゆっくりと脱がせ、脚を開かせる。
彼女は一瞬、手で隠そうとしたが、俺が舌を這わせた瞬間、その手がシーツを握りしめた。

「……やだ……そんなとこ、舐めたら……」

けれども、舌先でクリトリスを撫で、奥へ、柔らかな襞の間を縫うように舐め回すと、彼女の腰が浮く。

「……あっ……だめ……そこ……」

声が甘く濁り、腰が震え、快楽の波が彼女の背骨を伝っていく。
じんわりと滲んだ愛液が、舌先を濡らす。
その味は、どこか甘酸っぱく、彼女だけの匂いがした。

「……ねぇ……もう、我慢できない……」

そう呟くと、彼女は俺のズボンに手をかけた。
トランクスの奥から露わになったものに、指を添え、じっと見つめる。

「……大きくなってる……触ってもいい?」

俺は頷いた。

彼女はゆっくりとそれを掌に包み、舌先で先端をなぞった。
息を吹きかけながら、湿った口内に迎え入れる。

——それは、テクニックではなかった。
でも、想いがこもっていた。熱があった。
舐める、吸う、吐息を混ぜる、そのすべてが愛撫になっていた。

「尚美さん、それ……続けたら……出ちゃいそう……」

そう言うと、彼女は唇を離して、笑った。

「ダメよ。今日は……奥まで欲しいの」

そう囁いて、ベッドに仰向けになった彼女の脚が、俺を誘うように開かれた。

——その身体の奥に、どんな記憶が眠っているのか。
まだ俺は、知らなかった。

けれど、その湿度と熱と震えに触れたとき、
もう戻れないと思った。

【第3幕:記憶の奥で、先生が濡れていた】

彼女の中に深く沈み込んでいた。
ベッドの上、白いシーツの波紋のなかで、俺たちは脚を絡め、ぬめるほどに濡れた音を奏でていた。

「……あっ……ああ、んっ……」

恵——“尚美”と名乗っていた彼女は、吐息を押し殺すように喘ぎながら、俺の腰を脚で縛るように締めつけてくる。
中は熱く、ぬるく、まるで俺を忘れさせないように、舌のようにうねる。

けれど、そのときだった。

ふと漏れた彼女の独り言。
「こんなに……されちゃったら、生徒だったなんて……思えない……」

——生徒?

心の中に、電気が走る。
その瞬間、散りばめられていた記憶が、繋がった。

甘くて、少しだけ粉っぽい香水。
あの声。
あの瞳の奥の、どこか教師らしい律儀さ。
そして——名前。

「……先生だったんですか?」

彼女の喘ぎが止まった。
そして、震えたままの瞳が、俺を見た。

「……やっぱり……気づいたのね」

ゆっくりと抜けていった理性の代わりに、羞恥と快楽が、彼女の頬を染めていく。
逃げようとしたその腕を、そっと掴んで俺は囁いた。

「○寺恵先生。中1の時、1年だけ副担で来てた……覚えてますか?」

彼女は何も言えず、唇を噛んで首を振った。

「俺……言ったんですよ。テストで90点とったら、先生の胸、触らせてくれって。覚えてません?」

彼女の顔が、音を立てるように赤くなる。
そして——

「……あのエッチな子……あなただったの……」

震えるように呟いたあと、彼女の中がギュッと締まり、俺のものを絞るように脈打った。

「嘘でしょ……どうして……そんなに痩せて……全然……わからなかった……」

「先生こそ……全然変わってなかった。声も、脚も……そのお尻も」

そのまま俺は、ゆっくりと腰を打ちつけた。
中が、熱を帯びて蕩ける。
恵先生が、目を潤ませながら、俺にしがみつく。

「こんなの……ダメなのに……生徒に……身体、奪われちゃった……」

「先生のほうが……先に濡れてたんじゃないですか?」

「ちが……う……っ、でも……あのとき、もし90点だったら……どうなってたんだろ……」

「たぶん……今日と、同じですよ」

俺は彼女をベッドに押し倒し、深く突き入れた。
クチュッ、クチュッと肉がぶつかりあう音。
さっきまでの“人妻”だった尚美は、もうそこにはいなかった。

いるのは、あの教室で見上げていた背中が、俺の下で喘ぎ、乱れ、名前を呼んでいる現実だった。

「先生……壊していいですか?」

「うん……お願い……壊して……生徒の全部、私の中に……ちょうだい……!」

腰が跳ねる。
突き上げるたびに、彼女の髪が乱れ、胸が揺れ、声が漏れる。

「だめっ……だめぇ……奥……来てる……もう……もう……!」

彼女の膣が限界を迎え、俺の興奮も頂点へと達していた。
瞬間、深く、奥へ、すべてを吐き出した。

「っ……あああああ……あああ……すご……ぃ……!」

彼女は震えながら俺を抱きしめ、涙まじりの笑みでこう呟いた。

「……いけない子ね……こんなに……教えられてる……」

息が混ざり合い、ふたりの体温が交じり合い、
もう、どこがどちらの境界かも、わからなくなっていた。

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