憧れの美人秘書が社長に犯●れているのを目撃!! 絶対に許せない!!と思ったのに…勃起が収まらず、おこぼれSEXさせてもらう最低な僕。 明日葉みつは
【第1部】社長室の灯りが消えない夜──美人秘書と社長の関係に気づいた瞬間
その夜も、社長室の灯りだけが、ビルの最上階でぽつんと浮いていた。
ほかのフロアはとっくに真っ暗で、エレベーターホールに映る自分の顔は、残業の疲れと、言いようのない苛立ちでくすんで見えた。
社長秘書の明日葉さんは、入社当時から僕の憧れだった。
ほどよく落ち着いたメイク、すこしタイトなスカート。電話口での柔らかい声。社内のどんな理不尽な空気も、彼女の笑顔ひとつでなだめられてしまうような、不思議な存在感を持った人だった。
飲み会の帰り道、同期に冷やかされながら「いつか絶対、口説いてやる」と酔った勢いで宣言したこともある。
彼女の指先がメモをとるときの動き、資料を渡すときにわずかに香るシャンプーの匂い。そのすべてを、僕は心のどこかで「まだ誰のものでもない」と信じ込みたかった。
──でも、その夜。
僕は、その幻想が粉々に砕ける光景を目撃することになる。
最後のメールを送り終え、PCをシャットダウンし、帰ろうとしてふと上を見上げる。
大会議室のガラス越しに、社長室のドアが半分だけ開いているのが見えた。細い隙間から、蛍光灯とは違う、間接照明のようなやわらかい光が漏れている。
あの時間に、まだいるのは社長と……明日葉さんだけのはずだ。
胸の奥がざわつく。
帰ればいいのに、足は勝手にフロアの端、社長室が見下ろせるガラスの向こうへと向かっていた。
視線を凝らすと、社長室の中で、社長が立っている背中が見えた。その少し手前、ソファに腰かけているのは──明日葉さん。
ジャケットを脱ぎ、いつもより数センチ多く肌を見せるブラウス。
社長は、彼女の肩にそっと指を添え、何かを囁きかけている。
距離が近い。仕事の相談をする距離じゃない。
胸に焼けるような痛みが走る。
(まさか……)
視線を逸らせば、何も見なかったことにできる。
でも、僕は逸らせなかった。まるで、わざと火傷しようとしているみたいに、その隙間から目を離せなかった。
やがて、社長がゆっくりと身を屈める。
ソファに座る明日葉さんの顔が見える角度になり、彼女の唇が、かすかに開いた。
その上に、社長の口元が重なる。
頭の中で、何かがはっきりと音を立てて崩れた。
(キスしてる──)
耳鳴りがした。
ありえない、と思う一方で、妙な納得が同時に押し寄せてくる。
社内でも一目置かれる若い社長と、有能で美人な秘書。
ドラマみたいな組み合わせを「現実にあるわけない」と笑っていたのは、僕だけだったのかもしれない。
「……最悪だな、俺」
喉の奥でそう呟きながら、目が離せない。
明日葉さんの手が、社長の胸元に軽く添えられ、その指が、ためらうようにシャツの布地をなぞる。
嫌がっているようには見えなかった。
むしろ、誘うような、受け入れるような、どこか甘えた仕草にすら見える。
(なんでだよ……なんで、あの人が……社長なんかと)
「なんか」という言葉に、自分の醜い嫉妬がにじむ。
社会的な地位も、年収も、色気の纏い方も、なにもかも自分とは違う男。その胸にすがるように身を預けている彼女を見つめながら、肺の中に溜まる空気が重く沈んでいく。
逃げるようにガラスから離れかけたそのときだった。
ふいに、社長室の中で明日葉さんが、こちらのほうを見上げた。
鈍い反射のせいか、錯覚かもしれない。だけど、僕にははっきりと、彼女の視線が、ガラス越しの僕を正確に捉えたように感じられた。
その瞳が、驚きではなく──どこか、微笑んでいるように見えた。
体の芯が、ぞくりと震えた。
見られているのは、僕のほうなのに。
まるで、「見ていてもいいよ」と、許可されたみたいだった。
胸の奥に溜まった妬みと惨めさが、じわじわと熱へと姿を変えていく。
(……何やってんだ、俺は)
なのに、体は言うことを聞かない。
指先がじんじんと痺れ、下腹部に、どうしようもなく意識が集中していく。
社長の横顔が、薄く笑ったように見えたのは気のせいだろうか。
次の瞬間、社長は彼女の耳元に口を寄せ、何かを囁き、そして、彼女はゆっくりと頷いた。
その瞬間から、もうこの夜は、ただの「不倫現場を目撃してしまった可哀想な部下」の時間ではなくなった。
もっと、ねじれた、後戻りできない方向へと、静かに転がり始めていた。
【第2部】「見てたの、わかってましたよ」──嫉妬と欲望がからみ合う誘いの言葉
翌日、オフィスの空気はいつもどおりで、むしろ腹が立つくらい、何も変わっていなかった。
社長は朝からクライアントとの打ち合わせで外出しており、フロアには規則正しくキーボードの音と電話のベルが鳴っている。
ただひとつだけ違ったのは──僕の胸の内側が、ずっとざらざらと痛み続けていることだった。
会社のエレベーターで何気なく映る自分の顔は、ひどく不機嫌そうで、目の下には薄いクマができている。
眠れなかった。目を閉じるたびに、あの社長室の光景が、焼き付いた映像みたいに蘇る。
キスしていた。
触れていた。
そして、あのとき──彼女は、こっちを、見た。
「おはようございます」
デスクに座ろうとしたタイミングで、明日葉さんの声が、すぐ横からふわりと落ちてきた。
いつもの、あの柔らかいトーン。ただ、それだけで心臓が一段強く跳ねる。
「き、昨日は、お疲れさまでした」
声が少し裏返ってしまう。自分でも笑ってしまいたくなるくらい、わかりやすく動揺していた。
「遅くまで残ってましたよね。窓のほうに、ちらっと影が見えたから」
その言葉に、全身の血が一瞬で逆流した気がした。
明日葉さんは、穏やかな笑みを崩さない。
まるで、天気の話でもしているみたいに、淡々とした声で続けた。
「……見ちゃいました?」
その問いかけは、責めるでも、怯えるでもない。
むしろ、秘密を共有する仲間にだけ向けるような、くすぐったい響き方をしていた。
喉がからからに乾く。
「い、いえ……その……」
否定しようとして、うまく言葉が出てこない。
昨日の光景が脳裏にフラッシュバックし、指先に汗が滲む。
そんな僕の様子を眺めながら、彼女は小さく笑った。
「ふふ。……大丈夫ですよ。怒ってませんから」
怒るのは、こっちのほうだろう。
心の中でそう突っ込みながらも、声にはならない。
しばらくして、昼休み前。
社長からの内線に呼ばれ、会議室に資料を運ぶことになった。
指定されたのは、最上階、社長室の隣にある小さめの打ち合わせルーム。
ドアを開けると、社長が窓際に立ち、その少し離れた椅子に、明日葉さんが座っていた。
ふたりだけ。昨日と同じ組み合わせ。
「すみません、お待たせしました」
なるべく視線を泳がせないように資料を机の上に置く。
社長は受け取ると、にやりと、意味ありげな笑みを浮かべた。
「おう、昨日も遅くまで頑張ってたらしいな」
背筋に、冷たい汗が伝う。
その言い方は、仕事のことだけを指していない気がして、思わず社長の目を直視する。
その視線は、獲物を値踏みするみたいにどこか楽しげで、こちらの動揺を測っているのがありありとわかった。
「……はい。まあ、ちょっと」
曖昧に笑ってごまかそうとしたとき、社長は言葉の調子をわずかに落とした。
「昨夜、上からの景色はどうだった?」
心臓が、どくん、と跳ねる。
言葉の意味を理解するのに、一瞬の間が必要だった。
上からの景色──ガラス越しに見た社長室。
そのことを、あっさりと口にされるとは思っていなかった。
答えられずに黙っていると、社長は愉快そうに笑った。
「隠さなくていいよ。わざと、見えるようにしてたからな」
明日葉さんの肩が、わずかに揺れる。
彼女は視線を落としていたが、その頬がすこしだけ赤くなっているのが、横顔からでもわかった。
「社長……」
彼女が小さく制するように名前を呼ぶ。しかし、その声には、強い拒絶の色はない。
むしろ、どこか、諦めと、甘えが混ざっているように聞こえた。
「なに。本人にちゃんと聞いたほうが早いだろ?」
社長は椅子にどっかりと腰かけ、こちらを見上げる。
その目は、命令を告げる上司のそれではなく、新しい遊びに誘う大人の男の視線だった。
「なあ。……興奮しただろ」
胸の奥の、触れてはいけない部分を、指でつつかれたみたいだった。
否定したい。でも、嘘はつけない。
昨夜の自分の体の反応を、僕自身が一番よく知っている。
喉を通った唾がやけに重く感じられた。
沈黙が、答えの代わりになる。
社長はにやりと笑い、明日葉さんに視線を向けた。
「ほらな。俺が言ったとおりだ。こいつ、きっと真面目な顔して、あっちで固くなってたぜ」
「社長……そんな言い方……」
明日葉さんは困ったように眉を寄せる。それでも、完全には否定しない。
彼女の指先がスカートの裾をぎゅっとつまみ、その仕草が逆に、この状況に対する戸惑いと、どこか後ろめたい興奮を物語っていた。
「……僕は」
ようやく搾り出した声は、自分でも驚くほど掠れていた。
「僕は、ただ……びっくりして」
「それだけか?」
社長の問いかけは、鋭くも優しい刃物みたいだった。
嘘をつけば、笑われる。
正直に言えば、自分の醜い欲望をさらけ出すことになる。
しばらく迷ってから、僕は目を逸らし、ほとんど聞き取れない声で言った。
「……目が、離せませんでした」
部屋の空気が、すっと変わった気がした。
社長は満足げに頷き、指でテーブルを軽く叩く。
「いい正直さだ。俺はそういうやつ、嫌いじゃない」
そう言うと、社長は明日葉さんのほうへ手を伸ばし、彼女の背中をそっと押した。
彼女は一瞬だけ驚いたように目を丸くし、それからゆっくりと立ち上がる。
「……どうしますか、社長」
その問いかけは、形式的な確認ではなく、自分自身の心拍を確かめるような声音だった。
社長は椅子にもたれ、奥のソファを顎で指し示した。
「決めるのは、お前だよ、明日葉。……昨夜、あいつに見られてるって気づいたとき、お前、嫌じゃなさそうだった」
「……っ」
彼女の頬が、さらに赤く染まる。
その沈黙こそが、何より雄弁だった。
「もし、お前が嫌じゃないなら──今日は、あいつも混ぜてやろうか」
息が止まった。
言葉の意味は理解できるのに、現実感が追いつかない。
「ちょ、ちょっと待ってください。僕は、そんな……」
慌てて手を振るが、その仕草すら、どこか滑稽に感じられる。
心のどこかで、ありえない提案に対する「恐怖」と「期待」が、同じ強さで肩を並べてしまっていた。
明日葉さんは、しばらく社長と僕の顔を交互に見つめていた。
その瞳の奥で、いろんな感情が交錯しているのがわかる。
しがらみ。
秘密。
欲望。
そして、僕に向けられた、ささやかな好奇心のようなもの。
「……もし、彼が嫌じゃないなら」
やがて、彼女は静かに口を開いた。
「昨日の続き、見られても、いいです」
その一言で、部屋の温度が一気に上がったような気がした。
喉が、火照る。
「ただし」
彼女は僕のほうをまっすぐ見つめる。
「無理に巻き込まれたくないなら、ここで帰ってください。……後悔するかもしれないし、明日から、私たちを見る目が変わってしまうかもしれないから」
そう言いながら、柔らかく微笑んだ。
その笑顔は、同時に、優しさと残酷さを孕んでいた。
「それでも、ここに残るなら──」
彼女は一拍置き、言葉を選ぶように続ける。
「今日のことは、全部、あなたの“意思”ってことにさせてもらいますね」
自分の掌を見下ろす。
爪が食い込むほど強く握りしめていたことに、そのとき初めて気づいた。
逃げるなら、今だ。
ドアを開けて、この部屋から出て、エレベーターに乗って、何事もなかった顔で明日からの仕事をこなせばいい。
でも──もう、戻れないところまで来ている気がした。
昨夜の光景を見た瞬間から、僕はすでに、この「ゲーム」に片足を突っ込んでしまっていたのかもしれない。
息を深く吸い、そして、ゆっくりと吐き出す。
それから、僕は自分でも驚くくらい澄んだ声で言った。
「……帰りません」
その答えに、社長が満足げに笑い、明日葉さんは、どこか安堵したような、でも少しだけ震えた笑みを浮かべた。
三人の視線が、静かに絡み合う。
そこから先の夜は、もう、誰も「ただの同僚」には戻れない時間になるのだと、なんとなく理解していた。
【第3部】三人で崩れる境界線──嫉妬が快感に変わる瞬間と、その甘い余韻
社長室のドアが、内側から静かに閉められた。
カチリ、と小さな音が鳴り、それが合図のように、部屋の空気が少し重たく変わる。
ブラインドが、上からゆっくりと降りていく。
夜景を切り取っていた大きな窓ガラスが、少しずつ落ちてくる影に覆われ、外界との境界が、柔らかく遮断されていく。
社長はネクタイを緩め、ジャケットをソファに置きながら、僕をちらりと振り返った。
「ここから先は、強制じゃない。嫌になったらすぐに言え。……お前が止めたら、そこで終わりだ」
その言葉が、ぎりぎりのところで残っていた良心を、かろうじて繋ぎとめてくれている気がした。
たとえ、止める勇気があるかどうかは別の話としても。
明日葉さんは、テーブルの端に手を置き、静かに立っていた。
社長が彼女の背後に回り、肩にそっと触れる。その仕草は、いつもの職場での「秘書」と「上司」の距離感とはまるで違う、親密さを孕んだものだった。
「ねえ」
不意に、明日葉さんが僕の名前を呼んだ。
こんな密室で、こんな低い声色で呼ばれたのは初めてかもしれない。
「さっき、“目が離せませんでした”って言いましたよね」
ゆっくりとこちらを振り向き、その瞳が、まっすぐに僕を射抜く。
「……今からも、ちゃんと見ててくれますか」
その問いかけは、命令ではなく、お願いでもなく──どこか、告白に似ていた。
自分のいちばん恥ずかしい部分を、誰かに預けるときの、かすかな震えを帯びていた。
「……はい」
声が震える。
でも、その一言は、確かに自分の意思だった。
社長は、彼女の耳元に何かを囁く。
そのたびに、明日葉さんの肩が、びくりと小さく揺れる。
耳朶に触れた吐息が伝わるのか、彼女の首筋がゆっくりと紅く染まっていく様子が、少し離れた場所からでもわかる。
彼女のブラウスのボタンが、ひとつ、またひとつと外れていく。
その動きは決して乱暴ではないのに、見ているこちらの鼓動だけが、どんどん速くなっていく。
社長の手は慣れた動きで、彼女の背中をすべり降り、腰のラインを辿りながら、ゆっくりと抱き寄せる。
ソファに押し倒すような激しさではなく、あくまで、「抱きしめる」という形を崩さない。
なのに、その距離感が、異様に艶めかしく見えた。
「……顔、逸らさないでくださいね」
明日葉さんの声が、かすかに震えながらも、はっきりと耳に届く。
彼女の瞳と視線が合った瞬間、自分の中の嫉妬が、別の感情へと形を変えはじめるのがわかった。
彼女が誰かに抱かれている。
それをこんな間近で見せつけられているのに──なぜか、「奪われた」という感覚だけではなかった。
社長の手が彼女の髪を梳き、横顔にそっと触れる。
そのたびに、彼女は小さく息を詰め、微かな声を漏らす。
その音は、苦しみではなかった。
どこか、安堵と、甘やかな痺れが混ざったような響きだった。
胸が締め付けられる。
この音を、昨日までの僕は知らなかった。
仕事中に見せる笑顔の裏に、こんな表情と吐息が隠れていたなんて──バカみたいに、何も知らなかった。
嫉妬が、静かに別の熱へと変わっていく。
それは、彼女の知らない部分を垣間見てしまった興奮と、そこに自分も触れてみたいという、抑えきれない欲望だった。
社長は、ふいに彼女から手を離し、こちらを振り返った。
「なあ」
その声は、さっきまでとは少し違う。
どこか、様子を伺うような、慎重さを帯びている。
「ここまで見て、やっぱり“無理だ”と思うなら言え。……本当にやめるから」
訊かれているのは、僕の理性じゃない。
おそらく、もっと低い位置にある、むき出しの欲求そのものだ。
明日葉さんが、そっと僕の名前を呼ぶ。
その瞳は、助けを求めているようにも見えるし、「来て」と誘っているようにも見えた。
僕は、一瞬だけ目を閉じる。
そして、ゆっくりと頭を横に振った。
「……やめたい、とは思いません」
その告白が合図になったかのように、社長の顔にわずかに満足げな色が浮かび、明日葉さんは、ほっとしたような、でもどこか切なげな笑みを浮かべた。
ソファの縁に腰を下ろすと、彼女の香りがすぐそばに満ちる。
緊張と、香水と、微かな汗の匂いが混じり合って、頭の中がぼんやりとしてくる。
「手、貸してくれますか」
明日葉さんが、そっと手を差し出してくる。
その瞬間、僕はもう逃げる気持ちを完全に失っていた。
指先が触れ合うと、電気が走ったみたいに、肌がびりっと痺れる。
ただ手を繋いでいるだけなのに──それ以上のことは、まだ何もしていないのに──胸の鼓動はすでに限界まで速くなっていた。
社長は、そんな僕らの様子を眺めながら、低く笑う。
「嫉妬はさ。……時々、いいスパイスになるんだよ」
その言葉どおり、この夜のすべては、嫉妬から始まった。
でも今、僕の中で渦巻いているのは、「奪われた」怒りではなく、同じ場所に立つことを許されたような、不思議な高揚感だった。
彼女と、社長と、僕。
三人の距離が、ゆっくりと、けれど確実に近づいていく。
肩が触れ合い、腕が絡まり、息が混じり合う。
何かが始まり、何かが終わり、もう二度と元の関係には戻れないと理解しながら、それでも、その渦の中に身を投げ出さずにはいられなかった。
その夜、社長室という密室で交わされた約束と快楽は、誰にも知られることはない。
翌朝、僕らは何事もなかったかのようにデスクに座り、メールを送り、電話を取り次ぐ。
外から見れば、相変わらず「若い社長」と「有能な美人秘書」と「平凡な部下」にしか見えないだろう。
でも、僕らだけは知っている。
あの夜、嫉妬は、ただの醜い感情ではなく──
三人を同じ場所へと引きずり下ろし、そして、ひとつの秘密で結びつける、甘くて危うい引き金だったことを。
【まとめ】嫉妬が教えてくれた“本当の欲望”──背徳の三角関係から学んだこと
あの夜から、僕の世界は少しだけ、色を変えた。
美人秘書に恋をしていた「真面目な部下」としての自分は、確かにどこかで終わってしまったけれど、代わりに、もっと正直で、もっと醜くて、もっと人間くさい自分と向き合うことになった。
嫉妬は、ずっと避けたい感情だった。
誰かと自分を比べて、劣等感に押し潰されるだけの、みっともない感情だと思っていた。
でも、あの夜、社長室の隙間から目を離せなかったあの瞬間から、嫉妬は別の姿を見せ始めた。
それは、心の底に眠っていた「本当はこうしたい」「本当はこうされたい」という欲望を、強引に炙り出す火種みたいなものだった。
美人秘書と社長の密やかな関係に気づき、激しく傷ついた自分。
その一方で、その光景から目を逸らせず、体の奥から湧き上がる興奮を止められなかった自分。
どちらも偽りじゃない。
どちらも、僕の中に確かに同居している感情だった。
そして、その矛盾に正直になったからこそ、三人の関係は、ただの「不倫」や「裏切り」ではない、もっとねじれた、不思議な形に変化していった。
もちろん、こんな体験を誰にでも勧めるつもりはない。
倫理的にも、社会的にも、褒められたことではないと自覚している。
それでも──
あの夜、明日葉さんに「今からも、ちゃんと見ててくれますか」と言われ、
社長に「本当に嫌ならやめる」と念を押され、
それでも僕は、自分の意思で「帰りません」と答えた。
その選択だけは、誰に責められても、僕自身のものだ。
嫉妬は、相変わらず苦くて、時々、胸を締め付ける。
でも今の僕は、その苦さの奥にある熱を、少しだけ愛おしいと思ってしまうようになった。
あの夜、社長室で崩れたのは、
「憧れの美人秘書は、いつか自分だけのものになるはずだ」という都合のいい幻想と、
「自分は綺麗な感情だけで誰かを好きでいられる」という、もっと都合のいい自己イメージだった。
残ったのは、もっと生々しくて、もっと危うくて、
でも、たしかに「生きている」と実感させてくれる鼓動だけだ。
社長室の灯りは、今もときどき遅くまでついている。
そのたびに胸の奥がざわつき、あの夜の匂いと熱が、ふっと蘇る。
嫉妬は、もう「敵」ではない。
あの夜、僕の人生をねじ曲げ、同時に解放してしまった、ひとつの合図だ。
──あのとき、目を逸らさなかった自分と、
──あのとき、「帰りません」と答えた自分に。
今の僕は、ほんの少しだけ、感謝している。




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