🌧第一章:湿度と記憶が、私の奥を濡らす
――平日の新宿、午後1時。雨上がりの構内で再会した、あの人。
結婚6年目。34歳。職場は品川、家は世田谷。
最近はセックスレスという言葉に対しても、反応しない自分がいた。
蒸し暑い昼、私は新宿駅の構内を、地下道に流れるように歩いていた。マスクを外したとき、目の前にいたのは――航平。
大学時代、2年付き合っていた元彼。浮気も喧嘩もなかったけれど、社会人になるというだけで別れた相手。
「……奈緒?」
「え……嘘。航平……?」
10年ぶり。彼の瞳は相変わらず深くて、真っ直ぐに私を見つめてくる。
どこか気まずさを感じつつも、私の心の奥にしまいこんでいた湿った何かが、彼の視線で滲み出していく。
「ちょっと、時間ある?」
口が勝手に動いていた。
誘ったのは、私の方だった。
🔥第二章:個室の鍵が閉まる音と、心の境界線の崩壊
――奥まで届いたのは、彼の熱と、私の欲。
人混みを抜け、エレベーターで5階まで。
駅ビルの多目的トイレ。鍵を閉めた瞬間、彼の腕が私の腰に回り、背中が壁に押しつけられた。
「……ずっと、触れたかった」
耳元で囁かれた瞬間、私は首を傾けて唇を差し出していた。
すぐに舌が絡み、呼吸が熱を帯びる。
彼の手が、スカートの下に潜り込んだ。
指先が太ももを撫で、下着の縁に触れた瞬間、体がピクリと震える。
「もう、こんなに……濡れてる」
囁かれながら、布越しに敏感な部分を撫でられ、思わず腰が浮く。
電車の走る音、アナウンスの声。
それらすべてが遠のいて、私の世界には彼の指と、熱、そして自分の喘ぎだけがあった。
下着を横にずらされ、濡れた粘膜に指が沈んでくる。
柔らかく、深く、すでに息が漏れていた。
「んっ、んぅ……っ」
奥をかき混ぜるように動く指。
膣内がきゅっと収縮して、彼の動きを迎え入れてしまう。
ヒールのかかとで床を探り、体が勝手に彼の手に押し付けられる。
「声、我慢して……誰か来るかもしれない」
「……そんなの、無理……っ」
彼の唇が首筋に落ち、ブラウスのボタンがひとつ外される。
レースのブラの中に手が入り、乳首がつままれた瞬間、視界が真っ白になった。
「ねえ、入れて……もう、奥が疼いて……」
パンツのチャックが下ろされ、彼の熱があらわになる。
一瞬、ためらいかけたけれど、私の方から太ももを開いていた。
脚を絡めて、腰を引き寄せた。
「……奈緒、濡れすぎて……すぐ、入る」
そう囁かれた直後、あついものが私の奥に押し込まれた。
一度で、奥まで。
「っ……あ、ああ……っ」
たぷんと音を立てて迎え入れた自分の体に驚きつつ、腰を突き上げてくる彼に応じて、膣奥がずぶずぶと押し広げられていく。
浅く抜いては、深く、深く。子宮の入り口に触れるたび、視界がにじむ。
「動かないで……そのまま、突き上げて……」
ひとつの波が腹の奥から生まれ、快感となって背筋を駆け上がる。
私は爪を彼の背中に立て、足を強く絡めた。
生々しく響く水音と、吐息。
押しつけあうような欲と欲の音。
「イきそう……やだ、もう、だめっ」
体が跳ねて、膣内がぎゅっと痙攣した。
彼の熱が私の奥に注ぎ込まれるのを感じながら、私は声を殺して絶頂した。
🌫第三章:静けさのなかで、自分の奥に触れていた
――罪ではなく、覚醒。私は、私を取り戻していた。
「……夢みたいだったな」
「うん……でも、全部覚えてると思う」
着崩れたブラウスのボタンを留めながら、私は鏡の中の自分を見た。
艶の戻った頬、火照った唇、膝の微かな震え。
それは“妻”ではなく、“女”としての私の顔だった。
「また会おうか」
「……やめてよ、そんなの、期待しちゃう」
彼と別れて一人になった帰り道、私は下着の中でまだ濡れている感触を意識しながら歩いていた。
後悔よりも、自分の奥に沈んでいた何かが目を覚ました感覚のほうが強かった。
快楽は、一瞬だった。
でも、その余韻は、今も、私の中で鼓動している。



コメント