【第1部】カーテンの隙間に潜む予感──人妻と大学生の視線が交わる午後
蝉の声が、天井から滴るように降りそそいでいた。
夏休みの平日、夫は会社へ、子供たちはそれぞれの世界に散って行き、家はまるで殻だけを残したように静かだった。時計の針が午後を告げる頃、私は寝室の掃除を始めていた。
45歳、人妻。鏡に映る自分の姿をふと見れば、汗で張りついたTシャツが体の線を浮き立たせ、ショートパンツから伸びる脚は、年齢を重ねてもなお形を失わずにいることに気づく。薄着で動くのは暑さのせいだが、どこか自分の肉体を確認したい欲望が含まれていた。
窓を開け放てば、熱風がカーテンを大きく揺らし、夏の匂いが肌にまとわりつく。寝室の窓は、ちょうど隣家の息子の部屋と向かい合っていた。彼は大学生──188センチの長身で、隣の奥さんが誇らしげに語る自慢の息子。成績は優秀、バスケットボール部で活躍し、近所の大人たちからも「立派だ」と囁かれている。
だが、私にとって彼は単なる「隣人の息子」ではなかった。
見られている、という予感
カーテンの隙間を直すとき、不意に射し込む視線を感じることがあった。見られているのではないか。そう思うと胸の奥がざわめき、呼吸が浅くなる。
「まさかね……」
そう心の中で否定しながらも、汗で透けたTシャツを手で押さえる仕草は、どこか見せつけているように思えた。
私は掃除機の音を消し、ふと耳を澄ませた。外では蝉が鳴き続けている。けれど、それ以上に強く響いていたのは、自分の心臓の音だった。汗が鎖骨をつたい落ちる感触に、視線の熱が重なるような錯覚。
──もし、本当に彼が覗いているのだとしたら。
その想像は、私の中の何かを解き放ち始めていた。
隣人の息子という存在
彼のことを、私は何度も耳にしてきた。隣の奥さんが笑顔で話すときの誇らしげな表情が忘れられない。
「うちの子、また試合で活躍したのよ」
「成績もトップクラスで、先生からも褒められてて」
そのたびに、私は「立派なお子さんですね」と答える。だが心の奥底では、彼をただの「優秀な大学生」として見られなくなっていた。
バスケットボールのユニフォーム姿で家に帰る彼を、玄関先で偶然見かけたことがある。濡れた髪から滴る汗、日焼けした腕の太さ。若さと力に満ちた身体が一瞬視界をかすめただけで、胸が詰まった。
──あれが、窓の向こうにいる。私を覗いている。
そう思うと、背筋がぞくりと震えた。
眠っていた欲望
「私……どうして、こんなふうに考えてしまうの?」
自分に問いかけながら、掃除を続ける手はどこか落ち着かない。ベッドメイキングのためにシーツを直し、ふと腰を下ろす。額から汗が滴り落ち、Tシャツが背中に貼りつく。
夫との夜はもう数えるほどしかなかった。忙しさを理由に、求められることもなくなった。45歳という年齢は、まだ女であることを感じていたいのに、触れられない時間がその感覚を鈍らせていく。
だからこそ、たとえ「覗かれているかもしれない」という曖昧な予感でも、私の内側を潤すには十分すぎた。
「見られている……」
そう思うだけで、体の奥がじわじわと熱を帯びていく。羞恥と興奮が入り混じり、胸の頂が硬くなっていくのを自覚する。
カーテンが揺れる瞬間
そのときだった。風もないのに、カーテンがふっと揺れた気がした。私は息を呑み、窓の方へ目をやった。
──確かに、隣の窓の奥に、影が動いた。
「……やっぱり」
声にならない呟きが漏れる。彼の影は、カーテンの隙間からこちらを見ているように感じられた。
羞恥が全身を駆け抜ける。それでも目を逸らすことができなかった。逆に、見られていることを意識すればするほど、身体は震え、熱を帯びていく。
私は、わざと窓辺に近づき、カーテンを半分だけ閉めた。残された隙間から、彼が確かに存在していると感じられる。
「……見えてるの?」
唇が、声にならない問いを形作った。答えは返ってこない。けれど、カーテンの奥の影が動いた気がした。
心臓の鼓動は、蝉の鳴き声をかき消すほど激しくなっていた。
見せるか、隠すか
私はベッドの縁に腰を下ろし、乱れた呼吸を整えようとした。だが胸の奥は、すでに落ち着きを失っていた。脚を組み直すたびに、ショートパンツの裾がわずかに開き、太腿の内側が露わになる。
──もし、これが見えてしまったら。
そんな想像に、喉の奥が乾いた。
「いや……だめ」
そう呟きながらも、指先は無意識に裾を引き下ろそうとせず、逆に少しだけずらしていた。羞恥と欲望がせめぎ合い、理性と衝動が交錯する。
私は気づいていた。
これは、彼との心理戦なのだと。
彼と私を隔てるもの
わずかなカーテンの隙間。数メートルの距離。それだけが、彼と私を隔てている。
「見られているかもしれない」
「見せたい」
二つの感情が交錯し、私の身体を内側から震わせる。
その午後、私は確信してしまった。
──隣の大学生は、私を覗いている。
そして私は、それを止めたいどころか、むしろ望んでいるのだ、と。
窓辺に立つ私の頬を、熱風が撫でていく。蝉の声は一層強くなり、世界の音を覆い尽くす。その中で、私はただ、彼の影を見つめていた。
【第2部】覗きと露出の境界線──相互自慰が始まる官能的心理戦
蝉の声は途切れることなく続いていた。けれど私の耳に響いていたのは、それとは別の──もっと粘り気を持った音だった。心臓の鼓動。喉奥で震える呼吸。汗が滴り落ちる微かな水音。そして、カーテン越しに確かに存在を感じさせる、彼の気配。
私はベッドに腰を下ろし、脚を少し開いたまま、窓辺を見つめていた。隙間から見えるのは、揺れる影。彼だ。背丈の高い、その輪郭。188センチの影が、私の小さな寝室を支配するようにそこにあった。
「見てるのよね……?」
声にはならず、唇がかすかに動くだけ。だが、影は確かに揺れ、呼吸の気配すら伝わる気がした。
羞恥と恐怖に似た高揚が、同時に押し寄せる。──見られている。そう思うだけで、胸の頂が硬くなり、熱が下腹部に沈んでいく。
カーテンの隙間が導く挑発
私はわざと、Tシャツの裾を持ち上げ、汗で貼りついた布を胸から離した。空気が触れた瞬間、乳首が敏感に反応し、全身を駆け抜ける。
「ん……っ」
思わず小さな声が洩れる。自分で驚き、唇を噛んで押し殺した。
けれど、止められなかった。
私はそのまま、ゆっくりと指先を腿へと滑らせる。汗で濡れた肌をなぞる感覚に、震えが走る。太腿の内側──ショートパンツの境界に指先が触れた瞬間、視線の熱がさらに濃くなった気がした。
「……見て」
言葉にならない願いが、心の奥から込み上げる。羞恥を超えて、欲望が表へとあふれ出そうとしていた。
視線の往復
隣の窓。カーテンの隙間。彼の影。
私はその存在を意識することで、さらに昂ぶっていく。
彼の部屋でも、同じように──。
そう思った瞬間、影がわずかに揺れた。腕の動き。肩の上下。まるで、私の想像を肯定するかのように。
「……してるの?」
口の中で、掠れるように呟く。
すると、影の輪郭が微かに上下し、確信が走った。彼も私を見ながら、自らを弄んでいる。
息が詰まった。羞恥と興奮が同時に押し寄せ、胸が破裂しそうだった。
──彼も、私と同じ。覗きと露出の境界線で、同じ欲望を重ねている。
指が濡れる
私は抗えなかった。ショートパンツの中へと指を滑らせ、熱を帯びた中心に触れた。指先が濡れを確かめた瞬間、背筋が弓なりに震えた。
「んっ……あぁ……」
声を噛み殺そうとしても、喉奥から震えが溢れてしまう。
カーテンの隙間。そこにいる彼は、確かに私を見ている。
だからこそ、隠せなかった。私は指をさらに深く沈め、欲望の源をかき混ぜるようにしてしまう。水音が指の動きと共に増していく。
彼もまた、自らを激しく握っているのだろう。その想像が、濡れを加速させた。
「見てる……あなたも、でしょ……」
唇から漏れる呟きは、熱に浮かされた告白のようだった。
相互のリズム
私は指を進めるたびに、彼の影を確認した。揺れが強くなる。呼吸が荒くなるのが、距離を隔てても伝わるようだった。
まるで、互いに合わせてリズムを刻んでいるかのように。
「はぁ……っ、だめ……」
ベッドの上で、腰が勝手に動いてしまう。脚が開き、ショートパンツがさらにずり落ちる。羞恥に頬を染めながらも、やめられなかった。
影が、大きく揺れた。その瞬間、私は自分の指の動きをさらに速めた。互いに、覗き合いながら自慰に溺れる。カーテンという薄い布を隔てて、私たちは一つの行為に重なり合っていた。
手招き
「もっと……来て……」
知らぬ間に、私は窓辺に立ち、片手でカーテンを押さえながら、もう片方の手で彼を呼んでいた。手招きの仕草。
彼の影が止まった。数秒の静止。その後、窓の隙間から確かに目が合った気がした。
羞恥が一気に爆発する。だが同時に、体の奥から燃えるような欲望が溢れ出した。
「来て……お願い……」
声にならない声で唇が動いた。
その瞬間、彼の影が窓を離れた。
──来る。
心臓が跳ね上がる。汗が滲み、指先がまだ濡れを纏ったまま震えていた。
覗きと露出の心理戦は、次の段階へ移ろうとしていた。
【第3部】招き入れた巨躯──人妻と大学生の禁断の絶頂
蝉の声が遠ざかっていくように感じた。耳に届くのは、自分の荒い呼吸と心臓の鼓動だけ。窓辺で手招きをした瞬間、隣の窓の影が消え、私は確信していた。──彼は来る。
インターホンの音を待つ間もなく、廊下を踏みしめる音が近づいてきた。緊張と期待が一気に押し寄せ、膝が震えた。ドアがノックされるより先に、私は鍵を外し、扉をそっと開いた。
そこに立っていたのは、188センチの若々しい巨躯。Tシャツ越しに張り出す胸板、熱を帯びた汗の匂い。目が合った瞬間、すべての理性は溶け落ちていった。
「……本当に、来たのね」
私の声は震えていた。羞恥とも安堵ともつかぬ響き。
「……ずっと、見てました」
彼の吐息混じりの声が、私の耳に絡みついた。
触れ合う皮膚
次の瞬間、彼の手が私の腕を掴み、背中へと引き寄せた。汗で湿ったTシャツとTシャツが擦れ合い、熱が重なり合う。
「ん……っ」
押し殺した声が喉から漏れる。胸板に頬が触れるだけで、体中に電流が走るようだった。
指先が髪をかき上げ、首筋へと触れる。夏の熱気に晒された肌は、少し触れられただけで震えた。
「だめ……こんなこと……」
口ではそう言いながらも、声は弱く、抵抗の力はすでに抜け落ちていた。
彼の唇が、私の唇に重なる。舌が触れ合った瞬間、甘い水音が生まれた。
「……ん、あぁ……」
呼吸が乱れ、頭が白く霞んでいく。汗と唾液と、夏の匂いが混じり合い、五感が一度に溶かされていく。
ベッドに沈む
私はいつの間にかベッドへと押し倒されていた。掃除の途中で整えたばかりのシーツが、彼の大きな体でしなって沈む。見上げた視界いっぱいに広がるのは、若さと力に満ちた肉体。
「こんなに……」
思わず声が洩れる。彼のTシャツ越しに感じる熱は、夫のそれよりも遥かに強く、重く、支配的だった。
彼の指が、私の太腿をなぞる。汗で濡れた肌に指先が滑り、震えが広がる。ショートパンツの裾をゆっくりと押し上げる動作に、息が詰まった。羞恥と昂ぶりで、目を逸らそうとしても逸らせない。
「見られるの、好きなんですね……?」
耳元で囁かれる。
「ちが……う……っ、でも……」
否定の言葉が最後まで言えなかった。彼の指がすでに濡れた中心に触れたから。
熱の侵入
「ん……っ、あぁ……!」
指先が私の奥を探り、熱を引き出していく。布越しの刺激だけで、腰が浮いた。
「ここ……こんなに濡れてる」
彼の声は低く、耳朶を甘く震わせた。羞恥で頬が熱くなる。けれど、止められない。
ショートパンツがするりと足元へと滑り落ち、下着が露わになる。カーテン越しに始まった露出は、いまや隠すものを失っていた。
「いや……見ないで……」
そう口にしながらも、脚は自然に開いてしまう。矛盾した仕草に、彼の吐息が熱を帯びる。
そして──。
彼の硬く熱いものが、私の内側へとゆっくり押し込まれていった。
「っ……あぁ……!」
声が堪えきれずに溢れる。身体の奥が裂けるような衝撃と、満たされる喜びが同時に押し寄せた。
絶頂の波
腰を突き上げられるたびに、ベッドが軋み、汗が飛び散る。
「や……だめ……! そんなに深く……っ」
掠れた声で抗うが、身体は逆に締めつけて応える。
「もっと……ください……」
抑えきれず、吐き出してしまう。
「気持ちいい……っ、あぁ……もっと……!」
若々しい巨躯の動きは容赦がなく、私の奥を何度も突き上げる。胸を揉まれ、乳首を吸われるたびに、喘ぎ声が止まらなくなる。
「んっ……あぁぁ……! イく……イっちゃう……!」
視界が白く弾け、全身を貫く快感が波のように押し寄せた。背筋が反り、指先がシーツを握りしめる。
「イ……く……っ!!!」
絶叫とともに、身体は震え、全てが蕩けていった。
余韻
やがて、動きが静まる。重なったまま、互いの汗が肌を伝い落ちる。蝉の声が再び耳に戻ってきたとき、私は彼の胸に顔を埋めていた。
「……夢みたい」
掠れた声で呟くと、彼は息を整えながら答えた。
「夢じゃないですよ。……ずっと、あなたを見てましたから」
羞恥が胸を締めつける。けれど、その言葉が何よりも甘美に響いた。
覗きと露出から始まった心理戦は、やがて身体の奥深くを震わせる絶頂へと変わった。
夏の午後、カーテンの隙間から芽生えた欲望は、こうして現実となり、濃密な余韻を残したのだった。
まとめ──人妻と大学生の視線から始まる禁断の濡れと絶頂の真実
夏休みの平日、静まり返った午後。
カーテンの隙間というわずかな境界線が、45歳人妻と隣の大学生を結びつけた。
最初は「見られているかもしれない」という予感。羞恥と恐怖に似た鼓動は、やがて「見せたい」という欲望に変わり、指先を濡らし、身体を震わせた。互いに覗き合い、自慰を重ねたとき、二人の心はすでに境界を越えていた。
そして彼を招き入れた瞬間、心理戦は肉体の交わりへと変貌する。188センチの巨躯と人妻の身体が重なり合い、喘ぎ声と汗が混じり合う中で、羞恥と欲望は一つになった。
「だめ……もっと……」
抑えきれない声は、禁断の絶頂を呼び覚まし、彼女を白く弾ける快楽の渦へと導いた。
──この体験は、ただの不倫や衝動ではない。
「覗き」「露出」「相互自慰」という心理戦を経たからこそ生まれた、唯一無二の官能の結晶だった。
読者のあなたも感じただろう。
視線一つ、仕草一つが、いかに人の奥底を震わせ、濡れさせ、禁断の衝動へと変えていくのかを。
それは私たちが持つ本能の真実。
そして──読むことで性感が開かれる文学の力そのものなのである。
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