【第1部】夕立に濡れた青年を招き入れた午後、私の孤独が疼きだした
昨年の盛夏。昼過ぎ、空気は肌にまとわりつくように蒸していた。雷鳴が響いたかと思うと、空は一気に裂け、激しい雨が降り注いだ。
裏庭に干したままの洗濯物を思い出して縁側に駆け出すと、軒下に一人の青年が立っていた。
二十五歳、近所に住む大学院生の悠真。童顔にまだ少し少年の面影を残すその顔は、ずぶ濡れで困惑している。
「まぁ、大丈夫? 傘、持ってなかったのね」
声をかけた私に、彼はかすかに笑い「すみません」と答えた。その瞬間、胸の奥がざわついた。
私は三十四歳。結婚七年目。不妊治療を繰り返した末、子を授かれないと知った一年後から、夫との営みはほとんど消えた。夫の帰りは遅く、時折知らない香水の匂いを纏って帰宅する夜もある。
乾いた心を抱えたままの日々に、目の前の濡れた青年の存在は、妙に眩しかった。
「着替え、貸すわ。シャワーを浴びて、温まって」
そう促す声は、自分でも驚くほど柔らかく、そしてどこか震えていた。
【第2部】濡れた身体に触れたとき、禁断の扉が開く音がした
浴室へ案内し、私は洗濯機に濡れた衣服を放り込む。ふと振り返ると、脱衣所のガラス越しに、シャワーの流れを浴びる青年の影が揺れていた。
細身の体格に似合わず、背筋はまっすぐで、男らしい輪郭が透けて見える。胸の奥が熱を帯び、思わず吐息が洩れた。
「……いけない」
唇を噛みしめながらも、私は見てしまう。ガラスの向こう、彼の象徴が鮮明に映る。結婚生活の中で忘れかけていた、女の勘覚が呼び起こされていく。
やがて、シャワーを終えた悠真がタオル一枚を腰に巻き、リビングに現れた。
「ありがとうございます。本当に助かりました」
そう言って笑う彼の目は、無邪気さと大人の男の深さを同時に湛えていた。
その視線が、私の胸元をかすかに彷徨う。
「……見たいの?」思わず口に出してしまった。
彼は驚き、赤面し、うつむく。それでも、視線は離れない。
私は震える指でブラウスのボタンを外した。下着姿になった私に、彼は言葉を失い、ただ見つめていた。
「触ってみる?」
誘うように言うと、彼の手が恐る恐る伸び、布越しに乳房へ触れる。熱い掌の感触が、全身を駆け抜けた。
「そう……もっと」
私は彼の手を導き、自ら下着のフックを外す。露わになった乳房を両手に包み込まれると、乳首が硬く尖り、甘い声が喉から洩れた。
「ん……いい……上手よ」
背後から抱きしめられ、指が下腹へと滑り込む。スカートを持ち上げられ、濡れそぼった布地越しに指が触れた瞬間、私は震えた。
「だめ……でも……もう」
抗う言葉とは裏腹に、身体は確かに求めていた。
【第3部】背徳の快楽に溺れ、何度も重なった熱の痕跡
ソファに押し倒され、私は脚を大きく開いた。悠真の眼差しがそこに吸い込まれる。
「……入れてもいいですか」
彼の低い声が、私を震わせた。
「ええ……あなたに任せるわ」
次の瞬間、熱く硬いものが私を貫いた。
「ん……っ、あぁぁ……!」
喉の奥から迸る声。長い間忘れていた絶頂の感覚が、容赦なく押し寄せる。
彼は若さに似合わぬ執拗さで腰を打ちつけ、同時に乳房を揉み、乳首を口に含んだ。
「だ、め……そんなに……あぁっ」
乳首と深奥とクリトリス。三つの快楽が同時に重なり、私は何度も身体を反らせ、痙攣する。
「もっと……感じてください」
彼の囁きに応じ、私は背中を反らし、脚を絡め、何度も彼を奥へ導いた。
「イク……もう……あぁぁぁっ!」
果てしない波に呑み込まれ、私は白く眩しい光の中で震え続けた。
幾度も重なり合い、汗と涙と吐息に濡れた身体は、夜の帳が降りる頃まで求め合い続けた。
気がつけば、絨毯の上に横たわり、彼に抱きすくめられていた。
「……ごめんなさい」そう呟く私に、悠真は首を振った。
「違います。ありがとう……生きてるって、感じました」
胸に残るその言葉が、何より深く私を震わせた。
まとめ──人妻が出会った青年との背徳の午後が教えてくれたもの
この午後の出来事は、決して許されるものではない。けれど、女としての私を甦らせた確かな真実でもあった。
雨宿りに始まった偶然は、心と身体の渇きを癒し、抑え込んでいた本能を解き放った。
孤独と渇望を抱える人妻が、偶然の出会いによって背徳の快楽に溺れる──それは決して特別ではなく、人の心が隠し持つ欲望そのもの。
あの日の雨音は、今も私の奥底で響き続けている。



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