第1幕:夕暮れの本屋で、はじめて熱を知った
仕事帰りの夕方、私は最寄りの小さな書店で、絵本の棚を眺めていた。
新刊の表紙に指を滑らせながら、ふと横を見やると──そこに彼がいた。
Aさん。
園児◯◯ちゃんのお父さんで、送り迎えのたびに少し言葉を交わす程度だった。
スーツ姿ではない彼を、初めて見た。黒いTシャツに淡いベージュのパンツ。ごく普通なのに、なぜか目を逸らせなかった。
「あれ……先生?」
その声に振り向くと、彼の目がまっすぐこちらを見ていた。
近づいてきた彼は、いつもの柔らかな笑顔ではなく、どこか戸惑いを隠したようなまなざしで私を見つめていた。
「もし、時間があれば……少しだけ、ご飯でもどうですか?」
ほんの一瞬迷って、でも私は、頷いていた。
小さなビストロのカウンター。
グラスの水の揺れが、私の心を映しているようだった。
彼と話すと、不思議なくらい素直になれる自分がいた。園では見せない表情の彼を、私は知ってしまった気がしていた。
そして別れ際。車の中。
「……先生って、本当に綺麗なひとですね」
冗談まじりのような声。
でも、視線は、冗談じゃなかった。
そのまま、彼の手がそっと頬に触れ、唇が重なった。
一瞬で、体が熱を帯びた。
キスだけで、呼吸が浅くなるなんて──知らなかった。
「だめ……っ」
声に出したはずなのに、言葉とは裏腹に、私は彼のキスを受け入れていた。
胸元に滑り込む指。服越しに感じるその温度。
乳房に触れられた瞬間、身体の奥が“疼いた”。
(こんなの、知らない……)
脳が追いつく前に、体のどこかが目覚めていく感覚。
Aさんの指先が、私の“私ではない部分”をゆっくりと開いていく。
「……先生、感じてる?」
その囁きに、私は何も言えなかった。
ただ、シートに沈む体が、小さく震えていた。
第2幕:車内、指先と吐息で、私は初めて“感じる”女になった
助手席の窓は曇っていた。
まるで、私の呼吸と同じリズムで、ガラスの内側に熱が宿っていく。
シートに深く沈んだ私の身体に、彼の手が優しく触れる。
さっきまで冗談のように笑っていたその指先が、今は、どこまでも真剣に、私の輪郭をなぞっていた。
「……やっぱり、綺麗だね」
言葉より先に、指が伝えてくる。
脇の下から差し込まれる手が、ワンピースの生地の中に潜り込んで、胸を包み込んだ。
「……やっ……」
だけど止める声は、どこか甘く、空気に溶けた。
──ブラの上からゆっくりと、何度も撫でられた。
優しく、でも逃さないように。
そのうちに、生地の上からでも乳首の位置がバレてしまって、
そこだけを集中的に撫でられるようになった。
「……ンッ……そこ……っ……」
首を振るのに、腰は逆らえなかった。
くちゅっ……と微かな湿度が、胸の内側から滲む。
彼はワンピースの胸元を下げ、そっとブラを外す。
一度視線が交わり、その目が──すべてを許させた。
「……ここ、もう硬くなってるよ」
そう言って、乳首に唇が触れた瞬間、私はびくりと体を仰け反らせた。
「んッ……あっ……だめっ……」
舌が、乳首をすくって吸い上げる。
指が、もう片方の乳房を揉みしだく。
口と手に同時に愛されて、私は音を抑えられなかった。
吐息が、漏れる。
指の跡が、胸に残る。
感じすぎて、膝が震える。
そのまま、スカートの中へ指が伸びる。
「……ここ、触ってもいい?」
「……っ、うん……」
気づけば、私は、脚を少しだけ開いていた。
タイツ越しに、そこをなぞられる。
あまりに敏感になっていた私は、ちょっとこすられただけで、背中を仰け反らせた。
「……先生、もう……濡れてるよ」
彼の声が、すごく近い。
ショーツの上に感じる、指のぬるさ。
そのまま布の隙間から指が侵入し、膣の入り口を探られた。
「やっ……ぁ……あぁッ……んっ……!」
一本の指が、私を見つけて、深く入ってくる。
──そして、もう一本。
ゆっくりと開かれていく感覚。
(身体の奥が……目覚めていく……)
同時に、親指でクリトリスがそっと撫でられた。
「ダメっ……そこは……あっ……ッ」
でも、止める言葉は、快楽の余韻で溺れていた。
「……行こうか、ゆっくりできるとこ」
耳元に熱い吐息。
何も言えず、ただ頷いた。
第3幕:沈められて、私はひとりの“女”になった夜
ホテルのシーツは、まっさらで、どこか緊張していた。
でもAさんは、そんな私の唇に優しく触れて、
「全部、預けていいよ」
そう言ってくれた。
私の服は、気づけば彼の手の中に落ちていく。
裸にされる恥ずかしさより、彼の目に見つめられる悦びのほうが大きかった。
「本当に……綺麗」
そう呟いて、胸に、腹に、太腿に、キスが降っていく。
そして舌が、私のアソコに辿り着いたとき──私は小さく、悲鳴のような声を漏らした。
「んっ……んぁっ……そこ……」
舌がクリトリスを包み込み、円を描き、先端でつついてくる。
(……おかしくなる、これ以上は……)
でも彼は止めない。
私が震えても、腰を逃がしても、ずっと舐め続ける。
そのうち、私は、彼の舌に自分から押し付けるように腰を動かしていた。
「こんなに……可愛く濡れてる」
そして挿入。
ゆっくりと、でも確実に──私の奥に彼が入ってくる。
「んっ……くぅっ……あっ……!」
ゆさ、ゆさ、と揺れる身体。
深く、重く、ゆっくりと突き上げられて、私は何も考えられなくなっていった。
足を肩にかけられ、角度が変わる。
もっと深く、奥を突かれて──そこで、私は。
「──イッちゃうっ……ッ……」
熱い波が、一気に体中を駆け抜けた。
ビクン、と何度も跳ねる身体。
終わっても、彼は私の中で、そっと動いていた。
そして──一緒に、果てた。
最後、私は彼の胸に顔を埋めていた。
何も言葉が出てこなかった。ただ、体が、火照りながら静かに震えていた。
「また……会いたいね」
その囁きに、小さく頷いた。
その夜の熱は、体だけでなく、心の奥にまで沈んでいった。
そして私はもう、あの人に会うたびに、
心と身体が──思い出してしまう。



コメント