性欲女子

草津温泉への旅俺は悠真、34歳。東京で写真家をしている。妻の彩乃とその母・志乃さんを連れて、群馬の草津温泉へ旅行に出かけたのは、秋の深まる頃だった。草津温泉は日本でも有数の温泉地だ。その湯量の豊富さと泉質の素晴らしさは、写真を趣味にする俺に...

2月の札幌は、雪がすべての音を包み込み、街全体を静寂に染めていた。私、由美。47歳の人妻。夫と二人の息子を東京に残し、親友の麻美と二人旅に出た。息子たちは20歳と16歳。もう手がかからなくなった彼らと、理解ある夫のおかげで叶ったこの旅は、久...

蒸し暑い夏の空港。旅客機のエンジン音が微かに響き渡る中、俺は20歳の初めての海外一人旅に胸を高鳴らせていた。行き先はロサンゼルス。手にしたガイドブックの角が汗ばんだ指先に少し滑る。期待と不安が入り混じった気持ちの中、搭乗口を通り抜け、指定さ...

僕の名前は祐一。中学2年生で、バイオリンのプロを目指している。とはいえ、まだまだ未熟で、思うように音を操れないことが多い。でも、僕にはどうしても上手くなりたい理由があった。それは、澤村先生――僕のバイオリンの先生に認められたいからだ。先生は...

私は美智代、26歳、新婚。高校の保健室で働く日々は、穏やかな中にもどこか非日常的な感覚が漂っている。大きな窓から差し込む午後の日差しは柔らかく、白いカーテンが揺れるたびに、空気に淡い緊張感が混じるような気がする。その日、保健室の扉が軽くノッ...

夕陽は、あたかも薄絹のごとき朱色を大気にまとわせ、体育館の窓から流れ込む光線が床に幻想的な模様を描き出していた。僕――恒星（こうせい）。中学3年の少年は、この赤褐色の世界の中で、ボールを弾ませる音のみに己を委ねていた。けれど、その静寂を破る...

私は美咲、42歳。総合病院で看護師として働き、夫の悠介と、17歳の息子・航平と暮らしている。毎日忙しく働き、家庭を支えながら日々を過ごしている私は、周囲から「理想の妻」「誠実な女性」と見られているのだろう。けれど、そんな外側の評価が私をどれ...

春の訪れを感じる穏やかな日、美咲は夫の出張が決まったことで、久々に一人の時間を楽しめる機会を得た。結婚して10年、専業主婦として夫と息子を支え続けてきたが、自分自身の存在が薄れていく感覚を最近強く感じていた。ある日の夕方、美咲は友人に誘われ...

俺は雅人。21歳、大学でスポーツ科学を学びながら、地元のミニバスケットボールクラブでコーチをしている。子どもたちと過ごす日々は充実していたが、心の奥底に隠しきれない感情があった。それは、美咲の母、玲子さんへの想いだ。彼女に初めて会ったのは、...

プロローグ私は美樹、43歳。中学校の教師であり、女子バスケットボール部のコーチを務めている。結婚して20年、平穏な家庭と充実した職業生活を送りながらも、心のどこかにぽっかりと穴が空いているような感覚を抱えていた。日々の繰り返しの中で、胸の奥...

私が勤める会社には男性社員が多いものの、女性社員もそこそこ在籍していて、今回は女性ばかり20人ほどが同じ大広間の和室で雑魚寝をすることになりました。修学旅行みたいなノリで、最初は「みんな一緒でわいわい楽しいだろう」なんて軽く考えていたんです...

私は大学生の頃、まだ漠然と「普通の恋愛」しか知らないと思っていた。いつかは同世代の彼氏と就職や結婚を考えていくのだろう、そんな何気ない予感のなかで過ごしていたから、まさか既婚者との恋に落ちるなど想像もしなかった。けれど、あのとき出会った年上...

一晩の過ち私は幸、54歳の華道師範。二十年以上の結婚生活を送り、穏やかな家庭を築いてきたが、心の奥には何か物足りなさを感じていた。華道は私の心の拠り所であり、生徒たちとの交流が日々の活力となっていた。春の日差しが柔らかく教室を包む中、33歳...

私は中学生の時、サッカーの試合中に激しい接触プレーで転倒し、右足の前十字靭帯と半月板を損傷してしまった。これにより、大事な試合に出場できなくなった悔しさと痛みに打ちひしがれていた。手術とリハビリのため、私は入院生活を余儀なくされた。個室での...

去年の夏、私は嫁の実家に遊びに行った。嫁の実家は大磯にあり、夏になるとよく訪れる。あの日、私は体調が悪く、義理の父母と嫁、そして子供だけが海に行くことになり、私は一人で以前嫁が使っていた二階の部屋で休んでいた。午後になり、義理の妹、美しい中...