夫のいない家で、私は女に戻った──リフォーム職人たちと過ごした背徳の夏

第一章 風が運んだ目覚め

夫が海外赴任に旅立ってから、もうすぐ三ヶ月。
ここは山あいにある、少し古びた木造の家。
夫の実家を譲り受け、ふたりで住み始めたけれど、
気がつけばこの静けさの中にひとり取り残されていた。

結婚二年目。
けれど夫は海外との架け橋になる仕事に抜擢され、
私は専業主婦としてここに残ることになった。

──そう、私が選んだこと。
「ゆっくりと、リフォームでもして過ごしてよ」
そんな言葉と共に、彼は遠くへ行った。

最初の頃は、草むしりや掃除、散歩も楽しかった。
でも、一人きりの生活には、どうしようもない“空洞”があった。

***

リフォーム工事が始まったのは、梅雨が明けたばかりの頃。
依頼した会社から来たのは、四人の若い外国人職人たちだった。
南米、アラブ、黒人──みな陽に焼けた肌と、大きな手を持っていた。

「こんにちは、奥さん」
「僕たち、きれいにします、ここ」

片言の日本語が、なぜか愛おしかった。
ずっと誰とも話していなかった私には、
その拙ささえも心をほぐしてくれた。

初日、私はリビングでお茶を用意した。
タンクトップに、家事用の薄手のショートパンツ。
ノーブラだったことを忘れるほど、油断していた。

「奥さん、肌が……白いね」
「……見ないでください」

レオンという青年の視線が、私の胸元をすり抜けた。

***

午後、ウッドデッキに出て麦茶を飲んでいると、
ふいに背後からレオンが声をかけてきた。

「ここ、気持ちいい。風、すごく……いい匂い」
「ええ、ここだけは、リフォームしてないんです」

レオンの目が、私の脚から、太ももへ、そして胸元へと移っていく。
私は息を呑んだ。
こんなに長く、女として見つめられたのはいつぶりだろう。

「さわっても、いい……?」

それは囁きというよりも、熱に近い。
私は、返事をしなかった。けれど手は、拒まなかった。

彼の指が、私の肩に触れ、
鎖骨をなぞり、タンクトップの隙間から胸のふくらみへ滑り込んでいく。
久しぶりに感じた他人の温度。
そして、下腹部がじわりと熱くなっていくのを自覚していた。

「もっと、して」
私はそう口にしていた。

彼の舌が私の胸元に触れた瞬間、
夏の陽射しが一気に私の中へ流れ込んできた。


第二章 指と舌と、風の間に

あの午後から、私は毎日、彼らの手と視線の中にいた。
レオンは情熱的に。
サミルは静かに優しく。
マイケルは無言のまま、けれど誰よりも深く、私を見つめていた。

「奥さん……今日は、いい?」
そう囁かれるのが日課になっていった。

最初はデッキで、次は寝室で、
やがて私は、自ら浴室に誘導するようになっていた。

3人に同時に身体をゆだねたのは、3週目の水曜日だった。

***

脱衣所で浴衣一枚になった私を、
レオンが後ろから抱きしめ、胸元を割ってくる。
前からはサミルがキスを落とし、手が脚の間を探る。
そしてマイケルが、静かに膝をつき、
私の足首から舌を這わせていった。

「だめ……そんな、同時に……っ」

でも身体は、もう抗えなかった。
息が詰まるほどの快感に、脚が震え、
彼らの指が重なるたびに、何かが溶けていくようだった。

乳首に吸い付き、舌を這わせながら、
奥へ奥へと入ってくる指──。
それは一本ではなかった。

「奥さん、ここ、もっと……ゆるくなる」
「……は、恥ずかしい……そんな……」

マイケルの指は、私の後ろの扉へも優しく入り込んできた。

「はじめて、なのに……」
言葉にならないまま、私は彼の腕にしがみつきながら、
音を立てて、何度も何度も絶頂していた。

第三章 羞恥の午後、全身をさらけ出す「露出」への目覚め

「今日は……屋根、直す。上、のぼる」

そう言ったのはレオンだった。
足場を組み、二階の外壁と屋根の修繕にかかると、
私は自然と、庭先から彼らを見上げるかたちになった。

風が強くて、陽射しが照りつけていた。
私は日焼け止めを塗っただけの肌に、薄手のロングシャツ一枚──
中には何も身に着けず、
家の裏庭で、ひとり濡れた洗濯物を干していた。

「奥さん、下……から、ぜんぶ見えるよ」

そう声をかけてきたのはサミルだった。
見上げると、彼の瞳にからかわれるような光が宿っていた。

私は、その瞬間、
胸の奥に、言葉にできない甘い痛みを感じた。

彼らに見られている。
男たちに、丸ごと「私」が透かし見られている──。

風が吹き、ロングシャツの前をめくっていく。
太ももから、下腹部の奥へ。
彼らの視線が、それを追いかけていた。

羞恥。
なのに、脚が震えた。
息が乱れた。

私の身体が、その視線を「悦び」として受け止めてしまっていた。

***

「来て、こっち」

作業を終えたレオンが、手を引いたのはデッキではなかった。
裏庭に面した、古い物置小屋の中。

薄暗い、埃っぽいその空間の中で、
彼は私のシャツを静かに脱がせた。
誰もいないはずの、午後の山あいの庭。

「窓、すこし、開けていい……?」

「だめ……見られたら……」

「見られるの、こわい?」
「……でも、感じてるでしょ」

そう囁きながら、
サミルとマイケルも小屋の中に入ってきた。

裸の私を、彼らの視線が包み込む。
胸、脚、尻、そして秘部──すべてが陽に照らされ、
私はもう、逃げ場を失っていた。

***

まず、マイケルの指が私の脚の間に滑りこむ。
サミルが後ろから抱きしめ、私の耳を甘く噛んだ。

「外に聞こえちゃうよ」
「ダメ……声、出ちゃう……」

でももう、我慢なんてできなかった。

レオンは前にまわり、私の胸を舌で転がし、
そのまま舌先が下腹部へと移っていく。
花のように開かれた私の奥に、彼の熱い息がかかると、
私は震えながら腰を浮かせてしまった。

「奥さん、ぜんぶ、見せて」
「……だって……もう……見えてる……っ」

言い訳のように零れた言葉を遮るように、
三人の指と舌が同時に私を責めたてた。

胸を吸われながら、奥に舌を入れられ、
後ろからは指が、秘めた場所をじっくり広げていく。

快楽が、羞恥を上書きしていく。
いや、羞恥があるからこそ、身体はさらに濡れていく。

「奥さん、外、もっと開けるよ……風、感じて」

窓が開かれ、山の風が肌を撫でていく。
私は全裸のまま、彼らの間で腰を揺らしていた。

「こんなの……私じゃない……」
そう思いながら、
けれど何度も何度も、奥の奥で果てていた。

彼らの熱が注がれるたびに、
身体が覚え、心が抗えなくなっていく──
そんなこと、もうわかっていたのに。

第四章 背徳の告白、剥がれていく女の奥底

「……はい、もしもし?」

風に濡れた身体をバスタオルで拭きながら、
私は、鳴り響いたスマートフォンを手に取った。

夫からだった。
三週間ぶりの電話。

「久しぶり。元気にしてる?」
「うん、してるよ……元気……」

──本当は、元気すぎるくらいだった。
でも、声を聞いた瞬間、胸の奥が締めつけられるように痛んだ。

夫の声は優しくて、変わらなくて。
それが逆に、罪悪感を鋭く突きつけてくる。

「リフォーム、進んでる?」
「ええ、あの……とても丁寧にしてくれてるの」

その言葉に、胸がヒリヒリとした。
“丁寧”──確かに、彼らの指は、舌は、
私の身体をどこまでも繊細に開いていった。

私は、嘘をついている。
でも、話す声が震えるほど、夫の存在が懐かしくて、哀しくて。

「帰国は来月の終わりになりそう。長くて、ごめんね」
「ううん……待ってる。ずっと、待ってるから……」

──それは、どちらへの言葉だったのだろう。

***

電話を終えたあと、私は裸のままベッドの上に崩れた。
脚を閉じても、奥がじんわりと疼いている。

「あなたに触れられていない時間、私はもう……」
心の中で呟きながら、
さっきまでレオンに舐められていた場所に、手が伸びていく。

でも、それだけでは足りなかった。

玄関のチャイムが鳴った。
私はバスタオルも巻かず、裸のまま扉を開けた。

そこにいたのは、いつもの彼ら──
レオン、サミル、マイケル。

「電話、終わった?」
「……ええ、終わったわ」

「じゃあ、もう……いいよね」

レオンが私の頬にキスをし、サミルが肩を抱き寄せた。
私は黙って頷いた。

「今日は、奥さん、もっと奥まで……見せて」

***

彼らは私を寝室の鏡の前に連れていき、
三方向から私の身体をゆっくり、剥くように触れていった。

胸元を吸い、指先で秘部を開き、
後ろからはアナルにも、オイルをつけた指が差し込まれる。

私は鏡越しに、自分が貪られていく姿を見ていた。

「見て、自分の顔……もう、奥さんじゃないね」
「女の顔、してる……気づいてた?」

マイケルの低い声に、私の中の何かが崩れた。

視線が交錯する。
鏡の中の自分が、全身で快楽を求める獣のようだった。

「お願い……見ていて……全部、見て……」

声が、涙が、震えながら溢れてくる。
快楽と罪のあいだで、何かが裂け、
その奥に眠っていた“女”が、ついに全裸で目を覚ました。

レオンの熱が前に、
マイケルの熱が後ろに、
サミルの舌が胸元と耳元を這っていく。

三人のリズムが重なり、私は自ら腰を使いながら、
淫らに絶頂を繰り返していった。

***

その夜──
鏡の前で剥がされた「奥さん」という皮は、
もう、二度と戻らなかった。

私は、誰よりも女として抱かれたい。
誰よりも、見られたい、欲しがられたい。
そして、この夏のあいだに“なにか”が私の中で育ち始めていることを、
この時、まだ知らなかった。

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