息子の友人ともう5年間、セフレ関係を続けていますー。 年下の子と不埒な火遊び…中出し情事に溺れる私。 藤かんな
【第1部】息子の先輩たちとテーブルを囲んだ夜、38歳の私の奥に眠っていた「女」が目を覚ました
私の名前は 由紀(ゆき)、38歳。
横浜のはずれで、**大学二年生の息子・湊(みなと/20歳)**と二人で暮らしている。
朝は五時前に目覚ましが鳴る。
薄暗いキッチンでコーヒーを淹れ、新聞配達のジャンパーを羽織る。
冷たい空気を切り裂くように自転車を走らせて、ポストに新聞を差し込んでいく。
配達を終えた頃、ようやく東の空が白み始める。
いったん帰宅して身支度を整えると、今度は駅前の食堂へ。
昼前から夕方まで、私は注文を取り、配膳をし、食器を洗う。油の匂い、味噌汁の湯気、食器の重ねられる音──それが、私の日常のBGMだった。
夫と別れて七年。
それ以来、私は「お母さん」という役割だけを胸の前に掲げて生きてきた。
誰かに「女」として見られる感覚も、見られたいと願うような欲も、生活のどこか深いところに沈めて、見ないふりをしていた。
そんな日常が、少しだけ変わり始めたのは、湊の口から“先輩たち”という言葉が増えたころだった。
「今度、ゼミの先輩たちとプロジェクト組むことになってさ」
夕飯のカレーをかき込みながら、湊が珍しく楽しそうに話す。
「話しやすい人たちなの?」
「うん。三年の 颯真(そうま)さん と、陸 さんと、隼人 さん。
なんか、俺みたいなタイプに気を配ってくれるっていうか……」
“俺みたいなタイプ”という言葉に、少し胸が痛くなる。
小さいころから、湊は慎重で、人の顔色をよく見てしまう子だった。
断らなきゃいけない場面でも、笑って引き受けてしまう。
だからこそ、明るくてよく気が利くという評判の先輩たちが、彼のそばにいてくれることが、私は素直にありがたかった。
ある日、食堂の休憩時間にスマホを見ると、湊からメッセージが届いていた。
「今夜、先輩たち3人連れてってもいい?
プレゼン終わって打ち上げしてからになるけど、遅くなるかも」
家に誰かを連れてくることなんて、ほとんどなかった湊。
私は、胸の奥が少しざわめくのを感じながらも、すぐに返信を打つ。
「いいよ。何時になりそう?
簡単なものしか出せないけど、それでもよければ」
その夜。
チャイムの音とともに、玄関に立っていたのは、スーツに身を包んだ三人の青年だった。
「こんばんは。湊くんのゼミでお世話になってます。三年の颯真です」
一番前に立っていた青年が、はっきりした声で頭を下げる。
高めの身長に、柔らかい笑顔。
その隣には、眼鏡をかけた物静かな雰囲気の陸と、がっしりとした体格でスポーツマンのような隼人。
「湊が、いつもお世話になってます。狭い家だけど、どうぞ上がって」
玄関の靴が一気に増えて、アパートが少しだけ賑やかな場所になった気がした。
テーブルには、慌てて作った唐揚げとサラダ、炊き込みご飯。
缶ビールとウーロン茶。
料理の並ぶ茶色いテーブルを、若い男の子たちの笑い声が囲む。
「お母さん、めちゃくちゃ料理うまいっすね」
隼人が、唐揚げにかぶりつきながら、無邪気な笑顔で言う。
「ほんと。これで一人で全部作ったんですか?」
陸が驚いたように箸を止める。
「たいしたものじゃないけど……食べ盛りの子がいると、しっかり作らないとって思っちゃって」
「“子”って言われる歳でもないんだけどなぁ」
湊が照れくさそうに笑う。
颯真がそれを見て、ふっと目を細めた。
「でも、いいですね。こういう食卓」
「こういうって?」
「……なんか、ちゃんと“帰ってくる場所”って感じがするから」
何気なく言ったその一言が、思いがけず胸の奥に触れてきた。
「帰ってくる場所」。
あたりまえのようでいて、私はずっと、その形を守ることに必死だったのだ。
ふと、颯真の視線が、テーブル越しに私の方へ向けられていることに気づく。
笑うタイミング、首をかしげる仕草。
そういう細かなところを、注意深く眺めるようなまなざし。
久しぶりに、誰かの視線を意識した気がした。
それは「息子の母親」としてではなく、
ひとりの女としての輪郭をなぞられているような感覚だった。
食事が終わり、湊と三人がリビングでゲームを始める。
私がキッチンで洗い物をしていると、不意に背後から声がした。
「手伝いますよ」
振り向くと、そこには颯真が立っていた。
ジャケットを脱いで、袖をまくった腕。
水に濡れた皿を受け取る指先は、意外なほど丁寧だった。
「いいのよ。お客さんなんだから、座ってて」
「お世話になってるのは、こっちですから。
湊くん、最近少し表情が柔らかくなってきたから」
さらっと言われたその言葉に、心臓が小さく跳ねる。
「前は、もっと周りに気を遣いすぎてる感じがしてたんですよね。
飲み会でも、率先して片付け役に回っちゃうし」
「ああ……わかる気がする」
「でも、ここに来る話をするとき、ちょっと嬉しそうなんです。
“ちゃんとご飯を食べてほしいってうるさい人がいる”って」
颯真が少し笑う。
胸の奥が、じんわりと温かくなる。
皿を渡すとき、指先がほんの一瞬だけ触れた。
その短い接触に、思いがけないほど心がざわめく。
軽く触れただけのはずの指先が、なぜか長く残影を引く。
その瞬間、
「お母さん」だけでいることに慣れすぎていた自分が、ふっと揺らいだ気がした。
──この夜が、ただの「息子の友達との食事会」で終わらない予感を、
私はまだうまく言葉にできずにいた。
【第2部】「お礼のつもり」だったはずの夜、年下の彼らの視線が私の中の渇きをそっと照らし出した
それから何度か、湊は先輩たちを家に連れてくるようになった。
試験前の勉強会のあと、プレゼンの練習のあと。
リビングに並んだノートPCの光と、コンビニのコーヒーの匂い。
私の作る夜食が、その真ん中に置かれるのが、いつのまにか「当たり前」になっていった。
ある日、湊が言った。
「今度のプロジェクト、最優秀賞取れたらさ……
ちゃんとお礼したいから、先輩たちにご馳走してやりたいんだよね」
「いいじゃない。家でやる?」
「うん……でも、その日は打ち上げもあるし、遅くなるかも。
お母さん、先に寝てていいから」
プロジェクト発表当日。
私は仕事が終わったあと、その足でスーパーに向かった。
唐揚げの下味を濃いめにつけ、ポテトサラダを山のように盛り、
煮込みハンバーグを大きな鍋で作る。
湊からのメッセージは、夜の九時を過ぎて届いた。
「最優秀賞取れた!
結局、二次会まで付き合うことになりそう。
先輩たちが“由紀さんにも報告したい”って言ってるから、
もしかしたら俺より先にそっち行くかも。ごめん」
息子より先にやってくる──
その言葉に、胸のどこかが少しだけざわついた。
十時を回った頃、インターホンが鳴る。
扉を開けると、ほんのり熱のこもった顔の三人が立っていた。
「由紀さん、湊くん、やりましたよ」
颯真が、少年のような笑顔で言う。
スーツのネクタイは少し緩められ、前髪にはうっすら汗が光っている。
「最優秀賞、おめでとう」
「ありがとうございます。
どうしても、由紀さんに一番に報告したくて」
その言葉に、胸の奥がきゅっと締めつけられる。
「一番に」。
そんなふうに、誰かの「一番」にされることなんて、いつ以来だろう。
テーブルに料理を並べると、三人の目が一斉に輝く。
「うわ……これ全部、由紀さんが?」
「打ち上げの二次会より豪華なんですけど」
「湊、絶対幸せだよな。こんな家ご飯あるとか」
賑やかな声が、狭いリビングに溢れていく。
缶ビールを開ける音、グラスに注がれる琥珀色。
私は自分用に、少しだけワインを注いだ。
グラスを合わせる瞬間、颯真がふと真剣な目でこちらを見る。
「由紀さん。
いつも、湊くんをここまで送り出してくれてありがとうございます」
「送り出してくれて?」
「うん。
ちゃんとご飯食べて、ちゃんと眠れて、
ちゃんと“帰る場所”があるって、
それだけで、あいつ、他の子よりずっと強いですから」
その言葉に、喉の奥が少しだけ詰まる。
誰かに、こんなふうに「母親としての自分」を肯定されたのは、本当に久しぶりだった。
ワインが一口ずつ、体の中に広がっていく。
頬がうっすら熱を帯び、視界の輪郭が柔らかく滲む。
「……私ばっかり喋っててごめんなさい。
あなたたちの話も聞かせて」
そう言うと、隼人が少し照れながら笑う。
「俺らの話なんて、大したことないですよ。
ただの大学生ですし」
「ただの、なんてことないわ。
湊の話を聞いてると、あなたたちに救われてるってわかるもの」
「救われてるって、そんな……」
そう言いながらも、三人の表情には、ほんの少し誇らしげな色が浮かんでいた。
気づけば、時計の針は日付を越えていた。
湊からは「もう少し遅くなる」とだけメッセージが来ている。
「終電、大丈夫?」
そう尋ねると、陸がスマホを見ながら肩をすくめた。
「そろそろ厳しいですね。タクシー拾うしかないかな」
「このあたり、こんな時間だとなかなか来ないですよね」
颯真がそう言って、窓の外をちらりと見る。
「……もしよければ、もう少しだけここで時間潰していきます?
ソファしかないけど、座って待っていればタクシーも捕まえやすいし」
本音を言えば、私自身がまだ彼らを帰したくなかった。
若い笑い声と、温かい体温の残る空気が、妙に心地よかった。
テレビを消して、間接照明だけにする。
部屋の灯りが落ちると、外の街灯の光がレースのカーテン越しに揺れた。
ソファには三人。
私はローテーブルの端に腰を下ろす。
沈黙を破ったのは、颯真だった。
「由紀さんって、
“お母さん”って感じと、
“ひとりの女性”って感じが両方あって、不思議ですよね」
「変なこと言わないでよ」
そう笑ってみせるけれど、心臓の鼓動がわずかに速くなる。
「いや、ほんとに。
さっき、皿洗いしてる横顔見てて思ったんです。
ああ、この人、ずっと自分の時間を後回しにしてきたんだろうなって」
胸の奥の、誰にも触れられたくなかった場所に、言葉がそっと触れる。
「……見透かされてるみたいで、なんか嫌」
そう言った声が、思ったよりもかすれていた。
「嫌、でした?」
颯真の声が、少し低くなる。
「“見られてる”って感じがして。
お母さんとしてじゃなくて、
もっと違う目で」
口にしてから、自分でその言葉に驚いた。
三人とも、わずかに目を見開く。
「それって、迷惑ですか」
陸の問いかけは、静かで、逃げ場を与えてくれない種類の優しさをまとっていた。
「……迷惑、って言えたら楽なんだろうけど」
喉の奥から、違う言葉がこぼれ落ちる。
「久しぶりすぎて、戸惑ってるだけ。
女として見られることに、慣れてないから」
その瞬間、空気が変わった。
間接照明の淡い光の中で、三人の視線が、
“湊の母親”から、“由紀というひとりの女”へと、ゆっくりと焦点を変えていく。
テーブルの上で、そっと重なった指先。
その小さな接触が、
この夜がもう、ただの「お礼の食事会」ではないということを、はっきりと告げていた。
【第3部】「お母さん」を脱ぎ捨てたわずかな時間、年下の彼らの腕の中で知った、まだ終わっていなかった自分
ソファの上。
静かな呼吸の間に、時計の秒針の音だけが、かすかに部屋に刻まれている。
「由紀さん」
名前を呼ばれただけで、身体のどこかがひくりと反応する。
“湊のママ”でも“お母さん”でもない、
フルネームではない、ただの“由紀”。
「まだ、誰かのことを女として好きになるの、怖いですか」
颯真の問いかけは、真正面からだった。
避け道を探そうとしても、見つからない。
「怖いよ。
今さらこんな歳で、
それも、こんなに年の離れた人たち相手に」
「俺たちも、そんなに子どもじゃないですよ」
隼人が笑う。その笑顔には、若さだけではない影が混じっていた。
「ちゃんと選べます。
どんな仕事をするかも、
どんな人と一緒にいたいかも」
陸が、指先でソファの縁をなぞりながら言う。
「それに……
由紀さんだって、選ぶ権利はあるでしょう?
“母親だから”って、自分で自分を縛らなくても」
言葉にされて、初めて気づくことがある。
私は「母親」という鎧を、いつのまにか自分に食い込むほどきつく締め付けていたのだ。
「……ずるいね。
そんなふうに言われたら、
もう、見ないふりできなくなる」
視界の端がにじんでいく。
涙なのか、ワインの酔いなのか、自分でもわからない。
「見ないふりしなくていいですよ」
颯真の声が、静かに近づいてくる。
ソファのクッションが、わずかに沈む感触。
すぐそばで、温かい体温が脈打っている。
「由紀さんが、
“お母さん”じゃなくて
“私”に戻ってもいいって思えるなら──」
その先の言葉は、
彼のまなざしの中に溶けていた。
そっと伸びてきた手が、髪に触れる。
耳の後ろをなぞる指先が、首筋に淡い震えを落としていく。
近づいた息遣いが、頬にかかる。
唇が触れるか触れないかの距離で、時間が一瞬止まったように感じた。
その刹那、視界の端で、
陸と隼人のまなざしが、真剣さを増していくのが見える。
──ここから先へ進むのかどうかを決めるのは、私。
心の中で、そう確認する。
誰かのためでもなく、
「息子の母親だから」という言い訳でもなく。
「……怖いけど」
そう言って、私はほんの少し顎を上げた。
「このまま、
“何もなかったこと”にして眠れるほど、
鈍くはないから」
その瞬間、
触れ合った唇の温度が、
長い間眠っていた場所に静かに火を灯した。
それから先のことを、ここで細かく語るつもりはない。
絡み合った手や、重なった視線、
名前を呼ぶ声が、どんなふうに震えたのか──
それらすべては、
「お母さん」を脱ぎ捨てた、わずかな時間の中でだけ有効な記憶として、
私の中にそっとしまっておきたい。
ただひとつ、確かに言えるのは、
あの夜、私は初めて「息子のため」ではなく、
「自分自身のため」に誰かの腕を選んだということだ。
明け方近く。
窓の外がわずかに白み始めたころ、
乱れたブランケットを整えながら、颯真が微笑んだ。
「後悔、してますか」
「……してたら、きっとあなたたちをここまで引き寄せてない」
そう答える声は、思っていたよりも穏やかだった。
まとめ──「お母さん」であることと「女」であること、その両方を諦めなかった夜のこと
あの夜から、世界が劇的に変わったわけではない。
私は相変わらず、朝は新聞配達をし、
昼は食堂で働き、
帰ってきた息子にご飯を作り、洗濯物を干している。
ただひとつだけ、以前と変わったことがあるとすれば──
自分のことを「お母さん」というラベルだけで説明しなくなったことだ。
年下の彼らとの関係が、
この先どうなるのかはわからない。
就職活動が始まれば、
会う頻度は自然と減っていくだろう。
いつか、彼らは当然のように、
自分たちの人生と恋を選んでいく。
それでも、あの冬の夜は、
七年間「母親」であることだけにしがみついていた私が、
もう一度だけ“私”として息をすることを許された時間だった。
誰かに求められ、
女としての名前で呼ばれ、
触れられることを恐れながら、
それでも自分の意思で腕を伸ばしたこと。
それは、
私にとっての裏切りではなく、
自分自身への小さな救済だったのだと思う。
これから先、
また「お母さん」としての役割に追われ、
自分のことを後回しにする日々が続くかもしれない。
それでも、
あの夜、間接照明の下で交わしたまなざしと、
名前を呼ばれたときの胸の震えを、
私はきっと忘れない。
──シングルマザーであることも、
──ひとりの女であることも、
どちらも諦めないまま生きていきたいと、
あの冬の夜、静かに決めたからだ。
これは、
「息子の母親」という肩書きに隠れていた私が、
年下の彼らによってそっと引き出された、
少しだけエッチで、少しだけ切ない、大人の秘密の体験談である。




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