「その夜、彼のすべてが私をほどいていった」
まだ残る桜の花びらが、春の雨に濡れた舗道に舞っていた。
あれから何度も思い出す。
彼の指の温度、視線の鋭さ、そして、私の中を押し広げてくる異様なほどの熱――。
大学生の彼、遼との出会いは、軽い冗談の延長だった。
私がバスガイドとして引率していた新入生旅行。ゲームの景品で、なぜか私の連絡先が1等賞になった。
盛り上がる笑い声。
私は「悪ノリね」と思いながら微笑んでいたけれど、心のどこかで、彼のまなざしを忘れられずにいた。
色白で切れ長の目。まだあどけなさが残る顔立ちに不釣り合いな、研ぎ澄まされたような視線。
その視線だけが、どこか異質だった。
数日後の夜、私はその視線の主――遼からのメールに返事を返していた。
そして、気づけば二人で食事をし、夜の東京を歩いていた。
彼は慎重で、手も出してこない。
だからこそ、私は余計に気になった。
「私のこと、女として見てる?」
なんて、意地悪な質問を投げかけてみたくなるほどだった。
3度目の夜。
私は終電に揺られて、彼の一人暮らしの部屋を訪ねた。
「おかえり」と迎えてくれた遼は、少しだけ笑っていた。
それは、私が知っている男たちの笑みとは違っていた。
少年のようでいて、どこか底知れない――そんな目だった。
シャワーを借りて、タオルドライのまま彼のベッドに潜り込んだ私に、遼はソファーで寝ようとした。
「もう……入ってきてもいいんじゃない?」
私がそう言うと、彼の動きが止まった。
そして静かにベッドの端に腰を下ろし、しばらく私を見つめたあと、
「そんなつもりで来てたんだ……」と、低く呟いた。
次の瞬間、彼の腕が私の腰を強く引き寄せ、唇が私の口元を塞いだ。
深く、熱く、そして……狂おしいほどに長いキス。
彼の手が、私の太腿からTシャツの裾へと這い上がり、すぐに胸元まで捲り上げられる。
ブラの上から揉まれる乳房は、乱暴というより、必死だった。
私は身体の奥から熱が立ち上るのを感じながら、
「……ねぇ、カーテン閉めて……」と囁いた。
彼がカーテンを閉めるその短い間にも、私の胸はすでに尖り、
捲り上げられた下着のすき間から、その小さな蕾が晒されていた。
遼の視線がそこに落ちた瞬間、
彼の喉がごくりと鳴り、そして――私の乳首を、舌でそっと吸い上げた。
「……ぁっ、ちょっと……」
声が漏れた。
柔らかく、けれど強く吸われた乳首が、甘く痺れる。
赤ん坊のように夢中で吸いつく彼の舌先に、私は腰を揺らしながら、声を抑えるのに必死だった。
そして彼の手が、ショーツの上から私の割れ目をなぞったとき――すでに私は、びしょ濡れになっていた。
「濡れてる……」
その囁きと同時に、下着越しにクリトリスを強く擦られ、私はたまらず声を上げた。
「っあ、やっ……そんなの……っ」
恥じらいと快楽が混じり合い、頭が真っ白になりそうになる。
ショーツが抜き取られ、指がゆっくりと、しかし確実に私の中に入ってくる。
「クチュ……クチュ……」
音が、部屋に響く。
私は脚を閉じようとするけれど、それより先に彼の身体が覆いかぶさってきた。
そのとき――。
私は、彼の“それ”を初めて見た。
トランクスの奥から現れたものは、驚くほど太く、重そうにそそり立っていた。
一瞬、本能的に「無理かも」と思ってしまったほどだった。
遼の顔を見ると、彼は恥ずかしそうに私の目を避けた。
でも、その昂ぶりは嘘じゃなかった。
彼のモノは、青年のそれというより……獣のようだった。
私は思わず喉を鳴らし、そのまま自分の手で触れた。
「……っあ」
彼が、声を漏らした。
ビクン、と震えたそれに、私はゆっくりと口を近づけた。
舌先でカリをなぞり、根元まで咥える。
太くて喉が詰まりそうで、それでも何度も繰り返した。
彼の手が私の頭に添えられ、腰が勝手に前へと突き上がってくる。
苦しそうにのけぞる彼の腹筋が汗ばみ、熱気がベッドにこもる。
やがて、私は彼を仰向けに寝かせ、自ら彼の上に跨った。
「ゆっくりね……」
深呼吸をしてから、私はその巨根を、自分の中へと迎え入れた。
「……っ、入ら、ない……」
太さに身体が悲鳴を上げる。
でも遼は動かず、ただ私の腰に手を添え、私のタイミングを待っていた。
私は、自分の意思で、ゆっくりと沈んでいく。
「っ、あっ……入ってきた……」
ひとたび入ってしまえば、奥の奥まで一気に突き上げられた。
圧倒的な太さに内側を押し広げられ、快楽と苦痛の境界が溶ける。
遼が動き始めたとき、私はもう声を抑えることができなかった。
「……っあ、あっ、すごい……遼くん、奥までっ……!」
ベッドが軋み、汗が混じり、私は彼に打ちつけられるように快楽を注がれていた。
彼の荒い息遣い、額に浮かんだ汗の粒、そして一心に私を見つめるその目――。
私という存在のすべてを、彼が受け止めてくれているようだった。
やがて――。
「……出そう、出る、っ……!」
彼が苦しそうに呻き、私は急いでゴムを押さえながら、首筋にキスをした。
彼の身体がビクビクと震え、熱いものが内側に広がっていくのを感じながら、
私は初めて、声を殺さずに泣いた。
それは快楽の絶頂ではなく、
私のなかに渇いていた何かが、ようやく満たされた気がしたからだった。



コメント