飲み会終わりに終電を逃してしまった部下を泊めることに…妻には無い色白で柔らかいオッパイと積極的な誘惑に負け、朝まで何度も中出し不倫 月野かすみ
優しくて献身的な妻がいるが、どこか退屈さを感じている。
ある日、終電を逃した部下の月野をうちに泊める事に…。
酔っているのか本気なのか…。月野は隣に妻がいるのに、どんどん迫って来る。
妻にはない大きなオッパイ。妻にはないスリリングを求めるような遊び心。
妻がしてくれないような下品でねっちこいプレイにカラダだけでなく、心も揺れ動いていき…。
【第1部】眠れない終電と、少しだけ壊れた私の日常
あの夜も、私は会社の飲み会からの帰り道、上野発の常磐線に乗っていました。
名前は美咲、三十四歳。都内の広告代理店で働く、ごく普通のOLです。
「普通」という言葉を使いながら、どこかでずっと、自分の中の何かがくすぶっているのを知っていました。
仕事は嫌いじゃない。むしろ好きな方で、若い子たちにプレゼンの通し方を教えたりする立場になってから、責任もやりがいも増えた。でも、そのぶんだけ、心も身体もいつの間にか「仕事モード」のまま固まってしまっていた気がします。
恋人の直哉とは三年目。優しくて、真面目で、約束は守る人。だけど最近の私たちは、
「今日も遅くなっちゃって、ごめん」
「ううん、俺も疲れててさ」
と、お互いを気遣う言葉の奥に、ふっと溜息を隠すような日々が続いていました。
あの夜も、送別会で少し飲みすぎて、上野で電車に駆け込んだときにはすでに、終電間際。竹の香りがほのかにする日本酒を、つい杯を重ねてしまったせいで、頬は火照り、まぶたは重く、車窓に映る自分の顔が、どこか知らない人みたいに見えました。
「……寝たら乗り過ごすよ」
そう自分に言い聞かせながらも、揺れに身を任せていると、思考の輪郭がゆっくり溶けていく。隣の席には、いつの間にか一人の男性が腰を下ろしていました。濃紺のスーツ、ほどよく崩したネクタイ。車内広告にちらりと視線をあげるたび、彼の横顔が一瞬輪郭を結んでは、すぐにぼやけていきます。
「松戸まで、ですよね」
不意に耳元で声がして、私ははっと目を開けました。
「え?」
「この前も、ここから乗ってましたよね。俺、柏の方に住んでて。同じ車両で何度か見かけたから」
にこりともせずに告げるその言葉に、酔いのせいで遅れていた警戒心が、ようやく少しだけ顔を出しました。けれど、彼の声は静かで、どこか聞き慣れたラジオのDJみたいに落ち着いていて、私はつい眉を緩めてしまいます。
「そう……だったんですね」
「終電、ギリギリでしたよ。仕事、お疲れさまです」
社交辞令のような一言が、なぜか胸のどこか深いところに触れる。仕事で褒められることはあっても、「お疲れさまです」と真正面から言われるのは、思っていたよりずっと久しぶりでした。
松戸の車内アナウンスが聞こえたあたりで、私はうとうとと意識を手放してしまいました。微かな揺れと、遠くで誰かが話す声。夢と現実の境目が溶けるような、あの独特の終電の空気。
「乗り換え、どうします?」
再び肩に触れる感覚で目を開けると、車内はもうずいぶん空いていました。終点の我孫子行き。
「松戸、過ぎちゃいましたね」
彼は苦笑いしながら、スマホの時刻表を見せてくれました。
「このまま終点まで行って、折り返しを待った方が安全ですよ。俺も時間あるんで、付き添います」
その申し出は、酔った頭にも「助かった」という安堵をもたらしました。知らない土地ではないけれど、終電を逃した深夜の駅の心細さは、何度経験しても慣れません。
だから私は、そのときすでに、彼の隣に少しだけ身を預けていたのかもしれません。
「……じゃあ、お願い、してもいいですか」
そう言った瞬間から、あの夜の空気は、静かに別の色に変わり始めていたのだと、今ならわかります。
【第2部】終点ホームの囁きと、境界線がほどけていく夜
終点の駅に着いたとき、ホームは驚くほど静かでした。蛍光灯の白さが、夜気の冷たさを際立たせている。
「こっちです。待合室、空いてるはずなので」
彼――名刺を出してくれて、名前が「亮」だと知ったその人――は、人影の少ない方の階段をゆっくりと先導してくれました。
スーツの背中を追いながら、私は少しだけ意識的に歩幅を合わせてみる。足音が、コツ、コツ、と重なっていくたび、見知らぬ駅での心細さが、なぜかじんわりとした安心に変わっていくのを感じました。
待合室は、ガラス越しにホームの明かりが差し込む小さな箱のような空間でした。ベンチがひとつ。貼り紙には「始発まであと一時間ほど」と、無機質な文字。
「すみません、本当に……」
私が頭を下げると、亮は首を振りました。
「いいですよ。俺も、誰かと待っていた方が気が紛れますし」
「誰かって……彼女さん?」
酔いが少し抜けた頭で、そんな軽口を叩ける自分に驚きながら、私は彼の表情をうかがいました。
「いないですよ、今は。仕事ばっかりで。――あ、美咲さんは?」
名前を呼ばれた瞬間、胸の奥が小さく跳ねました。さっき名刺を渡したとき、フルネームを見られているのはわかっていたのに。終電後の静けさの中で、自分の名前が男の人の声で囁かれるだけで、空気の密度が変わることを、私は初めて知りました。
「いる、けど……最近は、なんかうまくいってない、かも」
「そうなんですね」
亮はそれ以上、詮索することはしませんでした。代わりに、自分の仕事の話を少しだけして、
「終電って、なんか特別ですよね」
と、ぽつりと言いました。
「一日の終わりで、ちょっと気がゆるむというか。人と人の距離感も、昼間と違って見える気がして」
その言葉に、私はゆっくりと頷きました。
距離感。
まさに今、私の中で、いつもより少しだけその境界線が曖昧になっていることを、ちゃんと自覚する。
「……ねえ」
自分でも意外なほど落ち着いた声で、私は亮を呼びました。
「さっき、電車の中で。私、寝ちゃってたでしょ?」
「はい。ずっと、気持ち良さそうに」
「そのとき、何か……しました?」
問いかけた瞬間、亮の目が少しだけ揺れました。
「した方がよかったですか?」
思いがけない返答に、私は息を飲みました。
「いや、そうじゃなくて……」
酔いと眠気が混じり合った頭の片隅に、ぼんやりとした感覚の残像がよみがえる。ゆらゆら揺れる車内で、肩にかかる布の重み、胸元に触れた気配。夢だったのか、現実だったのか、判別のつかない曖昧な記憶。
「……もし、何かされたなら、ちゃんと言ってほしい。いやだったら、嫌だって」
亮は静かに言いました。
「終電で酔ってる人を見てると、時々思うんです。誰にも気づかれず、何かされそうになってる人もいるんじゃないかって。そういうの、俺は嫌なんで」
その言葉の端に、わずかな苛立ちが滲んでいるのを感じて、私はふっと笑ってしまいました。
「……真面目、なんですね」
「そう見えます?」
「見える。だから、ちょっとくらい、壊してみたいって思ったら……ダメ?」
自分でも驚くほどストレートな言葉が、唇からこぼれ落ちる。
亮は短く息を吸い込み、しばらく私の目を見つめたあと、低く囁きました。
「壊すのは、俺じゃなくて、美咲さんが決めることですよ」
その瞬間、胸の奥で何かが静かにほどけていきました。
「……じゃあ、いい?」
耳まで熱くなりながらも、私ははっきりと言いました。
「今夜だけ、ちょっとだけ。終電のせいにして、いつもと違う私になっても」
亮の手が、ゆっくりと私の手を包み込みます。その温度は驚くほど穏やかで、強引さはどこにもなかった。
「嫌になったら、すぐにやめます。言葉にしなくても、表情でわかるように見てますから」
約束のようなその一言に、私は小さく息を吸い込み、頷きました。
【第3部】ガラス越しの夜明けと、秘密の境界線
待合室のガラスに、ふたりの姿が薄く映っていました。白い蛍光灯の光に、少し乱れた前髪や、上着の隙間から覗く鎖骨のラインが浮かび上がる。
亮が私の手を引いて、ベンチへと腰を下ろさせる。その動作は一つ一つがゆっくりで、確認するようでした。
「触りますね」
囁きに似た声が耳元に落ちる。私は、息を詰めながらも、「うん」と頷きました。
最初に触れられたのは、指先でした。
仕事用のパソコンを叩き続けて少し固くなった指を、彼は一本一本なぞるように撫でていく。その細やかな手つきに、なぜか胸のあたりがじんわりと熱を帯びる。
「指、きれいですね。資料をめくるときとか、こんな感じなんですか」
「見てたんですか?」
「同じ車両で、何度も」
そんなやりとりを交わしながら、触れられる場所が少しずつ変わっていく。手の甲から手首、腕、肩。上着の上から、布ごしに伝わる圧が、ゆっくりと輪郭を描いていく。
「嫌じゃない?」
「……うん」
亮の指が、ブラウスの襟元にかかる。ボタンは一つだけ外れ、すぐに私の表情を確かめる。私は、自分でも驚くほど素直に、視線で「大丈夫」と伝えていた。
鎖骨のあたりを、指先がなぞる。肌が空気に触れるたび、ひやりとした感覚と、内側から湧き上がる熱が交互に押し寄せる。
「ん……」
小さな吐息が漏れた瞬間、亮の視線がそこで止まりました。
「声、我慢しなくていいですよ。ここ、誰も来ない」
「でも……」
「もし誰か来ても、ただ隣に座ってるだけに見えますから」
そう言うと、彼はわざとらしく肩を寄せ、二人の距離をさらに詰めました。外から見れば、酔った女の子を支える紳士的な会社員。けれどガラスの内側では、私の胸の高鳴りが、静かに、しかし確実なリズムで速くなっていく。
指先が、胸元にもう一歩だけ踏み込んだとき。
布越しの、柔らかな感覚。そのわずかな圧だけで、身体の奥に眠っていた何かが目を覚ます。
「……っ」
声にならない息を飲み込む私の耳元で、亮がそっと囁きます。
「ここ、ずっと、固くなってたんじゃないですか。仕事のあいだ」
その一言で、胸の奥に溜め込んでいた疲れや、言葉にできない寂しさが、一気に溢れ出しそうになりました。
「もう、やめる?」
亮の問いかけは、いつでも私に選択肢を返してくる。
私は、かすかに首を振りました。
「……まだ、やめたくない」
自分で選んだその言葉が、最後の鍵を外す。
彼の手つきは決して乱暴にはならず、むしろ一つ一つの反応を確かめるように慎重なまま、ゆっくりと熱だけを深めていきました。
待合室の時計の針が、一周、また一周と進んでいくあいだ、私たちは何度も目を合わせ、そのたびに確かめ合うように、唇を重ねました。
深く、長く、溺れるような口づけ。
それだけで、身体の輪郭が少しずつ曖昧になり、心の中の硬い部分が静かにほどけていく。
「美咲さん」
名前を呼ばれるたびに、心の奥に柔らかな波紋が広がる。
唇を離したあとも、額を寄せたまま、二人でしばらく呼吸を整える。
始発電車が近づく頃には、ガラスの向こうの空がわずかに白み始めていました。
「そろそろ、帰りましょうか」
亮は、乱れた髪を指先で整えながら言いました。
「ここからなら、松戸までそんなにかかりません」
立ち上がるとき、彼がさりげなく差し出した腕に、私は自然と自分の腕を絡めました。
「……ありがとう」
言葉にしたのは、それだけでした。
それ以上のことは、あの待合室に、ガラス越しの夜明けと一緒に置いていく。
そう決めたのも、私自身でした。
終電がくれた秘密──あの夜から私が学んだこと
あの夜を思い出すとき、最初に浮かぶのは、誰もいないホームの静けさと、蛍光灯の白さです。
そして、私の「いや」も「いい」も、ちゃんと待ってくれたあの人の、少し照れた笑顔。
あれから私は、終電で眠り込むことはしなくなりました。
酔って帰るときはタクシーを使うし、そもそも「自分の感覚が曖昧になるほど飲まない」という約束を、自分自身と結んでいます。
でも同時に、あの夜のおかげで知ったこともあります。
――私の身体は、私のものだということ。
――誰かに委ねるときでさえ、その「委ね方」を決めるのは、私自身だということ。
――触れられるより先に、言葉や視線で満たされる瞬間が、一番深く私を震わせるということ。
恋人の直哉には、終電の一部始終を話してはいません。
ただ、「もっとちゃんと触れてほしい」と、少し勇気を出して伝えました。
最初は戸惑っていた彼も、最近ではゆっくりと私の反応を確かめるようになってきて、それが嬉しくて、くすぐったくて。
終電後のあの小さな待合室は、今もどこかの駅にあるのでしょう。
ガラス越しに夜明けを待ちながら、誰かの心が、少しだけほどけているのかもしれません。
あの夜、私が自分で選んで、境界線を少しだけ動かしたように。
これからも私は、自分の「感じる」を、自分の手で決めていきたい。
――そして時々、電車の窓に映る自分の姿を見て、そっと確かめるのです。
あの夜より、少しだけ柔らかい顔で笑えているかどうかを。




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