春の風が、街のざわめきをやわらかく包んでいた。
私は50歳。家庭があり、社会的な立場もある。
それでも――女の渇きは、季節や年齢に関係なく訪れる。
「かなさん、もう少し飲まれます?」
職場の春のお花見会、酔いがほどよくまわった頃、彼――健太くんが私のそばにやってきた。大学生のアルバイト、真っ直ぐな瞳、しなやかな身体。けれど、それ以上に……私を見つめる“視線”が、いつも熱を孕んでいた。
「帰り、送りますよ」
私は断る理由を持たなかった。
**
夜道を走る車の中、私は少しだけ素直になった。
「ほんとうに……彼女、いないの?」
「いません。でも……かなさんが好きです」
その声の中に、初々しさと抑えきれない欲が、同居していた。
「私……おばさんよ。あなたから見れば……」
「でも……女として、見てます」
言葉が、熱く腹の奥に刺さった。
ふいに彼は車を停めた。沈黙のあと、ゆっくりとこちらに向き直る。
「キスしてほしいんです。……初めてなんです」
私は黙って頷いた。
酔いも消えていたけれど、胸の内側がじんわりと熱かった。
そっと唇を重ねると、彼の息が甘く震えた。
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それからの日々――彼とキスを重ねるたび、私は溺れていった。
口づけひとつに、息づかいと、体温と、どこか不器用な手のひらが添えられてくる。
「これ以上はダメよ」
そう言いながら、私は彼を育てていた。
キスのたびに、私の胸を、柔らかく、時には戸惑いながら愛おしむように触れてくる。
――でも、我慢も限界だった。
ある夜、夫は地方への長期出張、娘は友達と旅行へ。
私は、誰にも見つからない場所に、欲望の部屋をつくった。
**
夕食を終え、お風呂をすすめた彼は、用意された浴衣を恥ずかしそうに身につけて出てきた。
私はタオルに身を包み、その上からシルクのガウンを羽織って、食卓の椅子に座らせた彼の前に跪いた。
「……ほんとうに、経験ないのね?」
「……はい。全部、かなさんが初めてです」
私は静かに浴衣の裾を開いた。
下着越しに、異様な膨らみが浮かび上がる。
指をかけてゆっくりと下ろすと、弾けるように現れたのは――
想像を超えたサイズだった。
長く、太く、皮膚の薄いところには血管が浮き出し、先端はほのかに紅色を帯びて、すでに熱い蜜を溢れさせていた。
「……すごい……本当に、童貞?」
「……本当です。でも、かなさんと……したい」
私はその巨きなものにそっとキスをし、ゆっくりと唇で包み込んだ。
熱が舌先に伝わるたび、彼の身体が震える。
まだ扱い慣れない大きさに、口の奥が苦しくなるけれど、その苦しささえ甘美だった。
数度の上下で、彼は「……もう……」と呻き――その瞬間、口いっぱいに温かな奔流が注がれた。
**
寝室。私はベッドに仰向けに彼を寝かせ、自らの衣服を脱ぎ去った。
「ほんとうに……この身体で、いいの?」
「……綺麗です。ずっと、かなさんで……したかった」
跨り、彼のあの巨きなものを手にとり、熱く濡れた私の奥へ、慎重に、ゆっくりと受け入れていく。
「……あ、ぁ……っ」
その大きさに、入口は圧迫され、膣壁が軋むほど押し広げられる。
「……痛くない……大丈夫?」
「ううん……気持ちいい……すごい、奥まで……」
身体の中を掻き乱されるような刺激が、私の全神経を痺れさせた。
太腿が震え、何度も何度も高みへ連れていかれる。
「……出そう、また……でも、ゴム……」
「付けてないわ。大丈夫、もう生理はないから」
「……かなさん……ほんとに……?」
私は頷き、腰を深く沈めた。
そのとき――彼の奥から脈打つような動きとともに、灼けつくような精が、私の中に広がった。
「……ああ……いっぱい、来てる……」
私は腰をゆっくり回しながら、逆流するその熱を、自分の中で感じ続けていた。
**
抜いたあと、彼は私の腹の上に顔を近づけて言った。
「……AVで、こういうの見たことあります。中にいっぱい出して……出てくるの、見たいって」
私は微笑んで、膝を立て、脚を少し開いた。
彼がその間から覗くと――私の奥から、白濁の滴がとろりとこぼれ、腿を伝っていった。
「……こんなにも、出してくれたのね……すごい子」
彼は私にキスをしながら、もう一度昂ぶり始めた。
今度は彼が私を押し倒し、その若く逞しい身体で、深く、激しく、何度も私を突き上げた。
快楽の波は止まらず、私は声を抑えることができなかった。
**
それから私たちは、逢瀬を重ねている。
気づけば、私が彼を“抱いていた”つもりが、今では完全に“抱かれている”。
あの巨きなものに翻弄され、心も身体も奪われていく。
――夫と眠る夜でさえ、思い出すのは彼の熱。
彼の重さ、彼の匂い、彼の中に咲いた花のような愛撫。
私はもう、抗えない。
女の最後の春に、私は全てを託してしまったのかもしれない。
でもそれでも――私は、まだ“女”だった。
そして、彼にとっても、最初の“女”だったのだから。
春の夜風は、どこかぬるく、空気の色まで滲んでいるようだった。
彼の卒業式を終えた翌日――私は、最後の逢瀬の支度をしていた。
「今日だけは、全部預けてもいいよね……?」
そう心でつぶやきながら、シルクのランジェリーを選んでいる自分に、ふと笑ってしまった。
50歳、妻であり母である私が、20歳の“元教え子”の身体を、今夜も欲しがっている。
けれど、それは“男と女”としての、最後の夜になるはずだった。
**
チャイムが鳴ったとき、心臓が一度、痛いほど跳ねた。
ドアを開けると、春の風を纏った彼がいた。
「こんばんは……」
「うん、いらっしゃい」
ぎこちない挨拶を交わし、でも目と目が重なった瞬間、何も言わずとも、二人の体は自然に近づいていた。
玄関で靴も脱ぎきらぬまま、彼の手が私の頬を撫で、腰に回される。
唇が触れると同時に、息が、熱が、すべてが溶け合っていく。
「今日で……最後ですね」
その言葉に、私は首を横に振った。
「違う。今夜は……はじまりの夜。最後だなんて、まだ言わないで」
**
リビングの灯りは落とし、キャンドルの柔らかな光だけが部屋を照らしていた。
私はガウンを脱ぎ、レースの下着姿で彼の前に立った。
「……綺麗です。……ずっとずっと、触れたかった」
彼の手が、震えるように私の肩から滑り落ちる。
そのまま、ソファに押し倒されるようにして、私の身体が沈んだ。
彼の舌先が、鎖骨から胸元へ、下腹部へと這っていくたびに、全身の毛穴が粟立った。
「……お願い、見せて。今夜のあなたを」
私は彼のベルトを外し、ズボンを引き下ろした。
あの時と変わらず、いや、それ以上に――
布の奥で跳ねる熱の塊は、存在感すら超えた“異物”のように私の視界に広がった。
「……これが、私の中に、入ってくるのね……?」
「入れても、いいですか?」
「ううん……欲しい。全部、奪って……壊して」
**
ベッドに移動する間も惜しく、私はソファの上で足を絡め、彼の巨きなものを、濡れきった入口に迎え入れた。
ゆっくりと、でも力強く侵入してくる熱。
壁が押し広げられ、子宮の奥まで到達する感覚に、目の奥が白く染まる。
「……あっ、ダメ……すごすぎる……っ」
彼の腕の中で何度も果てながら、それでも私の中は彼を求め続けた。
「……もっと奥まで来て……全部ちょうだい……」
脚を絡め、腰を浮かせ、自ら彼の奥へと沈み込んでいく。
絶え間ない打ちつけのたびに、私の内奥が震え、彼の熱が脈打つたびに、身体が歓喜の波に飲まれていく。
「……中に、出しても……?」
「いい、出して……私は、あなたのものになるから……」
**
一際深く彼が突き入れた瞬間、爆ぜるように私の奥へ熱が奔った。
その量に、身体の芯が満たされ、息すら止まりそうになる。
「……ああ……すごい……溢れてくる……」
私は彼を包み込みながら、彼の放ったすべてを、愛しむように抱きしめた。
やがてゆっくりと抜かれたそのあと、私の脚の間から、とろとろと流れ落ちていく白濁が、キャンドルの光の中で淫靡に煌めいていた。
**
その夜、私たちは朝まで抱き合い続けた。
何度も求め、何度も重なり、何度も熱を注ぎ込まれた。
もう、身体も心も、すべて彼に明け渡していた。
最後に彼が、私の腹の上に顔を埋めてつぶやいた。
「……僕を最初にしてくれて、ありがとう」
「……こちらこそ。あなたに抱かれて、女に戻れた」
**
夜が明けて、彼は帰っていった。
玄関先、何も言わずに抱きしめた最後の感触が、私の肌に今も残っている。
シーツの奥からは、まだかすかに彼の香りが漂う。
洗濯機を回す手を止め、私は自分の下腹部に触れた。
――そこには、あの夜の痕跡が、まだ残っていた。
私は、確かに愛された。
いけない関係だった。だけど、私は生きていた。
誰のものでもなく、“女”として、彼に選ばれた夜。
それは、終わりではなく――
私の、はじまりだった。



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