キャンプで出会う、抑えきれない官能…波打ち際で燃え上がる背徳の一夜

海辺の偶然

潮風が頬を撫でる。波の音が遠くから静かに響き、砂浜に寄せては返す。そのリズムに、私は心地よい安心感を覚えていた。

バイクのエンジン音が聞こえ、視線を向けると、一台のバイクがキャンプ場の入り口に停まった。黒いジャケットを羽織り、ヘルメットを外すと、若い男性の姿が現れた。

初夏の日差しが悠人の髪に光を落とし、ふと、その横顔に見惚れる。

「ねえ、千尋、ちょっと手伝って!」

彩香の声で我に返る。私たちはテントを組み立てようとしていたが、ペグがうまく刺さらず苦戦していた。

「すみません、ペグが上手く刺さらなくて……」

困ったように声をかけると、悠人がこちらを見た。

「手伝いましょうか?」

低く落ち着いた声だった。

「いいんですか? 助かります!」

悠人の手際は良く、あっという間にテントは完成した。私は悠人の指先の動きを横目で追いながら、時折わざと腕が触れるように距離を詰めた。

悠人が気づいたのかどうかはわからない。でも、そのわずかな距離感の変化が、妙に心をざわつかせた。


海でのひととき

テントの準備が整うと、皆で海へと向かった。太陽が高く昇り、波がきらめく中、私はゆっくりとのビキニの肩紐を整える。

「海、気持ちいいね!」

そう言いながら、私は砂浜に立ち、ゆっくりと伸びをした。

悠人の視線が、一瞬だけ私の鎖骨あたりをさまよった気がする。気のせいかもしれない。でも、その一瞬がなんだか嬉しくて、私はほんの少しだけ肩紐を直す動作をゆっくりさせた。

「ほら、遊ぶよ!」

彩香は子供たちと一緒にボールを蹴りながら笑っている。奈津美は波打ち際で足を濡らしながら、気持ちよさそうに目を細めていた。

「おい、手加減なしだぞ!」

悠人と子供たちはビーチサッカーを始めた。私も途中から加わり、砂浜を駆け回る。

走るたびにビキニの胸元が少しずつ揺れ、悠人が時折視線を泳がせているのを感じる。私は何も言わないまま、意識して悠人の近くに動いた。


夕暮れのBBQ

遊び疲れた頃、焚き火の準備を始めた。オレンジ色の夕日が海に沈みかけ、幻想的な光が波に揺れている。

「こういう時間って最高よね。」

私はビールの缶を開け、焚き火の前に腰を下ろす。

悠人が隣に座る。その瞬間、ほんの少しだけ身体をずらし、さりげなく肩が触れるようにした。

「ねえ、好きなタイプってどんな人?」

ふと、私は悠人に尋ねた。

「……千尋さんみたいな雰囲気の人、ですかね。」

「え、私?」

驚いたふりをしたけれど、どこか期待していた気持ちを自分でも感じる。

焚き火の炎が揺れ、私は照れくさそうに視線を落とした。

悠人の瞳が炎に照らされて優しく光る。そのまなざしに、静かに吸い込まれていくような気がした。

私はそっと髪を耳にかけ、首元を露わにする。悠人が目を伏せたのを見て、心の奥で小さく微笑んだ。


夜の肝試し

彩香と奈津美はすっかり酔いが回り、焚き火のそばで横になっていた。

「ねえ、散歩しない?」

私はそっと悠人を見上げた。

「え?」

「せっかくだし、ちょっと海の奥の方まで行ってみない?」

波音に混じって、遠くの崖の方へと続く小道が薄闇の中に浮かび上がる。月明かりに照らされた水面が、どこか神秘的に揺れていた。

歩くたびに、私はわざと悠人の腕に軽く触れるように歩幅を合わせる。

「……肝試しみたいだな。」

「ふふっ、怖い?」

「いや、別に。」

「本当に? ちょっと手、貸して。」

そう言いながら、私は指を絡めるように悠人の手を握った。

「肝試しって言うより……なんか、特別な感じがする。」

月光に照らされた横顔が、妙に大人びて見えた。

「ねえ……」

私はそっと立ち止まり、悠人を見上げる。夜風が髪を揺らし、ほのかに潮の香りを運んできた。

「千尋さんって……すごく綺麗ですよね。」

悠人の言葉が夜の静寂に溶ける。思わず息をのむ。優しいけれど、迷いのないその声に、胸の奥が小さく震えた。

「え……?」

「顔も、声も、仕草も……なんか、すごく魅力的で……」

彼の視線がそっと私の頬をなぞるように落ちていく。熱を帯びたそのまなざしに、思わず心が揺れた。

「そんな風に言われたの……久しぶり。」

照れ隠しのように小さく笑うと、悠人は少し目を細めて微笑んだ。

「それに……スタイルも、すごく綺麗です。」

彼の低い声が心の奥を震わせる。

「もっと、見せてくれたらいいのに。」

私は思わず息を呑んだ。

「もう……意地悪。」

少しだけ身体をひねり、肩紐をさりげなく直す。淡い月光の下、悠人が静かに唇を噛むのが見えた。


岩場の静寂

「わぁ……すごい、綺麗……!」

私は息をつきながら、岩の上に腰を下ろした。悠人も隣に座り、遠くでさざめく波の音に耳を澄ませる。

「ほんとに肝試しみたいになったな。」

「ううん……これは、ロマンチックな夜よ……!」

私はそっと悠人を見つめた。暗闇の中でも、悠人の目は優しく光を宿している。

「ねえ……!」

私の声が小さく響く。風がふわりと吹き、私の髪が悠人の肩にかかる。

「こういうのって、なんか……映画みたいじゃない?」

「うん……。」

悠人の視線が私の唇のあたりで揺れる。ほんの一瞬、ためらうような間。

「……キスしてもいい?」

私はそっと顔を寄せていった。

月明かりの下、静かに唇が触れる。

「あっ……悠人……。」

波の音が遠のき、時間が止まったかのような感覚。

私はそっと悠人の指を絡める。

「ねぇ……もう少しだけ、ここにいてもいい……?」

波間に反射する月光が、私の肌を淡く照らし出す。

「あなたといると……心が揺れるの……!」

悠人の頬にそっと触れる。

「こんな夜が、ずっと続けばいいのに……!」

私の囁きは、波に溶けるように淡く、けれど確かに耳に残る。

まるで、月明かりに照らされた夜の舞踏のように、二人の心がゆっくりと高まっていく。

悠人の腕が私の腰に回り、引き寄せられるように身を預ける。私はそっと膝を折り、彼の胸に額を寄せた。

「悠人……あなたのこと……もっと知りたい……!」

波が静かに岸を洗い、夜風が髪を撫でる。私の指先が悠人の肩をなぞり、彼の体温を確かめるようにそっと動く。

「千尋さん……綺麗だよ。」

彼の声は、夜の静寂に溶けるように甘く響いた。私は瞳を閉じ、彼の息遣いを感じる。

「嬉しい……!そんな風に言われるの……!」

月の光が揺らめく中、私は悠人の上にそっと身を移し、波のリズムに導かれるように彼を見つめる。

「こんな気持ち……久しぶり……!」

肌に触れる夜風の冷たさと、彼の手の温かさが交差する。心臓の鼓動が、次第に高鳴っていく。

「あぁ……なんだか……夢みたい……!」

「私……今夜は、あなたにすべてを預けてもいい……?」

悠人の指が私の頬を優しくなぞる。その手のひらに包まれ、私は静かに目を閉じた。

「ねぇ……感じる……?私の鼓動……!」

夜の海が見守る中、二人の影がゆるやかに重なり合い、波の満ち引きとともに心がほどけていく。

「もっと……!あなたを感じたい……!」

月光に照らされた岩場で、私たちはただひとつの波になった。

「あなたといると……夜が終わらなければいいのに……!」

私の囁きは、波の音とともに溶けていった。

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