香坂理沙部長は、36歳の既婚女性だ。
白い肌と黒髪。スーツの着こなしは完璧で、ヒールを鳴らす歩き方まで研ぎ澄まされていた。資料をめくる指先は細く、冷たく、それでいてなぜか“艶”を感じさせる。
私が新卒で入社したとき、正直この人にだけは見下されたくないと思った。でも気づけば、その視線を追いかけるようになっていた。
あの目は、何かを知っている。
そして、こちらがその“何か”に気づき始めたことを、確実に分かっていた。
最初に「見せられた」のは、何気ない昼のことだった。
廊下でたまたますれ違った時、彼女は何気なく片手でスーツの裾を直しながら、ふと私の顔を見てこう言った。
「……さっき、会議中にずっと見てたわよね。そんなに私の脚、気になるの?」
一瞬、時間が止まった。
「……え?」
思わず口をついたその一言に、彼女は薄く笑って、こう付け加えた。
「視線って、肌に刺さるのよ。男の子の目って、すぐに濡れるの。……そうでしょ?」
そう言って、彼女は髪をかきあげ、スカートの奥へ視線を誘うように、脚を組み直した。
その脚線美が、黒のストッキング越しに光って見えた。
完全に“見せて”きていた。
そして、私はそれに抗えないことを、彼女は知っていた。
それからというもの、香坂部長の“視線と指先の淫靡な挑発”はエスカレートしていった。
たとえば会議中、ボールペンの先を舌先で濡らす。
「……口寂しいの、何か噛んでないと落ち着かないのよね」
その目線は、明らかに私の股間を盗み見ていた。
あるときは、コピー機の横で屈むとき、スカートの奥が見えそうなほどヒップラインを私の目の前に突き出しながら、
「三条くん、そうやって黙って見てるの……すごくゾクゾクする」
そう言って、微笑を浮かべた。
“自分が何をしているか”を、あの人はすべて分かった上で、見せていた。
清楚な外装の下に、欲望の湿りを湛えた獣が眠っている。
そのドアノブを、私はついに回してしまった。
金曜の夜、誰もいないオフィス。
私は終業のタイムカードを押すふりをして、香坂部長のデスクに向かった。
彼女はひとり、眼鏡を外し、資料に目を落としていた。
「……今夜も、残業?」
「ええ。でも……あなたが来ると思ってた」
顔も上げず、彼女はそう言った。
「……スーツ、脱がせてくれる?」
私は喉を鳴らしながら、彼女の背後にまわった。
ジャケットを脱がせ、首筋に顔を埋めると、彼女の体温がわずかに上がっているのがわかった。
「……もう、濡れてるわよ。触ってみる?」
その声が耳元に響いた瞬間、私の理性は崩れた。
私は彼女のスカートに手を滑り込ませた。ストッキングの上からでも分かる湿度。内腿をなぞると、理沙さんの腰が甘く震えた。
「……奥、もっと……そこじゃない……ほら、こっち……」
彼女は自分の指で下着をずらし、私の指を蜜壺に導いた。
くちゅ、ぬちゅ……音が溢れ、蜜が滴り、理沙さんは机に身を預けて突き出した尻を私の腰に擦りつけてくる。
「挿れて……お願い、壊して」
ズボンを下ろし、怒張したものをあてがうと、彼女の奥がきゅう、と締まり、吸いつくように迎え入れた。
「熱い……ああ、入ってきた、全部……っ」
彼女は快感に痙攣しながら、自ら腰を前後に打ちつけてくる。
「三条くん……もっと……もっと突いて……わたし、上司じゃいられない……」
ヒールを履いたまま脚を開き、シャツのボタンを自分で引きちぎって、レースの下着を顕にする。
「見て……私、こんなに濡れて……咲いてるでしょ? もっと咲かせて……!」
私は彼女の蜜壺を奥まで突き上げ、何度も何度も打ちつけた。
スーツに覆われていた清楚な部長が、いま、机の上で腰をくねらせ、涎をこぼしながら、雌として絶頂に達していた。
「イクッ……ああっ、だめ、壊れちゃう……っ!」
彼女が絶叫とともに果てたその瞬間、私も限界を迎え、深く深く、すべてを注ぎ込んだ。
蜜の匂いと汗の熱に満ちた会議室で、ふたりは裸のまま寄り添った。
「……これが、わたしの本当の顔。知って、どう思った?」
彼女はそう囁きながら、自らの指で蜜をすくい取り、私の唇に塗りつけた。
「舐めて。あなたの味と、わたしの味……混ぜて」
私は黙って、それを舌で拭い、飲み干した。
それからも、ふたりは続いている。
見せつけてくる脚線美、ふとした下着の色、視線の端で誘惑してくる女豹の微笑――。
昼の理沙さんは清楚な“部長”。
夜の理沙さんは、スーツの下で滴る淫靡な蜜壺の“女”。
私は、もうそこから抜け出すことはできない。
そして今夜もまた、その視線が、スカートの奥へと私を誘っている。
それは下着よりも、心よりも、先に濡れてしまう視線だった。
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