台風で帰れなかった夜満喫ペアシートで交わる視線と濡れた体験談の記憶

第1幕 濡れた髪と視線が交わる密室のはじまり

電車が止まり、帰れなくなった夜。
ホームで再会したのは、数ヶ月前まで同じ部署だった後輩の彼だった。

「満喫、行きませんか?」

彼が差し出した傘の下で、私は小さく頷いた。
止まぬ雨。ざわめく風。逃げ込むように入ったネットカフェ。
通されたのは、たったひとつだけ空いていたペアシートの個室だった。

密室の空気が、肌の上を這いまわるようだった。
髪の毛の雫が肩を伝い、キャミソールに染みてゆく。

「…濡れてますよ、先輩」

彼がそう言って、指で私の首元の水滴をぬぐう。
たったそれだけのことで、鼓動が跳ねた。

視線がぶつかる。息が近づく。
ふたりの距離は、音もなく静かに、境界を越え始めていた。


第2幕 舌が解いた沈黙、指が覗かせた秘密

唇が重なったのは、彼が「寒くないですか」と囁いたすぐあとだった。
ココアを持った手が震えて、私は彼の胸元に倒れかけた。
次の瞬間、呼吸の熱に引かれるように、彼の唇が触れてきた。

湿った音が、静まり返った個室に吸い込まれていく。
彼の舌が私の口内をやさしく探り、喉の奥をくすぐるように撫でてくる。

背中にまわった手が、ブラのホックに届きそうな位置で止まる。
太ももに置かれたもう一方の手が、スカート越しに熱を送ってくる。
私はただ、脚を閉じることでしか反応できなかった。

「先輩、ここ…もう濡れてる」

ストッキングの中へ指が滑り込み、下着の布地を指の腹がなぞる。
愛液が滲む音が、肌の奥で聞こえる気がした。

脚を開いたまま、キャミソールの肩紐が落ちる。
彼の舌が鎖骨をなぞり、唇が乳首を包み込む。
吸われるたび、骨盤の奥がきゅうっと締まっていく。

「…声、出してもいいですよ」

そう囁かれた瞬間、私はこらえていた声を漏らしてしまった。
熱く、柔らかく、全身を包まれていく感覚。
もう、彼の指先なしでは呼吸の仕方もわからなかった。


第3幕 貫かれ、ほどかれ、疼きが記憶に沈む夜

体位は自然に変わっていた。
彼の膝に跨がり、スカートを巻き上げたまま、私は静かに彼の中へ沈んでいった。

「…全部、ください…」

舌の奥まで交わらせ、唇を塞いだまま、私は彼に揺らされる。
ペアシートのクッションが軋み、濡れた音と肌がぶつかる音が、静寂の中に響いた。

一度目の絶頂は、彼の指がGスポットをなぞった瞬間。
二度目は、体位を変えられ、背中を預けたまま膝を開かれたとき。
三度目は、深く、奥まで突き上げられたあと、ふたりの視線が重なった瞬間だった。

「…先輩、俺の中で震えてる」

その言葉とともに、すべてがほどけていった。

事が終わったあと、私はキャミソールを整えることも忘れて、彼の胸に顔を埋めた。
しばらく、互いに何も言わなかった。
ただ、汗と吐息と、ぬるんだ湿度だけが肌の間に残っていた。

駅までの帰り道、ふたりは再び他人のように並んで歩いた。
けれど、私の下着の奥には、彼の熱と指の余韻がまだ滲んでいた。

あの夜、濡れたシートに沈んでいった指の熱だけが、今も私の身体の奥で疼いている。

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