あの日から、私の中の何かが、確かに変わってしまった。
戻れないと知りながら、それでも踏み込まずにはいられなかったのだ。
彼――浩也は、紳士服売り場の新人アルバイトだった。
ちょうど一回り半も年下。あの頃、私は42歳。
年齢だけを聞けば、恋の対象になるはずもない。
けれど、彼のまなざしは、年齢という枠組みをあっさりと溶かしてしまった。
彼が配属されたその日から、私は彼の教育係になった。
まっすぐで、言葉に嘘のない青年。
仕事を覚える速度も早くて、何より私の言葉に真摯に耳を傾けてくれる。
最初は母性のようなものだった。
でも、ある日を境にそれが静かにねじれていった。
いつしか私は、浩也の視線を無意識に追っている。
自分のスカートの丈や、髪の乱れを気にするようになった。
「千恵さんって、ほんと可愛いな」
そんな風に、軽やかに笑って言われた時。
内側で小さくはじけた何かが、止まらなくなった。
そしてあの夜――。
私たちはいつものようにカフェでお茶をしていた。
彼は、やけに黙っていた。
「どうしたの?」
尋ねた私に、彼は目をそらさずに言った。
「千恵さん…今日は、二人きりになりたい」
冗談だと思った。
けれど、彼の目は本気だった。
「俺、ずっと我慢してた。千恵さんが、欲しくてたまらないんだ」
心臓が跳ねる音が、耳の奥にまで響いた。
年下の彼からそんな言葉を向けられる日が来るなんて。
混乱とときめきが渦巻いて、私はただ立ち上がった。
彼の手に引かれ、夜の住宅街を歩いた。
彼のアパートにたどり着く頃には、もう頭の中は空っぽで。
ただ、彼の体温が恋しかった。
部屋の扉が閉まった瞬間、彼はそっと私のバッグを取り、
脱がせるようにしてカーディガンを滑らせた。
「ずっとこうしたかった」
その囁きが耳にかかる。
身体を向かい合わせにすると、彼はそっと私の頬を撫でた。
指先はまだ震えていたけれど、そのキスは――炎のように熱かった。
舌が入り込み、絡み合う。
私は抗うどころか、むしろ自分から舌を求めていた。
背中に回された手が、ワンピースのファスナーをするりと下ろす。
脱がされる、という行為のすべてが、甘い羞恥となって心臓を締め付けた。
下着姿になった私を、彼が見つめた。
その目に、憧れと欲望がないまぜになっていて――私は、もう逃げられなかった。
「…きれいだよ」
彼は、ブラの上から私の胸にそっと手を置き、
ゆっくり、まるで抱くように包み込んでから、愛撫を始めた。
肩紐を滑らせ、ブラを外した瞬間、彼の唇が乳首に吸い付く。
舌が乳輪を描き、突起を舐めあげる。
私は思わず「あっ…」と小さく呻いた。
久しく感じたことのない快楽に、身体が自分のものではないように震えた。
「浩也くん…だめ、そこ…んっ」
快感の波に耐えながら、彼の頭を抱き寄せる。
その舌の動きは執拗で、まるで私の快楽を学習するようだった。
そして彼の手が、太ももへ。
ストッキングの上から下着越しに触れる指が、中心をなぞる。
私は既に濡れていた。
恥ずかしさと欲望が入り混じり、逃れられない。
浩也は床にしゃがみ、ストッキングを丁寧に脱がせてくれた。
そしてパンティの上から、彼の目が私の“そこ”を見つめた。
「…ずっと、触れたかったんだ」
指が、布の中に差し込まれ、秘めた場所へと滑り込む。
すでに濡れきったその場所に、彼の指が容易く沈んでいった。
「あっ…や…ぁん…!」
声が漏れるのを止められなかった。
ピチャピチャと響く音。自分の身体が、彼の愛撫に答えているのが分かる。
そして――
「千恵さん、…入れたい。もう我慢できない」
私をベッドへ導いた浩也は、自分の服を脱いだ。
トランクス越しに、彼のものが膨らんでいるのが見えた瞬間、私は息を呑んだ。
彼が下着を脱いだ時、その姿に目が釘付けになった。
「……っ、そんな…」
それは、私の想像を超えていた。
太く、逞しく、反り返るように勃ち上がった彼のもの――
まるで獣のように熱を持ち、存在感そのものが身体を脅かしていた。
「千恵さん…怖くない?」
彼は私の頬を撫でながら聞いた。
私は小さくうなずいた。
「でも…欲しいの」
言った瞬間、自分の声が震えていた。
彼が私の脚を開き、位置を合わせる。
そして――
「…っ!!」
最初の衝撃は、まるで雷に打たれたようだった。
少しずつ、でも確かに私の中へ広がっていく。
その太さが、奥へ奥へと侵入するたび、私は涙が出そうなほどの快感に包まれた。
「すご…千恵さん、めっちゃ締まる…やばい…」
浩也も興奮で顔を歪め、動き始めた。
ゆっくり、そして徐々に速く。
突き上げるたびに、私の奥が彼のものに慣れていく。
私はもう、声すら抑えられなかった。
「浩也くん…ああっ、そんな…! だめ…ああああ…!」
何度も絶頂に近づき、波が身体を揺らす。
そのうちの一度、私は本当に“昇り詰めた”。
気づけば、息もできず、目の奥が白く染まっていった。
「千恵さん、イッた…? すご…可愛すぎる…」
浩也がそう言った時には、私はもう自分の身体を抱きしめられたまま、動けなかった。
彼が果てたのはその直後だった。
私の中から引き抜いた瞬間、彼の熱いものが胸元に飛び散った。
「…っごめん、顔まで…」
「ううん…なんか、嬉しい…」
そう答えながら、私は自分が“女として生きてる”ことを確かに感じていた。
あの夜以来、私たちは何度も愛し合った。
時間がなくても、立ったまま。
服をまくっただけで、彼のものを受け入れたこともある。
そして私は知った。
本当の快楽は、心を許した相手にだけ訪れるということを。
浩也の巨根に、私は何度も身体の奥から壊され、
そのたびに“女”として再び生まれ変わっている――そう思っている。



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