第1幕:人妻の脈、ふたりの影にほどけて
帰り道、夕暮れのショーウィンドウが、揺れる私の影をなぞる。
久しぶりにヒールを履いた足が少し疲れて、ベンチに腰掛けたときだった。
「一緒に飲みませんか?」
少し訛りのある日本語。外国の香りをまとった背の高い青年と、その横でにやけた笑みを浮かべるチャラそうな日本人の大学生。
私は思わず笑ってしまった。こんなこと、もう何年もなかったのに。
少し酔って帰るのも悪くない。
そんな軽い気持ちで、完全個室の居酒屋へ。
L字の席。私は真ん中。
右にロシア人のレオ、左にチャラ男のシュン。
乾杯のグラスがぶつかる音が、妙に耳の奥に残った。
「人妻って……最高だよな」と、どちらともなく笑いながら言う。
私も笑った。その瞬間、私は“妻”ではなく、“女”としてそこにいた。
手が、膝に落ちる。肩が、預けられる。視線が、まなざしに変わる。
私は、もう戻れない予感に、微かに震えていた。
第2幕:三つの熱に溶かされて、ひとつの悦びにほどけて
シャワーの音が、鼓動のように響く。
バスルームで裸になったとき、私は「見られる悦び」に震えていた。
Eカップの胸も、剃り上げた秘部も、あえて隠さない。
むしろ、見てほしかった。欲してほしかった。
レオの手が背中から回り、シュンの指が脚の付け根をなぞる。
二人に触れられながら、私は彼らの硬さを手で包み、丁寧に洗った。
ぬるいお湯の中で、私の中の何かが、確実に目を覚ましていた。
最初のキスはレオだった。
深く、湿った舌が絡み、肺の奥が甘く疼く。
シュンの唇が首筋に這い、私は喘ぎとともに彼の舌を求めた。
ベッドに入ると、ふたりの唇と指が交互に、絶え間なく私をほどいてゆく。
右乳首にレオの舌、左からはシュンの指がクリトリスをなぞる。
吐息が重なり、湿度が増し、私は“濡れた”という言葉では足りないほどに開かれていた。
「欲しい」と私が言ったのは、レオのものだった。
身体が、自分の意思より先に、答えを出していた。
仰向けになり、脚を開くと、レオの熱がゆっくりと侵入してくる。
奥に届くたび、声が漏れ、快楽が波のように私を攫っていった。
そのあいだ、シュンは私の口元に自分を添えてきた。
私は唇で受け取り、舌で愛した。
三つの熱が、ひとつの私に注がれていた。
第3幕:絶頂のあと、ひとりに戻れない身体
うつ伏せになった私の後ろから、シュンが入ってきた。
ベッドの軋む音が、甘い罪の合図のように響いた。
その間、レオは私の指を咥え、視線だけで射抜いてくる。
後背位の振動が奥に届くたび、私は自分の名前を忘れそうになる。
肌が粘り、脚の内側がとろけてゆく。
快楽の“形”ではなく、“深さ”に溺れていった。
最後は、仰向けでふたりに挟まれながら、クリを吸われ、指で突かれ、
私は名前のない絶頂に落ちた。
しばらくして、ふたりは私の隣で静かに寝息を立てていた。
私はベッドの縁で、少しだけ遠くを見つめた。
脚のあいだから、まだ熱が滴っていた。
そして、私は知ってしまった。
戻れないのは心じゃない、身体の方だ。


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